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磯村勇斗、”気付かれないこと”にも喜び ギャップ演技に賞賛も、「それが俳優の仕事」

 『ひよっこ』(NHK)での好青年、『今日から俺は!!』(日本テレビ)での不良、『きのう何食べた?』(テレビ東京)でのわがまま乙女など、幅広い役柄で作品に溶け込む磯村勇斗。今年は5名の実力派俳優が短編映画を制作するプロジェクト『アクターズ・ショート・フィルム』(WOWOW)で監督に挑戦。その中の1作『機械仕掛けの君』を担当する。28歳、層が厚い同世代の俳優の中でも、磯村は独特の立ち位置を築きつつある。そんな磯村の役者としての思いや、監督として経験した葛藤まで、率直な思いを聞いた。

監督を経験し感じた苦労を役者業にも昇華「でも、めんどくさい俳優にはなりたくない(笑)」

――最初に、『アクターズ・ショート・フィルム』での監督のお話を聞いた時は、どんなお気持ちでしたか?

【磯村】いつか監督に挑戦したい気持ちはあったのですが、自分の中ではもっと勉強して、準備が整ってからと思っていたんです。俳優として控えている作品もある中で、果たして自分にできるのかという不安もあって、最初は悩みましたね。でも、マネージャーさんに、「やれるチャンスがあるんだったら、考えすぎずにやったほうがいい」と言ってもらって。もし失敗するとしても、若いうちに挑戦したほうがいいという言葉に、背中を押してもらいました。

――もともと、学生時代に自主映画の制作を経験したことが、役者を目指すきっかけになったと伺いました。監督への憧れは、その頃からあったのでしょうか?

【磯村】映像に限らず、小さい頃から物を作るのが好きだったんです。工作とか、夏休みの自由研究とか、ゼロから何かを生み出す作業が好きで。自主映画を撮ったのは中学生の時で、今となっては当時の作品に恥ずかしい思いもありますが、すごく楽しかったのを覚えています。

――台本には“監督・磯村勇斗”の文字がありましたが、ご覧になった時のお気持ちは?

【磯村】字面では何も思わなかったんですが、現場で「監督!」って呼ばれた時に「そうだ、オレ今、監督なんだ!」って(笑)。こうやってみんなで一緒に作っていく楽しさを改めて感じましたし、俳優さんやカメラマンさん、美術部さん…いろいろな方の意見から作品ができあがることを実感しました。

――主演の泉澤祐希さんとは共演も多く、プライベートでも仲がいいと伺いましたが、現場ではどんな雰囲気だったのでしょうか。

【磯村】祐希は作品のことも役のことも、しっかり考えて作ってきてくれました。事前に「自由にお芝居して欲しい」と伝えていましたが、その上で、お互いに気持ちが悪い部分はふたりですごく話し合いましたね。それと、撮影中にすごく焦った時にも祐希に助けてもらいました。
――監督として焦る瞬間は、どんな気持ちでしたか?

【磯村】監督として、自分が指揮しなければいけないのですが、一瞬どうしたらいいかわからなくなってしまって。「全然焦ってないですよ」という雰囲気を出しつつ(笑)、頭をフル回転させていた時に、祐希がアドバイスをしてくれて。その言葉で道が切り開けて、シーンの動きが見えてきたんです。

――やはり監督業は、役者の時とは違う気持ちでした?

【磯村】全然違いますね。役者は作品のピースですが、監督はすべて責任を背負うものなので。もちろん役者も責任感を持って臨んでいますが、気を配る場所が全然違うなと思いました。

――監督を経験されたことで、今後の役者業に活かせそうなことは何かありましたか?

【磯村】客観的に物事を捉えることは、今後俳優をやっていく上でも必要になるなと感じました。でもあまり考えすぎると、めんどくさい俳優になってしまう可能性もあるので気をつけなきゃ(笑)。

――制作費・制作日数など同じ条件で、5人の監督がそれぞれ作品に携わられています。柄本佑さん、白石隼也さん、津田健次郎さん、森山未來さん、と偉大な役者さんと作品が並ぶことへのプレッシャーはありましたか?

【磯村】みなさんお会いしたことがない方ばかりですが、俳優としてすごく素敵な先輩方ばかりで。プレッシャーと言うよりは、どんなものを作るんだろうという興味の方が大きいですね。できあがりも、5人とも全然違ったテイストになっていると聞いたので、観るのがとても楽しみです。

作品中に“本人”と気づかれないことも喜び「役として作品に溶け込めている証拠」

――現在放送中のドラマ『恋する母たち』で、大人の女性に恋する役も話題ですね。

【磯村】大人のラブストーリーは今までやってこなかったですし、女性がキュンとしそうなシチュエーションもあまりなかったので新鮮でした。そういう意味では、新たなチャレンジをさせてもらった作品になりましたね。

――磯村さんと言えば、好青年からヤンキー、乙女な役まで幅広い役柄を演じていらっしゃいますよね。

【磯村】ありがたいことに幅広い役柄を演じさせてもらっているなと思います。周りからも「すごいね」とか言っていただくことがあるんですけど、でも、それって当たり前だと僕は思うんですよね。俳優っていろんな役をやるのが仕事なので。

――確かにそうなのですが、なかなか難しいことではないかと思います。その中でも、『今日から俺は?』のヤンキー姿は、『ひよっこ』での好青年と別人すぎて、最初は磯村さんだと分からなかった人も多かったようです。

【磯村】そう思っていただけるのは、すごく嬉しいですね。作品の中では“役”として立っていて、磯村勇斗として出ているわけではないので。役としてみていただけるのは作品にとっても大事なことだと思いますし、作品に溶け込めている証拠かなとも思うので。今後もそうでありたいと思います。
――現在28才。同世代の俳優さんたちは層が厚い印象ですが、刺激を受けることもありますか?

【磯村】そうですね。同世代だけ見ても、すごく活躍されている方も、個性の強い人も多いですし…、共演するのも作品を観るのも楽しいです。個性や自分の居場所を持っている俳優がいるので、自分もしっかり磯村勇斗という自分だけの道を作っていきたいと思っています。

――どういったところが、ご自身の強みであり居場所だと思われますか?

【磯村】うーん、強みは自分ではよくわからないんです(笑)。居場所も同じく…。先輩方を見ていると、一生懸命やっていたら、いつの間にかできているもの、という気がします。言葉にするのは難しいですが、目の前のことに全力で挑み続けて、自分なりの強みや居場所ができていったらいいなと思っています。

――役者を続ける中で、悩んだ時期や葛藤はありましたか?

【磯村】ずっと悩んでますよ、今も悩んでます(笑)。毎日悩んで、ずっと道を探しています。答えが見つかる日は、そう簡単に来ないと思いますね。

――同世代の俳優さんたちに、ライバル感覚はありますか?

【磯村】それは全然ないんですよね。個性豊かな人たちに埋もれないようにしないとという思いはありますが、一緒に盛り上げたいという気持ちが強いです。エンタメの世界をより広めるために、今の世代が団結して共に作っていけたらと思っています。

――今後俳優として目指す姿があれば教えてください。

【磯村】ずっと俳優として居続けたいっていう気持ちです。あとは、変に染まらず、いろいろな役に挑戦していきたいです。監督業も、今後もっと知識を蓄えた上で、伝えたいテーマが見つかったらぜひ挑戦できたらと思っています。

――主演をバンバンこなす俳優になりたい気持ちは?

【磯村】主演とか脇役とかは、まったく気にならないですね。どんな役でも作品を作るうえで必要な存在なので、どっちがいいっていうのも違う気がして。主演が続けばそれが必要なことなんだろうし、脇役でも同じこと。役者として、作品の中で役を生きるだけなのでこだわりはないですね。どんなポジションでも、しっかりやるスタンスは変えたくないです。

開局30 周年を迎えるWOWOWが手掛ける一大プロジェクト【アクターズ・ショート・フィルム】

磯村勇斗、柄本佑、白石隼也、津田健次郎、森山未來…5人の人気俳優が制作費・制作日数など同条件で 25 分以内のショートフィルムの監督に挑戦。

世界から約 5,000 本のショートフィルムが集まる米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」のグランプリを目指す。カメラの向こう側にいた彼らが、今回はカメラ越しにどんな世界を創り上げるのか?

2021年 1 月 13 日(水) 12:00
WOWOW オンデマンドで配信スタート

1 月 23 日(土)19:00〜
WOWOW プライムで放送

監督:磯村勇斗、柄本佑、白石隼也、津田健次郎、森山未來(五十音順)
出演:泉澤祐希、森山直太朗、吉村界人/神野三鈴、竜星涼/大東駿介、永山瑛太

【番組オフィシャルサイト】
https://www.wowow.co.jp/movie/asf/(外部サイト)

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