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声優・雨宮天、アニメ『七つの大罪』ヒロイン役でプレッシャーはねのけ躍進 歌手としての使命感も

 声優アーティストとして活躍する雨宮天が、ニューシングル「永遠のAria」をリリース。彼女自身がヒロイン“エリザベス”役で出演中のTVアニメ『七つの大罪 憤怒の審判』オープニング主題歌に起用された表題曲は、シリアスかつ壮大なロックナンバー。カップリングには、雨宮が作詞・作曲を手がけた「BLUE BLUES」が収録されている。声優、シンガー、アーティストとして進化を続ける雨宮天に、新曲の制作と現在の心境について聞いた。

『七つの大罪』ヒロインは自分と真逆の性格、「たくさんのことを教えてもらった」

  • シングル「永遠のAria(期間生産限定盤)」(5月12日発売)

    シングル「永遠のAria(期間生産限定盤)」(5月12日発売)

――新曲「永遠のAria」は、TVアニメ『七つの大罪 憤怒の審判』のオープニングテーマです。楽曲について、どんな印象を持っていますか?

雨宮天最初に聴いたときは、シリアスで力強い曲だなと感じました。壮大さと同時に繊細さも伝わってきて、そのイメージは私が演じているエリザベスの印象にも近いですね。キャラクターを演じて心情に寄り添うことが、歌の表現にも応用できていると思います。

――とくに“エリザベス”を感じる歌詞は?

雨宮天2番のBメロの部分ですね。人の痛みに寄り添う気持ちを表現したフレーズなんですけど、エリザベスは敵とか味方に関係なく、人の気持ちを受け止めることができるんです。なのでここは、セリフ調と言いますか、語りかけるように歌っています。

――なるほど。「永遠のAria」はメロディの幅も広いし、多彩な表現力も必要な曲でもあって。歌うのはかなり大変ですよね。

雨宮天大変でしたね(笑)。キーを決めるとき、音域的にはひとつ下げたほうが歌いやすかったんですけど、高いほうが、オープニング曲らしい華々しさがあるよねって。そのときは全然歌えなくて「大丈夫かな」って思ってたんですけど、レコーディング本番までに練習して、なんとか歌って。気を抜く部分がなくて、ずっと張りつめてるような曲なので、歌い切ったときはヘトヘトでした(笑)。

――アニメのオープニング映像も素晴らしいです。

雨宮天そうなんですよ! 『七つの大罪 憤怒の審判』は『七つの大罪』シリーズの最終章で、激しい戦いのシーンが続くんです。オープニングにはその迫力が詰まっている映像で、私が歌う曲が流れていることが本当にうれしくて興奮しましたね。最初の放送のとき、視聴者の感想をチェックしたんですけど(笑)、「すごくよかった」という声が多くて安心しました。最終章のオープニングテーマということで、かなりプレッシャーもあったんですけど、いい曲ができてよかったです。

――『七つの大罪』は、雨宮さんのキャリアにとっても大きな作品になったのでは?

雨宮天そうですね。声優デビューしたばかりで、メインのキャラクターの経験がほとんどない時期にエリザベスを演じさせてもらって…。彼女の性格は、私とはまったく似てないんですよ。だからこそ、教えてもらったことも多いんです。声優人生のパートナーですね、エリザベスは。

――エリザベスに教えてもらったこととは?

雨宮天包容力と慈愛の心ですね。エリザベスは、周りにいる大切な仲間だけでなく、存在するすべてのものに愛情を持っていて、傷ついた人たちを包み込む力もすごいんです。私にはそんなに大きい愛は持っていないし、包容力ではなくて、背中を押して励ますタイプなんですよ(笑)。エリザベスを演じるためには、広い愛や包容力を理解することが必要だったんですよね。

――なるほど。「永遠のAria」のMVからも、雨宮さんの奥深い愛、包容力を感じました。このMV、めちゃくちゃ寒い洞窟で撮影されたそうですね。

雨宮天息が白くなるくらい寒かったです(笑)。でも、すごく雰囲気のある洞窟で、このロケーションのおかげで大きく、力強い動きでパフォーマンスできました。迫力のある映像になったと思います。

声優と歌手の両立で広がる表現力、「音楽の勉強はこれからも続けたい」

――シングルのカップリング曲「BLUE BLUES」は、雨宮さんが作詞・作曲を担当。曲作りはいつ頃からやっていたんですか?

雨宮天中学、高校のときから趣味で作ってたんですけど、デビューしてからいろいろな曲を歌わせてもらうなかで、「もっと音楽を理解したい」と思い始めて。去年、音楽ソフトを買って、曲を作り始めたんですよ。同時に音楽理論の勉強もはじめました。もともとブルースロックは好きで、どんなコードが使われているかを調べて、自分で実践して作ってみようと思ったのが、「BLUE BLUES」なんです。もちろん、サウンドプロデューサーの方(角田崇徳氏)の力も大きいんですけどね。

――言葉遊びと前向きなモードが融合した歌詞も個性的ですね。

雨宮天私にとってブルースロックは、「泥臭くて野暮ったいけど、それがカッコいい」というイメージなので、歌詞もそんな感じにしたくて。「ツイてない日もあるけど、野心を持って立ちあがろう!」っていう(笑)。

――生き生きとしたボーカルも素晴らしいなと。自分で作った曲は、やはり歌いやすい?

雨宮天自分のなかで曲のイメージが出来上がっているので、「どういう感じで歌おう?」って迷うことは少ないですね。ただ、私の好きなメロディって、歌いづらいんですよ。半音で上がったり下がったり、ちょっと天邪鬼なメロディなので…(笑)。オリジナル曲はこれからも作っていきたいですね。「BLUE BLUES」がシングルに入ることをYouTube生配信で発表したとき、ファンのみなさんがすごく喜んでくれたんですよ。「こんなに受け入れてもらえるのなら、もっとがんばろう」って励まされました。

――アーティストとしてデビューしてから、約7年。以前から「声優として歌を表現する」ことを掲げていらっしゃいますが、目標は達成できつつありますか?

雨宮天その目標って、果てがないと思うんですよ。デビューしてからいろいろなタイプの曲を歌わせてもらってきたし、濃い世界観の曲もたくさんあったんですけど、声優ならではの表現を自分になりにアウトプットできてるのかなとは感じています。
 作詞・作曲を始めたことも、いい作用があると思います。自分の歌の幅も広がってますし、ドラム、ベースなどを打ち込むことで、楽器に対するアンテナもちょっとずつ敏感になっている気がして。リズム感もよくなっていると思うし、楽器に寄り添いながら歌うこともできるようになってきたのかなって。

――そういう変化は、声優の活動にもフィードバックされているんですか?

雨宮天どうなんだろう? 曲を作り始めたことが(声優の活動に)どうつながるかはまだわかりませんが、これまでも声優と歌手の活動がお互いに影響し合ってきたので、きっといい還元があると思います。音楽の勉強はこれからも続けたいですね。

――期待しています。ちなみにいま、気になっている音楽は?

雨宮天いろいろな音楽を聴くんですけど、異国感のある音楽、エキゾチックな感じの曲をよく検索してますね。ケルト、ラテンもそうですけど、独特のスケール(音階)やリズムがあって。以前は暗くてシリアスな曲が好きでしたけど、今は明るい曲も聴くようになりました。性格も明るくなったかもしれません(笑)。
(取材・文)森朋之
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