• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
  • ホーム
  • ライフ
  • 「命をなんだと思っているんだ!」ブリーダーの多頭飼いが崩壊、病気や奇形の猫たちを救え
ORICON NEWS

「命をなんだと思っているんだ!」ブリーダーの多頭飼いが崩壊、病気や奇形の猫たちを救え

だんだんと本来の姿を取り戻す

だんだんと本来の姿を取り戻す

保護して生き延びた猫、旅立った猫「人間のせいで…本当にごめんなさい」

  • 保護され丸刈りになった猫たち

    保護され丸刈りになった猫たち

  • あの環境に戻ることは二度とない

    あの環境に戻ることは二度とない

 ペルシャ猫といえば、長くて分厚い毛に覆われていることが特徴だ。しかし、まともにケアをされていなかったこの猫たちは、毛は固い毛玉となり、本来の愛嬌ある姿は見る影もない。重症の猫は病院に搬送し、強烈なアンモニア臭と腐敗臭に包まれた猫たちをシェルターに保護。そこで最初に手をつけたのは、“大マルガリータフェスティバル”、つまり猫たちを丸坊主にすることだった。

 「病院ではないので鎮静剤を打つこともできず、毛がひきつって痛かったと思います。本当にかわいそうで、みんなで泣きながらマルガリータにしました」と溝上氏。ブログの写真を見ると、刈られた毛はひっつき、ほとんど鎧のようになっていた。1匹に1時間以上をかけ、毛だるま状態の猫たちをバリカンで解放した。

 必死に治療をしても、逝ってしまった猫、生まれてすぐに逝ってしまった子猫もいた。だが、メンバーのケアの甲斐あって、しっかりと生き延びた猫たちもいた。生まれた子猫の1匹、スーくんは『ねこけん』を卒業し、申し出のあった家族に引き取られた。また同じく獅子丸くんも、トライアル飼育へと出発した。両目ともに外斜視で、まぶたが欠損していた獅子丸くんだが、今はとても穏やかな表情をしている。当時を振り返り、溝上氏は「とにかく病気の子だらけ。すぐに入院した子が3頭いて、それでも助からなかった子が1頭いました。人間のせいで…本当にごめんなさいという気持ちでいっぱいで。退院したら、おいしいものをたくさん食べさせてあげたかったのに」と悲しそうに語った。

意外に簡単な資格取得に問題?「保健所の調査が必要」

優しい家族に引き取られ、幸せになってね

優しい家族に引き取られ、幸せになってね

 多くの動物たちを飼育するブリーダーになるには、さぞや難しい資格がいるのかと思えば、溝上氏によると意外に簡単だという。「だからこそ、保健所が定期的に調査しなければいけないと思います。病気の子が出たらすぐに繁殖をやめさせる、奇形の子が生まれたら手術をする、とか。日本の法律は甘すぎるのではないかと思います」。現在、このペルシャ猫のブリーダーには、「同じことを繰り返さないために、定期的に連絡を入れています」という。

 一口に猫を保護すると言っても、その現場は壮絶だ。『ねこけん』の活動は、猫たちに対する愛情と覚悟がなければ絶対にできない。それが確信できるエピソードのひとつである。

(文:今 泉)
■NPO法人『ねこけん』(外部サイト)

■『ねこけん』オフィシャルブログ(外部サイト)

あなたにおすすめの記事

 を検索