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尖っていたジャルジャルが丸くなった5年前の変心「トークで認められなくてもいい」

ネタへの愛でコント界の頂点に立つことで“お笑い天下”をとる

――大阪から東京へ出てきたころのジャルジャルはすごく尖ってピリピリしていました。どこかの時点で丸くなったイメージがあります。

福徳秀介 テレビ番組で前に出るというスタンスを捨てなかったんですが、ある時期から、それに向いていない、誰も僕らが前に出ることを求めていないことに気づいて。トークやバラエティで自己アピールするのをやめました。それが5年前にYouTubeでネタの毎日配信を始めてから、「マジのネタ狂い」って認知されていって。少しずつネタで評価されてきたころから、トークで認められなくてもいいって思うようになりました。そこから尖り部分が消えたかもしれないですね。それにもう30代後半ですから、もういいかげん言われないですよね(笑)。

――丸くなったとしても、“お笑いで天下をとる”という意識は変わらない? かつてのようなテレビ全盛期ではない今、何をもって天下とするかは難しいかもしれませんが。

福徳秀介 もちろんその意識はずっと持ち続けています。今はお笑い界の頂点の分野が多すぎるんじゃないでしょうか。僕らにとっては、ネタ数のトップになることが天下を取ること。ネタへの愛でコント界の頂点に立つということですかね。そこから日本一のお笑い芸人、そして世界一のコメディアンへというのが、めざすべき目標です。

――昨今の第7世代を中心にしたお笑いシーンは、競争や勝ち負けよりも皆で盛り上がっていこうといった和やかな雰囲気のように感じられます。勝負にこだわるジャルジャルさんから見ると、今の時代にぬるさを感じることもありませんか?

福徳秀介 それはまったくないです。たしかにそういう時代とは言われていますが、皆がんばっていて。お笑い界のことを考えながら、努力を続けてあれだけの活躍ができるんです。僕はいち視聴者として第7世代を観ていますが、ライバル意識もなく、がんばってほしいなと応援しています。

人を傷つけない笑いなんて存在しない メディアを選んで確信的にやる

――時代的に人を傷つけない笑いが求められているとも言われます。ジャルジャルのスタンスとは相容れないようにも感じます。

福徳秀介 お笑はどんなネタでもどこかで誰かを傷つけると僕は思うんです。全く人を傷つけない笑いなんて存在しない。一方、鬼越トマホークはダークな笑いのようで、特定のタレントを傷つけるだけで、そのほかの人は誰も傷つけない。あれこそ誰も傷つけないお笑いだと思うんですよね。

――ジャルジャルさんのネタ作りでは、そこは意識されていますか?

福徳秀介 僕らは全く意識していないです。むしろ、この笑いは誰かの気に障っているかもしれないと思う時があります。そういうネタはテレビではやらないけど、舞台ではやって、YouTubeでは気をつけながらやる。メディアを選ぶ配慮はしています。

――YouTubeはテレビのような忖度や自主規制がありません。芸人にとってはネタを見せる理想的なメディアになっているようですね。

福徳秀介 YouTubeの最大の魅力は、僕らのネタを観たい人が観ていること。その人たちのためにやる、両思いコンテンツなんです。ありのままを見せることができる場で、テレビではそうならない。そういった意味で最高のメディアだと思います。もちろん活動の場としてメディアの優先順位はありません。ネタができる場所であればどこでもかまわない。10年ごとのお笑いブームが来ていますが、僕らはなにも変わらずネタをやるだけ。2〜3年後にブームの波が過ぎても変わらない。ネタをやり続けておっさんになっていって、年輪で認めてもらうしかないと思っています。

(文/武井保之)
『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』(小学館)
【価格】1500円(税抜)
【発売日】11月11日

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