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86歳鬼滅コスプレにNiziUネタも…パロディだらけの商店会ポスターに込めた想い「困難には笑いを」
きっかけは東日本大震災 商店会再開の足掛かりにインパクトのあるポスターを
【三浦さん】元々、当商店会では、毎年年末年始にスタンプラリーセールを20年ぐらい前から行ってきました。それが東日本大震災で一時中断となり、再開したのが2013年でした。どうせやるなら何かインパクトがあるものにしようと、その年のヒットした朝ドラ『あまちゃん』に、前会長の赤間さんのあかまを文字って、「あかまちゃん」というキャラクターを作り、赤間前会長に扮してもらいました。その他に、その年の流行語になった滝川クリステルさんの「おもてなし」、半沢直樹の「倍返し」を引用したり、あまちゃんの「じぇじぇじぇ」を気仙沼の方言の「ばばば」に変えたりしてポスターを作ったのがきっかけです。
――これまでどんな反響がありましたか。
【三浦さん】最初の2013年のあかまちゃんポスターはインパクトが大きく、全国の面白い話題を集めた明石家さんまさんの特番に呼ばれ、東京でスタジオ収録もさせていただいたことがあります。
――ポスターの制作は毎年どのように行われているのでしょうか。
【三浦さん】当商店会には企画部という部があり、2013年以来、ノリと勢いで部員が色々考えてきました(笑)。その年の後半になると、流行語や流行ったキャラクターなどに注目するようにしています。年末に作る関係で(夏に行ったこともありましたが)、10月ぐらいから企画しており、11月にポスターの撮影をし、商店会の印刷屋さんと打ち合わせをしながらデザインを考えています。
コスプレに“本気”な86歳 「どんなことも嫌な顔せず楽しんでやってくれる」
【三浦さん】やはり今回のポスターの『鬼滅の刃』の竈門炭治郎に扮した赤間前会長ですね。前年までは満面の笑顔の写真でしたが、今回の赤間前会長は刀を振り回し、まさに真剣な表情で刀を振り回してくれました。86歳とは思えない腰の入り方で、スタジオにいたスタッフがみなカッコイイと絶賛し、その写真を採用しました。それから、ひょっこりはんに扮した赤間前会長は本物より面白く、スタジオ中笑いが止まりませんでした(笑)。
――今年は他にもフワちゃんのコスプレをしておりましたが、コスプレをするときの赤間さんはどんな様子なのですか。
【三浦さん】赤間前会長は何事も全力でやるお方ですので、どんなことも嫌な顔せず楽しんでやってくださいます。あのお歳でポーズを決めたり、満面の笑顔をすぐできる方は他におりません。若いスタッフにも愛されていますね。
東日本大震災から10年、新たなコロナ禍の脅威の中でも「地域の皆さんに元気な笑いを」
【三浦さん】コロナの影響は当商店会でも例外ではなく、とくに飲食店などは影響ありました。集客イベントなどができないこともあり、今回のスタンプラリーに期待する声が多く、参加店もこれまでより大幅に増えました。感染対策としては、消毒などを徹底することはもちろん、夏には神社でお祓いをしたオリジナルの疫病退散の団扇を配布したりもしました。
――現在の商店会の様子を教えて下さい。
【三浦さん】うれしいことにこのポスターが話題を呼び、全市的にも注目されたことで、買い物客が増えたという声が聞かれるようになりました。
――東日本大震災からもうすぐ10年が経ちます。商店会の10年の変化と、震災をきっかけに初めて、今でも続けているポスター制作への想いも教えてください。
【三浦さん】この商店会も被災しましたが、幸いなことに建物そのものは残りましたので、復旧は市内でも比較的早かったです。その後、神戸の商店街をはじめ全国の方々から支援を受けて参りました。しかし、この10年集客の要だった市立病院が移転してしまい、商店会としては大きな痛手を受けました。しかし、会員店を減らすこともなく、さまざまなイベントをしながらこの商店会を盛り上げております。このポスター制作も、常に地域の皆さんに元気な笑いを届けたいという思いで行っています。
――読者の皆様にメッセージがあればお願い致します。
【三浦さん】このコロナ禍で人と人の距離は遠くなっていきますが、笑顔を忘れずに、ご支援を受けたことを忘れずに、心だけは皆様方と近くにいたいと思ってます。今後とも気仙沼新中央商店会をよろしくお願いします。