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長澤まさみ、世間からのイメージ気にしていない「女優はすごく孤独な仕事だと10代で気づいた」
役に対して共感ない 自分への理解も求めていない「100%誰かを理解するのは難しい」
西川美和監督は、“この役は長澤まさみしかいない”と思ったといい「きれいな女優さんであればあるほど、なかなかヒール(悪役)を受け入れることに時間がかかると思うんです。でも今の長澤さんなら、これくらいの悪役は、跳ね返してやってくれるだろうなと思ってお願いしました」と語った。
――ヒール役となる吉澤を演じてみて、いかがでしたか?
長澤まさみ吉澤はテレビマンとして、深く何かを追求して伝えたいという思いがあるので、妥協しない正義感は大切にしたいと思いました。そのためなら吉澤は女の武器も使うし、何でも貪欲に取り組むので、その思いを強く意識しましたね。
――演じてみて、共感できた部分や逆に理解できなかった部分があれば教えてください。
長澤まさみ根本的に、役に対して共感をしようとも思っていないし、理解できないとも思わないんですよね。価値観が違うなと思うだけなので。特に吉澤は、「こういう人もいるよな」という感じでした。ただ、女性が社会で働くことの大変さは吉澤として感じましたね。
――どういった部分でそう感じたのでしょうか?
長澤まさみ吉澤は他にネタをとられたくない一心で動いているし、テレビマンは自分の心と感情の折り合いをつけるのが大変なんだろうなと。やっぱり厳しさの中に生まれるものはあると思うので、どこかで冷酷さも持ち合わせているんだろうと感じました。
長澤まさみ一つのことに打ち込んでいる時って意外と余裕がなくて。時間もないし、一生懸命打ち込んでいるだけなのであまり感じていないかもしれません。どの仕事にも言えると思いますが、自分がやりたいことをやっていたら、ある程度の犠牲は必要だし、それを犠牲ととるのか、自分に対しての学びととらえるのかは、人それぞれなのかなと思います。
――テレビマンを演じてみて、改めて報道する側とされる側の関係について思うことはありましたか?
長澤まさみ私も普段取材を受ける時は話す言葉に気を付けて責任を持つ努力をしています。お互いにそれがあることがベストなんじゃないかと思いますね。でも、人それぞれ感じ方や思うことは違うので、自分の思っていることを100%伝えるのは難しいですよね。がんばっても伝えきれない部分もあるし、脳の中に入らない限り本当にその人のことを知ることはできないですから。