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【高橋ダン】コロナ禍で露呈…日本の成長率にも直結する“教育レベルの低さ”
東京五輪は中止すべきではない! コロナで見えた日本人の潜在能力の高さ
僕の答えは「NO」です。やれるのであれば絶対に開催したほうが良い。理由をお話しましょう。まず五輪の魅力の一つは、多くの観光客が日本を訪れることです。観光客は日本に来たらお金を落とします。つまり日本の外から、日本にお金が持ち込まれるのです。これをインバウンドと言います。
このインバウンドが今回のコロナ禍の日本でさらに膨らむ可能性があるのです。どういうことか? ――日本は、世界的に見て、新規感染者数と死亡者の数が圧倒的に低い。これは世界中が驚いていることで、法的な強い規制がないなかで、日本人がしっかりと政府の出した緊急事態宣言などをフォロー出来ているという見方がされているのです。
つまり日本の社会は素晴らしいと。規律があってステキな社会だと、日本の良い点を世界に知らしめることが出来たのです。多くの方々が亡くなったことはとても残念に思います。その方々の冥福をお祈りいたします。ですが、日本という国が「すごい国なんだ」ということを世界中にアピール出来たというのも事実です。
矛盾する言い方になりますが、このコロナ禍は日本のPRにもなりました。コロナがあったことで、来年の五輪開催の方が、反動としてのインバウンドは大きくなる可能性が浮上しているのです。
コロナはさまざまな災禍を世界にばら撒きました。ですが隠れていた問題をあぶり出し、今後の指標を見せることにもつながった。そして誤解を恐れずに言うと、日本社会、文化、日本人の潜在能力を世界にPRすることにもつながった。
話は戻りますが、若者は今こそ、チャンスです。プログラム言語を学び、英語を学ぶ。勉強する時間があり、小さい頃からスマホやタブレットに触れてきた若者は、有利な立場にあると言えます。また若者でなくてもコロナ禍で起こった技術・デジタル系の企業の発展で、ビジネス面で新たな展開が見込めるなど、今後の身の振り方の指標も見ることが出来たのがこのコロナ禍です。
ネガティブな面だけを注視することは簡単です。ですが、その問題をポジティブに変えていく作業が本当に必要なことなのです。
(取材・構成/衣輪晋一)