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仲里依紗「“本当の私”を知ってもらえることは嬉しい」“女優の私生活公開はタブー”に疑問

 女優として数々のドラマや映画に出演し、幅広い役柄を演じ分ける仲里依紗。一方、昨年4月に開設したYouTubeチャンネルは、登録者数131万人を突破。自宅のルームツアーや爆買い、愛息子との日常など、“NGなし”とも言える素顔を見せ、YouTubeでの地位も確立した。“プライベートを隠す”が定説だった「女優」の概念を打ち破り、自分らしさで勝負する彼女の本音を聞いた。

女優のスイッチは現場で切り替え「終わった後はすぐにひつまぶし食べていました(笑)」

――俳優・佐藤二朗さんが監督された映画『はるヲうるひと』が、6月4日に公開されます。コロナ禍により1年延期となり、やっと公開が決まりましたが、今の心境を伺えますか?

仲里依紗やっと公開ですよー! なんだか不思議な感覚です。ずいぶん前のことなので忘れちゃったこともたくさんあるんですけど(笑)。せっかくタイトルに“はる”と入っている作品なので、春に近い時期に公開できてよかったです。

――佐藤二朗さんは、「誰も見たことのない仲里依紗を届けられるはず」と自信を覗かせていらっしゃいました。

仲里依紗そうですね、なかなか見せられない姿を見せられたんじゃないかと思います。脚本の文字だけでは伝わりづらい部分がたくさんあったので、その場に行って、感じたものを演じる取り組み方をしていました。監督自身が出演もされている作品に参加するのは初めてだったし、他ならぬ佐藤二朗さんですし、どういう感じなるのかなーって最初は戸惑いもあったんですけど、基本的には任せてくださって、修正してくれる感じでしたね。
――佐藤二朗さんをはじめ、仲さんも山田孝之さんも明るいイメージですが、作品の雰囲気は“重め”じゃないですか。現場はどんな雰囲気だったんですか?

仲里依紗坂井真紀さんなど、女子チームではたくさんお話もできましたし、和気あいあいとしていましたよ。でも山田孝之さんとはほとんど話せなかったんです。仲が悪いとかではないんですけど(笑)、今回はお互いの役の関係性が複雑だったので、現場で楽しくお話しする雰囲気ではなかったんですよね。

――いろいろなものを抱えた役柄でしたもんね。「撮影の間は役が抜けない」とおっしゃる“憑依型”の俳優さんもいらっしゃるかと思いますが、仲さんは “いぶき”の雰囲気に引きずられてしまうようなことはなかったですか?

仲里依紗あはは(笑)全然ないです! 現場で「よーい、はい」って言う声がかかるまでスイッチが入らないので。終わったあともすぐ切り替えて、美味しいひつまぶしを食べに行ったりしていました(笑)。

女優は“作品”や“役”ありき「YouTubeのおかげで“芸能人”っぽくなれました」

――映画の延期もそうですが、コロナ禍で活動が制限される中、心の支えになったものはありましたか?

仲里依紗一番はやっぱり子どもや家族との時間ですね。ずっと一緒だと大変な部分もありますけど、ずっと一人はもっと大変だったんじゃないかと思います。そんな中で見つけた楽しみのひとつがYouTubeでした。

――見ていて楽しくなる動画ですよね。仲さん自身も楽しんでいるのが伝わります。

仲里依紗ありがとうございます。爆買い動画とかただ買ったものを見せているだけなのにたくさんの方が見てくれて。「これ、買ったの! かわいくない!?」って誰か見せるのって楽しいじゃないですか。だから、私もものすごく満たされています。コメントがダイレクトに届く良さもあるし、拡散力もすごくて。軽い気持ちでしゃべったことを、いろんな人が知っていて、逆に私が「なんで知ってるの!?」って驚いたり(笑)。
――コロナ禍で気が滅入っている人も多い中、元気な仲さんに勇気をもらえるという方も多いのでは?

仲里依紗そういうコメントをいただくことも多いですね。「動画を観て明るくなれました」とか。少しでも誰かの力になれたことを感じられるとすごく嬉しいですし、私こそそういうコメントに支えられているなって思います。こんな時期だからこそ、YouTubeが心の支えになっている部分もありますね。

――自宅公開、寝起きで撮影など、あれほどYouTuberっぽいことをしている女優さんって、仲さん以外に思いつかないです。

仲里依紗女優さんが私生活を見せることって、なんとなくタブーな感じがありますよね。私は昔からそういう風潮に「なんで?」って疑問を抱いているほうだったので。今はSNSが主流になって、自分のことをアピールできるのはすごくいい時代だと思います。

――仲さんがそのタブーをぶち破った印象があります。

仲里依紗私を野放しにして、自由にやらせてくれた事務所のおかげですね。「仲里依紗は自由にやった方が、生き生きしてる」と思ってくれたのかもしれないです(笑)。

――素顔やプライベートを出すことに抵抗はないですか?

仲里依紗全然ないです。むしろ私を知ってもらえて嬉しい。俳優ってあくまで作品ありきでしか見てもらえないじゃないですか。「あの役良かったよね」とか、「あの作品に出てた女優でしょ」とか。たとえば、怖い犯人役をしていた人が、怖いイメージになっちゃうみたいな感じで…、「役は役で、私じゃないよ」って思うんですけど、世間から見たらやっぱり私は演じている役のイメージだなーって。
――仲さんも役のイメージで見られがちですか?

仲里依紗そうなんですよ。『はるヲうるひと』でも苦悩を抱えている役ですし、他でも浮気される役が多かったりで、「かわいそうな女」みたいなイメージを持っている人が多いと思うんです。でも本当は全然そういう人間じゃないし、かわいそうでもないし、めっちゃ幸せだけど! って(笑)。

――YouTubeでは「かわいそうな女」のイメージはまったくないですもんね。

仲里依紗ありのままの仲里依紗、幸せそうでしょ? だからYouTubeは、本当の仲里依紗を知ってもらえる大事な場でもありますね。あと、リアルな自分に意見やコメントを言ってもらえっていうのも新鮮ですね。最近は声をかけられることも増えて、そのだいたいが「YouTube見てます!」って。やっと“芸能人ぽいな”って思っています(笑)。

――いろいろなコメントをされる方がいると思いますが、不安や怖さはないですか?

仲里依紗YouTubeって、「なんとなくテレビ見てたら流れてきて」みたいなことってなくて、自分の意志で再生しないと見られないじゃないですか。ちょっと嫌なコメントを見つけても、「興味を持ってクリックしてくれたんだな。ご視聴、ありがとうございます」って思います(笑)。

「自分でできないことを息子に強要できない」視聴者からは子育てへの“共感”も

――“ちゃんとママしている姿”に共感される方も多いようです。

仲里依紗普通の人間なんで、ちゃんとママもしていますよ〜(笑)。そういえば、この間、息子に「いつになったら僕はママと一緒に寝られるの?」って聞かれたんです。その時に「じゃあ週1回一緒に寝る日を決めようか、水曜日とか?」ってその場のノリで答えたら、翌週に「今日は水曜日だよね」って。ちゃんと覚えていたんですよね。でも動画の編集もしなきゃいけないし、パパも明日朝早いみたいだから、「自分のベッドで寝ようね」って言ったら、ポロポロ泣き出しちゃって。

――かわいそう!(笑)。

仲里依紗本当に悪いことしたなって(笑)。どんどん成長しちゃうから、子どもとの“今の時間”も大事にしなきゃと気付かされました。大きくなると一緒にできないことも増えていくんだなって、たまにすごく悲しくなります。

――先日「息子さんがスカウトされた」とおっしゃっていましたよね。“息子には同じ道を歩ませたくない”と心配される方も多いですが、仲さんはいかがですか?

仲里依紗それは全然ないですね。本人がやりたいなら応援します。私自身、「きちっとした会社に勤めて、毎日同じ時間に出社するのは無理だろうな〜」って思うんで、息子にはそうなってほしいなんて、言えないですよ(笑)。自分の好きなことを磨いたり追求できるように、やりたいって思うことはどんどんやらせていきたいと思っています。
――同じ時間に出勤はしていなくても、毎朝5時に起きてお弁当作ってママして、女優、YouTubeと、かなりお忙しい毎日じゃないかと思います。

仲里依紗毎日がすごいスピードで過ぎていきます。でも私、“これをやり始めたからこっちを犠牲にする”ってことができないタイプで。どれもやりたいことだから、大変でも頑張れちゃいますね。1日何もせず終わるほうがイヤだし、忙しい方が達成感があって、私には合っているのかもしれないです。

――常に新しいことに挑戦してきた仲さんですが、今後やってみたいことはありますか?

仲里依紗YouTubeで自分の好きなものを発信することはできているので、今度はグッズを作ったり、アパレルをプロデュースしたり、頭の中にあるイメージを形にしていきたいです。世の中が落ち着いたら“はとバスツアー”もやりたいんですよね。みんなで輪になって音楽を流しながら、プレゼント交換とか企画したいなぁ!
文/辻内史佳
写真/TsubasaTsutsui
ヘアメイク/mayu
スタイリング/黒瀬結以

Information

■映画「はるヲうるひと」
鬼才俳優・佐藤二朗が原作・脚本・監督を手掛け、自らも出演した、映画『はるヲうるひと』。
6月4日全国公開
公式サイトはこちら
https://haru-uru.com/(外部サイト)

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