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最古の戦隊は6億年前? スーパー戦隊を“図鑑化” 担当編集が語る意義「学ぶきっかけはフィクションでもいい」

フィクションの図鑑で子どもたちに学ぶ意欲を「図鑑を買い与えるのは日本人の文化」

 作りとしてはカタログ的な見せ方はせず、同社の学習図鑑の体裁に則って「くらべてみよう」というページも。各戦隊の乗り物の大きさや速さなどをビジュアルでわかりやすく比較できる。また、スーパー戦隊の成立を史実の中に落とし込んだ古代史や武家時代の年表ページも設けられている。年表ページのイラストを担当したのは、実際に理科の教科書を担当しているイラストレーターにお願いするこだわりよう。

「『オーレンジャー』のキングレンジャーが活躍したのが6億年前だったり、恐竜の進化とともに『ジュウレンジャー』が生まれたり、中国文明が誕生した頃に『ダイレンジャー』の起源があったり。武家時代の年表は絵巻物風にしていますが、『ニンニンジャー』の先祖が牙鬼一族と戦っていた頃にポルトガルから鉄砲が伝来していたりします」

 作品ごとに設定された戦隊の特徴が、同じ横軸に並べることで相対化されるのが面白い。ちょうど放送中の『機界戦隊ゼンカイジャー』では、45作目の記念作として、かつてのスーパー戦隊のパワーを使って戦っている。基本、子どもの頃にスーパー戦隊に心ときめかせた大人を購買層に想定しつつ、他と同様、漢字にすべてルビをふってあるこの図鑑は、親子で重宝されそうだ。

「『ゼンカイジャー』を観ているお子さんが、話に出てきた過去の戦隊のことを図鑑を使って調べられると思います。『キン肉マン「超人」』でも、お父さんが買ってきたのを子どもさんが熱心に読んで、親以上に詳しくなっていたというエピソードが、たくさん届いてました。今は配信動画もあるので、昔の作品も含めてスーパー戦隊のファンになってくれたらいいですね」
 現代では、調べ物はネットで検索すれば、とりあえずは事足りる時代。だが、幼少期にアメリカで過ごした経験もある芳賀氏は「図鑑を子どもに与えるのは日本人の文化」だと語る。

「ネットでは、気になったものをピンポイントで調べることしかできませんけど、図鑑の良さはまず、いろんな種類が掲載された全体を見たうえで、『この恐竜、カッコいいな』という具合に気に入ったものを見つけてから深堀していけるんですよね。そういう図鑑ならではの良さを日本の読者はよくわかっていますし、今発売中の『学研の図鑑LIVE』ではDVDやARも付いているので、図鑑はまだまだ需要はある気がします」

 そして、キン肉マンやスーパー戦隊を図鑑にすることに、文化的意義も大きい。

「学校の勉強だけが学びではなくて、図鑑を見て昆虫を好きになることもあれば、テレビでスーパー戦隊から学ぶこともたくさんあると思うんです。モチーフの恐竜や忍者や星座について、もっと知りたくなるとか。学ぶ意欲をもたらすきっかけを、フィクションだからと区別する必要はないですよね。このスーパー戦隊図鑑が、お子さんの好奇心や探求心を刺激する本になればいいなと思っています」

(取材・文/斉藤貴志)

【学研の図鑑】 スーパー戦隊

東映株式会社(監修)
松井 大(監修)

定価 3,630円 (税込)

発売日2021年04月08日

・内容紹介
「スーパー戦隊」シリーズ45作品記念!戦隊を組織ごとに分類し学習図鑑の体裁で紹介!各戦士のプロフィールとロボの合体相関図を中心に約1500の写真やイラストで紹介する、特撮ヒーローに夢中になったすべての世代の人たちへ贈る、究極の胸熱図鑑。

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