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身ひとつで勝負するホストクラブの世界、人気漫画家が描く「ウソとホント」とは?

 どんな女性もお姫様にしてくれる、夢のような場所があったら行ってみたい…キラキラ輝くホストクラブに憧れを抱く女性も多いのでは。少女漫画雑誌『りぼん』(集英社刊)で連載され、大ヒットしたアイドルマンガ『CRASH!』の作者・藤原ゆかさんの最新作は、ホストクラブを舞台にしたキュートなラブコメディ。キラキラ輝く世界を描き続ける藤原さんに、この作品に込めた想いや、制作の過程などについて話を聞いた。

人気漫画家が描くキラキラとした世界観…「漫画という方法で、非日常をお届けしたい」

 LINEマンガで連載中の『ラブ×ゼロ』は、ひょんな出逢いからホストクラブ・ZEROSで働くことになった美容師志望の“ニナ”が主人公のラブコメディ作品。ホストたちのヘアメイクとして、そしてなぜか従業員としても活躍することとなる。イケメンたちの巣窟に紛れ込んだことで、日常とかけ離れた煌びやかさと、甘すぎるおもてなしに圧倒される毎日を綴る。

――今回、ホストクラブを作品の舞台に選んだ理由はどんなものでしょうか?

藤原ゆかさん 個性派イケメンをたくさん描きたかったのと、自分に価値を見出してその身ひとつで勝負するホストクラブの空気感に惹かれました。また、ホストは業界用語で“キャスト”と呼ばれます。そう考えると接客はパフォーマンス、お店はステージなんですよね。景気のいい夢のようなお店をつくってしまえばいつでも非日常をお届けできる! と考えました。

――藤原先生が『りぼん』で連載されていた『CRASH!』は芸能界が舞台でしたね。どちらもキラキラした世界を舞台に描いていますが、先生が漫画で描く上で、キラキラな世界観にこだわりはありますか?

藤原ゆかさん たくさんの人のエネルギーが集結してつくられる、ステージやお祭りが大好きなんです。私も漫画という方法で、キラキラした非日常をお届けしたい…その思いが作品の世界観につながっている気がします。
――イケメンホストたちの中に女の子がひとり…という設定ですが、この構図になったきっかけはありますか?

藤原ゆかさん もともとは主人公も男の子で、ホストクラブで働くという内容になる予定だったんです。でも、女性読者さんが多くなる作品なので、親しみやすさや物語の広がりを考えて、女の子にチェンジしました。

――そうなんですね。主人公の女の子・ニナが男の子に変身する場面がありますが、もともと男の子が主人公の予定だったことも関係していますか?

藤原ゆかさん そうですね。それが大きいです。あとは、男装や女装のような、美麗な変身にロマンを感じているということもあります。

そもそも漫画は嘘の世界…「本心の言葉を織り込んで、愛情を感じられるような作品に」

――主人公・ニナは美容師志望ですね。あえて“夢を追う女の子”にしたのはどうしてでしょうか?

藤原ゆかさん 自分なりの考えを持っているキャラを描くのが好きだからです。ただ、ニナはなかなか詳細が固まらなくて。美容師志望という案を出してくださった担当編集さんに本当に感謝しています。

――ホストクラブという“夜の世界”を描くうえで先生が気を付けていることはありますか?

藤原ゆかさん 私の作品は、最低限のルール以外はファンタジーなので、リアルな夜の世界に触れるのは恐縮なのですが…。取材で感じた空気を思い返したり、完全実力主義の厳しさに共感したり、敬意を持ち続けて描くようにしています。

――描いていて、特に楽しいシーンはどんなところでしょうか?

藤原ゆかさん 癒やし系キャラに天使の羽がはえたり、豪快に金券が舞ったり、犬と猫がしゃべったり…「こんなのありえない」というツッコミどころ満載なシーンは、漫画ならではなので描いていて楽しいです!
――読者の口コミや感想には「絵が可愛い」「イケメンが好み」などイラストに関することも多くありました。キャラクターを描くうえで気を付けていることはありますか?

藤原ゆかさん 外見でも内面でも、キャラに魅力を感じてもらえることが嬉しいです! 人の好みはそれぞれなので、できる限り色々なタイプの美男美女を表現しようと心がけています。

――特に描くのが楽しいキャラ、逆に大変なキャラはいますか?

藤原ゆかさん キャラへの思い入れに差が無く、その時スポットを当てているキャラを楽しく描いています。ただ、ライバル役のホストは、たまにしか出てこないと思って凝った見た目にしがちで、勢ぞろいされた時は途方に暮れます。今後は内面描写が難しいキャラが増えそうなので、心して挑もうと思います。

――今回のお話を考えていく上で、最初からずっと変わらない軸はありますか?

藤原ゆかさん 『ウソとホントが入り乱れる愛の物語』と謳っているように、作中にはまだ明かされていない嘘や真実がちらほらと散りばめられています。そもそも漫画は嘘の世界だというメタ的な意味も実は含んでいます。嘘の世界だけど、本心の言葉を織り込んで、愛情を感じられるような作品にしたいというのはずっと思っています。
――3巻が発売したばかりですが、先生の思う“みどころ”は?

藤原ゆかさん ド派手な売上げバトルに決着がつきます。新キャライケメンも出てきて恋愛模様も盛りだくさんです!

――すごくキラキラ眩しそうですね! もうラストシーンは決まっているのでしょうか?

藤原ゆかさん 方向性は決めていますが、どんな絵や言葉で締めくくるのかまでは決めていません。うまくまとめられるか心配でもあり、私自身、楽しみでもあります。

――これから作品を読む方にメッセージをお願いします。

藤原ゆかさん 「こんなお店本当にあったらいいな」とか「このホストが推し!」とか、非日常のときめきを感じていただけたら幸せです。 恋愛あり、兄弟愛あり、バトルあり、ギャグあり、そして数億円が飛び交う景気のいいコメディです。ホストクラブ・ZEROSへのご来店、心よりお待ちしております!
■作品情報■
『ラブ×ゼロ』/藤原ゆか(外部サイト)
◇『LINEマンガ』にて隔週水曜日に連載中。

「ホストクラブ・ZEROSにようこそ!今夜はどんな宴をお望みですか?」 あの伝説のアイドルマンガ 『CRASH!』の藤原ゆか先生の最新作『ラブ×ゼロ』の舞台となるのはちょっと風変わりなホストクラブ。ひょんな出逢いからそこで働くことになった美容師志望のニナが、日常とかけ離れた煌びやかさと甘すぎるおもてなしに圧倒される。イケメンだらけの甘くてキケンな世界へようこそ。

■漫画の続きはコチラから『ラブ×ゼロ』(外部サイト)

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