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“リモート笑点”が話題 番組Pが語る「大いなるマンネリ」の大切さと新たな可能性

救急車のサイレン音もそのまま放映「師匠たち含めスタッフも逆にハプニングを楽しむつもり」

リモート『笑点』の模様。「救急車」などのハプニングの放映も話題に。 (C)日本テレビ

リモート『笑点』の模様。「救急車」などのハプニングの放映も話題に。 (C)日本テレビ

  17日の放送では救急車の音が聞こえてくるなど、リモートならではのハプニングも発生。しかし、撮り直しなどはまったく考えていなかったという福田P。「師匠たち含めスタッフである我々も逆にハプニングを楽しむつもりでした。例えばサイレンの音が鳴るということは、換気をして撮影していることの証。サイレンの音が鳴ったときはおいしいなと思ってしまいました(笑)。師匠たちの対応があってこそなんですけどね。実は本番前にシミュレーションを1回やったんですが、三平師匠の映像が固まってしまったこともあったんです。それはそれで周りの師匠たちもいじってくれて。何があっても収録は続行しようとスタッフの間で話をしました」(福田P)。

 これがいつもの後楽園ホールであったら、赤ちゃんの泣き声が聞こえたり、何か大きな物音が鳴ってしまった場合、OAに入れることはほとんどないという。確かにこれまで『笑点』で、外部要因で放送に影響を与えることはほぼなかった。まさにリモート収録ならではの面白さが生まれた瞬間といえるだろう。

「大いなるマンネリを目指したい」営業時代に得た言葉を胸に

 放送を開始して55年目に入った『笑点』は、これまでのスタイルを続けることで世代を超えて愛されてきた番組。ともすれば“マンネリ”との声も聞こえてきそうではあるが、それでも多くの日本人が『笑点』を愛し、見続けている。そのことについて福田Pに聞いてみると「2016年の12月に『笑点』のプロデューサーになる前の僕は営業だったんです。営業当時、『アナザースカイ』という番組を担当していて、スポンサーであったJTの社長からこんなことを言われました。『アナザースカイ』は『笑点』のような“大いなるマンネリ”を目指したいと。要はマンネリというのは悪いことだけじゃなく、みなさんに浸透している証拠。お客さんが飽きたら今の時代、すぐ見なくなりますが、マンネリ化しても見続けられるのは、それだけコンテンツに魅力があるからだと教えられたんです。そのとき、大いなるマンネリはすごくいいことだなって思いまして。『笑点』はこの大いなるマンネリの最たるものだと思うんです」(福田P)。

 同時に、奇しくもコロナという大災害により「『笑点』にとって、このリモート収録は大きな変革期であったんじゃないかと感じています」とも。つまり視聴者が望む、望まないに関わらず、コロナのきっかけにより54年続いた『笑点』が大きな変動を迎えたわけだ。それが受け入れられたのも師匠たちの腕があったからこそと断言している。

『笑点』の醍醐味は“お客さんとの阿吽の呼吸”「やはり後楽園ホールでやることがベスト」

番組55年目にして史上初のリモート『笑点』(C)日本テレビ

番組55年目にして史上初のリモート『笑点』(C)日本テレビ

 リモート収録の案が出る前は後楽園ホールに3人の師匠が出演し、残りの3人の師匠がモニター出演をしてもらう案も想定していた。確かにモニターと実際の師匠が交互に並べば距離が確保されるため、密にはならない。このスタイルは今後、コロナ禍がおさまっていく段階に合わせて、行われる可能性もあるという。「おそらくコロナが収束してもすぐに全員が出演することは無理じゃないかと。なので、段階的に半分出演、半分リモートというスタイルになっていくのかなと思っています」(福田P)。

 とはいえ師匠たちにとっても、テレビを観る人たちにとっても後楽園ホールでやることがベストだと断言する。「昇太さんや師匠たちにとってもお客さんの雰囲気を見て、阿吽の呼吸で商売をされている方たちなので、今の状態ではなかなか本領を発揮できないと思います。それでもリモート収録を楽しんでやっていただけているので、非常にありがたいなと。でも、お客さんの前で出来るのが一番なので、早くコロナがおさまることに願っております」(福田P)。

 コロナという世界的な危機を前向きにとらえ、さらに多くのファンの心をつかんだ『笑点』。55年目に入った今、“大いなるマンネリ”と進化の道を同時に進んでいるようだ。

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