ドラマ&映画 カテゴリ
ORICON NEWS

菅田将暉のサプライズ登場で騒然、『MIU404』P語る“参戦”の裏側

常に『アンナチュラル』を引き合いに出されるプレッシャー「おもしろいと信じる方向に進んでいくだけ」

 本作は、数々のヒット作を手がけてきた新井氏の代表作でもある『アンナチュラル』でタッグを組んだ脚本家・野木亜紀子氏、演出の塚原あゆ子氏との2年ぶりの座組みである。稀代のヒットメーカー3人が集結して仕掛けたのは、すでに人気シリーズやヒット作、名作が大渋滞中の刑事ドラマというジャンルでの真っ向勝負だ。

 その物語は、警視庁機動捜査隊という実在の警察組織のなかの第4機動捜査隊という架空のチーム(第1〜第3は実在する)を舞台設定にしたオリジナル。新井氏は「いままでの刑事ドラマとは違うものになるという感覚だけで、勝算があったわけではないです(笑)。ヒットをねらって作るのは難しい。やってみないとわかりません」としながら、企画当初の覚悟を明かす。

「常に『アンナチュラル』を引き合いに出されるので、それを絶対に超えていかなければといけないプレッシャーはありますが、続編ではないオリジナルの1作目なので、どう転ぶかはまったくわかりません。原作がないぶん、キャストには評価の面での負荷もかかってしまう。キャストもスタッフも、胸を張って作品に取り組める環境を作り、全員が面白いと思いながら制作できる現場にしたい。とにかく自分たちがおもしろいと信じる方向に進んでいくだけです」

コロナ後の撮影仕様でもストーリーは変えない「創意工夫でなんとでもなる」

 コロナ禍の自粛期間を経て放送スタートした本作は、現在も撮影の真っ最中。新井氏にコロナ後の撮影における意識の変化を聞くと「病院や学校のロケはやらない、小さな子どもたちがたくさん集まるシーンはやめようというのはありますが、ストーリーを変えることはない」と力を込める。

「エキストラの人数は決まっていても、それをどう多く見せるかは手腕。創意工夫でなんとでもできます。ただ、悲しすぎる感じにならないように、観ている人たちがイヤな気持ちになるものはなるべく避けようとは考えます。『MIU404』は、こういうご時世だから楽しく観てもらえるドラマにしたい。コミカルに振れるぶん、遊べる部分もありますので、エンタテインメントをかなり意識して作っています」

 そんな新井氏にコロナ後に作りたいと思ったドラマのテーマを聞くと、「医療従事者の使命感」と迷いなく語った。

「コロナがこれだけ大事になっているなか、家族が待つ家に帰らず、病院にずっと泊まり込んで患者さんに向き合う医療従事者のドキュメンタリーを観たときに、とても心を打たれて、この人たちの使命感がどこから来ているのかとすごく考えました。手術や病気だけを描くドラマではなく、目の前の問題に自らの命をかけて、使命をまっとうする医療従事者の精神とはどういうものかを映し出す人間ドラマを作りたい」

 感染者数は一進一退を繰り返す厳しい情勢が続くなか、実現させるには時間がかかりそうだ。しかし、徹底した取材から人の生き様とそこに生まれるさまざまな感情をえぐり出す新井氏が同テーマを掘り下げる人間ドラマは、いまを生きる多くの人々の感情を揺さぶり、心を震わせる作品に仕上がるに違いない。
(文/武井保之)

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索