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ゴジラ×ハム太郎の超絶異色コラボ「ゴジハムくん」 復活の裏にあった“20年の法則”とは?

「1回持ち帰らせてください…」東宝の看板キャラ“ゴジラ”とのコラボ実現までの紆余曲折

「ゴジラの作品はもともと決まっていて、弊社としては一緒にやるかどうかだけで。ただ、ゴジラは東宝の看板ですから、2本立てでできるのはハム太郎側としては非常に光栄でしたよ。ゴジラもハム太郎も、それぞれの製作委員会があって、ターゲットも異なり、必ずしも同じ方向を向いているわけじゃない。脈々と続いてきたゴジラと、まだまだ“新人”のハム太郎との歴史の違いもあります。しかし、一緒にやることが決まった以上、共通のポスターや、キャンペーンはどうするかということになり、一発目の会見では、ゴジラの着ぐるみとハム太郎の着ぐるみが一緒に登壇しました」

 そこで沢辺氏がゴジハムくん誕生のきっかけとなった、ある物を見せてくれた。当時FAXで全てやりとりされていた、共同プロモーション展開の概要や、記者会見のMC台本などである。その中には、「ゴジハムくん」キャラクターデザインの原案などの貴重な資料もあった。

「“ゴジラ×ハム太郎”で、入場者特典を何か作ろうという話になりました。本来は、ゴジラを観に来た人にはゴジラを1個、ハム太郎を観に来た人にはハム太郎を1個配布するのがお客様フレンドリーなやり方ですが、配布側の手間がかかることや予算の問題もあって『一緒にやろう』と」
 “ゴジラ×ハム太郎”のデザイン案には、「ハム太郎がゴジラを二人羽織りで着ている」「ハム太郎の上にゴジラが帽子風にのっている」「ゴジラの上にハム太郎がのっている」など様々なものがあった。そんな中、最終的に選ばれたのが、「ハム太郎がゴジラの着ぐるみを着ているかのような」デザインである。なんなら「ゴジラにハム太郎が食べられている」風に見えなくもないが……。

「確かに『ゴジラに食べられているように見えるんじゃないか』という声もあったんですが、僕はデザインが全部クリアすると思っていました。要は、かわいければ問題ないと。実際、キティちゃんもいろんなものを被ったり着たりしているわけだから。原作者の河井先生も“かわいらしさ”に拘っていらっしゃいました。ただ、和気藹々と打ち合わせしていく中で、東宝さんは必ず『1回持ち帰らせてください』と言う印象がありましたね。ゴジラは東宝の看板だから、そう簡単じゃないんだなと感じました。ゴジラはデフォルメすればするほどゴジラではなくなってしまいますから」

 ちなみに、東宝ではかつてゴジラの決裁者が明確には決まっておらず、部署を超えて議論する必要があったのだという。しかし、2014年に部署の垣根を越えて精鋭を集めた「ゴジラ戦略会議」(通称 ゴジコン)が作られ、その中で2019年に「ゴジラルーム」が立ち上がってからは、確認や決裁の体制が整えられたため、様々なチャレンジができるようになったようだ(ゴジラ戦略会議ディレクター 高橋亜希人氏談)。

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