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ラジオの魅力は若年層にも浸透…イルカが語る、30年続く人気番組への思い「ラジオは時空を超える」

 シンガーソングライター・イルカのラジオ『イルカのミュージックハーモニー』(ニッポン放送、日曜朝7時〜)が今年30周年を迎えた。同時間帯聴取率首位常連の人気音楽番組であり、近年は若い世代のリスナーも増えている同番組。パーソナリティのイルカは、夫である故・神部和夫とのデュオ「シュリークス」のデビューからアーティスト活動50周年のダブルの節目を迎える。ニューミュージックやフォークといった新しい音楽形式を作り上げた自負、ラジオと共に歩んできた30年についての思いを聞いた。

30周年むかえた『イルカのミュージックハーモニー』

30周年むかえた『イルカのミュージックハーモニー』

5〜6年のつもりが30年、“時空”を超えてリスナーと繋がる場に

――『イルカのミュージックハーモニー』が30周年を迎えたお気持ちは?

イルカ 感慨深いです。当初は少なくとも5〜6年はスケジュールを空けてほしいとニッポン放送さんに言われたのですが、それが30年ですからね(笑)。リスナーさんとは家族のようなつながりを感じています。

――イルカさんにとってどんな番組ですか?

イルカ 最初に言われたのは、30代から上の方がターゲットで、日曜日の朝に安心して聴ける音楽番組をやりたいということでした。日曜の朝って特別な“時空”じゃないかと思っていて。お仕事や子育てで大変な中、リラックスできる時間。そこで自分が青春時代に味わった喜びや失恋の悲しみだとかを思い起こしていただいて、またがんばれそうって思ってくれたらありがたいなと。私は過去に『オールナイトニッポン』をやっていましたが、深夜番組だけに『バカヤロー!』と言ったりして騒いでいたんですね(笑)。その頃の子たちが大人になって家庭を持ち、今は『イルカのミュージックハーモニー』で同じ私の声を楽しんでもらっているんです。“時空”を超えて再び巡り合って、お付き合いが続いているのも不思議な感覚です。

――この30年の間にご苦労は?

イルカ 苦労の意識は全然ないんですよね(笑)。ただ、亡くなった夫(故・神部和夫さん)が北海道・旭川で療養しているときに、コンサートが終わって夫のもとへ行き、それからこの番組のために東京へ戻ってきたりしていました。ディレクターさんは「介護しつつコンサートもたくさんやってラジオもやって、この人はいつ休んでいつ眠っているんだろう」と心配だったようですけど(笑)。

――イルカさんは苦痛とは感じてらっしゃらなかった。

イルカ 苦痛というよりも、逆に、介護されたり夫を亡くされたり、いろんな方がお便りをくださっても、私自身が体験したことだけに、すぐに気持ちに寄り添えるようになりました。今となっては良い経験だったと思えます。

音楽とラジオで“新しいカルチャー”作り上げた自負「形式から外れているけど、伝わることもある」

  • 30周年を迎える『イルカのミュージックハーモニー』

    30周年を迎える『イルカのミュージックハーモニー』

――70〜80年代、フォークやニューミュージック、ロックなどのアーティストというと、テレビよりもラジオで活躍していた印象です。当時ラジオはアーティストにとってどういう存在だったと思われますか?

イルカ お呼びがかかればテレビにも出演していましたけど、私たちの活動は完全にラジオ中心でしたね。要するに、その頃のカルチャーを作っていたのはラジオだったんです。ラジオを聴いていないと、次の日学校でも話にならない、みたいな時代で、そういった中で、ラジオでしゃべったり曲を聴いてもらうというのは、時代の先端を歩いているような気分でした。

――“時代の先端”という意味では、イルカさん世代から日本の音楽シーンも劇的に変化しました。

イルカ フォーク世代と言われている私たちは、先人がいないところから始めているんです。演歌だったら大御所がたくさんいた中に入っていくわけですけど、演歌でもポップスでもないジャンル。いわゆるアメリカンフォークというものが、日本に入ってきたところからオリジナルが始まりました。ファッションもそう、考え方もそう、アーティストやスタッフが一緒になって新しいカルチャーを作ろうと考えていた。形式からは外れているかもしれないけれど、伝わることもあったでしょう。そういう自負が私たちにはあります。

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