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「原色人類」と呼ばれた元『egg』ガングロギャルがエステ経営者に、成功導いた“雑草魂”
開業資金はキャバクラで稼ぐ、ギャル時代に学んだ「自分でレールを敷く」こと
塩澤麻衣さん 両親を説得して、2年間だけ六本木のキャバクラで働いたんです。実家から通ってたんですが、そこで開業資金の1000万円を貯めました。
――2年で1000万円はすごいですね!
塩澤麻衣さん 周りで、出資者の方にお金を出してもらったけど、そのあと苦労しているモデルたちをたくさん見てきました。だから、自分のお金で開業したかったんですね。キャバクラ時代も、一時は指名がたくさんついて成績が良くても、浮き沈みは激しくて。エステのときのように、10人くらいの女の子とチームになって、みんなで助け合って働きました。
――そこまでするには、「絶対に開業する!」という強い気持ちが必要だったと思います。その意志の強さはもともと持っていた?
塩澤麻衣さん いえ、10代の頃、ギャルになるって決めたとき、強くなれたんだと思います。それが“自分”というものができた瞬間。誰かが敷いてくれたレールに乗るのではなく、自分でレールを敷くことができるようになったんだと思います。そして中途半端なギャルでなく、「黒さを極めてやるぞ!」って心に決めたのも覚えています。
「プライドが低いことは、仕事をする上ではプラスになるのかも」
塩澤麻衣さん ギャルは素直なんですよ。見た目は派手だけど、心は真面目。怒られたらすぐ反省して、「どうしよう」って考える。ウソをつかず、がむしゃらに頑張って、カッコ悪いところも見せられるんです。プライドが低いことは、自分の非を認めてやり直せるという意味で、仕事をする上ではプラスになるのかもしれないですね。
――現在はエステサロンを経営している塩澤さんですが、一番のやりがいは?
塩澤麻衣さん 自分が思い描く夢が叶えられるのが、最高に幸せです。例えば商品を開発するときも、自分の作りたいものが実現して形になる。お客さんのニーズを聞いて、「これがあったら喜んでもらえるかな」と考えて、それが実現する。その喜び以上のものはないですね。
――エステティシャンとして、塩澤さんの個性とは?
塩澤麻衣さん “心のケアができるエステティシャン”ということですかね。会社を辞めてエステティシャンしていたときから、心理学もできるエステティシャンになりたくて、勉強して心理カウンセラーの資格を取ったんです。やっぱり、外側だけじゃなく、内面が美しい人が素敵だと思うので。悩んでいると心もお肌も乱れるので、心も体もケアしましょうと提案しています。
――以前は『egg』で、ギャルの心理を分析する連載を担当してたんですよね? ギャル心理に精通した塩澤さんから見て、現在のギャルに感じることは?
塩澤麻衣さん 今のギャルはSNSで繋がれるから、渋谷に行かなくていいらしいです。時代の変化ではあるけれど、渋谷に入り浸っていた私たちの頃を思うと(笑)、少し淋しさもありますね。あとは、物欲も含めて、欲求が低い気がしていて。それは、大人が夢を抱かせてあげなかったせいなのかな、と思います。私たちの頃は安室ちゃんがいて、あゆがいて…ゼロから上がっていけるっていう希望がありました。今の子たちにも、夢を持って欲しいと思います。あ! でも最近はユーチューバーというのがありますね!
――最後に、元ギャルとしてメッセージをお願いします。
塩澤麻衣さん ギャルがブームになると、世の中が明るくなって景気もよくなるような気がするので(笑)。またギャルが流行って欲しいと思います!
(文:佐久間裕子)