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『恋つづ』好演が話題の吉川愛、“天才子役”が芸能界に復帰した理由
11年ぶり共演の佐藤健は「キュンキュンしすぎて心が追いつかない」 理想の彼氏は「ジェイソン」
吉川愛もう11年前なので覚えてくれてるのかドキドキだったのですが、「全然変わってないね」と言われました(笑)。私自身から見た佐藤さんもあまりにも変わってなくて驚きました。佐藤さんは撮影中はすごく真剣で、クールでいらっしゃることの方が多いんですが、共演者の方々と談笑するときはとてもニコニコ。ミキ・昴生さんにちょっかいを出されたりしていました(笑)。
――普段から“ギャップ萌え”のある方なのですね。
吉川愛劇中でもキュンキュンポイントが多くて心が追いつかないですよね。「これは治療だ」もそうですし、9話でも実家に帰った七瀬を追いかけてきて「なんでいるの?」「なんで七瀬がいる場所分かっちゃうの!?」って。
吉川愛常識のある方が好きですね。例えば、しっかりと時間が守れる人。小さい頃からアクション映画が好きで、ジェイソン・ステイサムさんが理想です!(笑)。
――『初めて恋をした日に読む話』でのエトミカ役も話題になりました。『恋つづ』『はじこい』ともにヒロインのライバル役でしたが、どんな意識で演じられましたか?
吉川愛まず嫌な子と思われたくなかったんです。例えば結華は七瀬に思ったことをハッキリ言ってしまう性格でしたから、ともすれば嫌われてしまう。でも、結華の真面目なところは分かってほしかった。だから、彼女の過去や普段の生活を考えて役作りをしました。エトミカも単にブリっ子じゃなくて、好きな人に振り向いてもらいたいがための彼女なりの努力。それを表現できるよう、ドラマで描かれていない背景まで考えて演じました。
吉川愛深田恭子さんは、本当にテレビのままで、ふんわりと可愛いらしい方でした。あと、綾瀬はるかさん。綾瀬さんが現場に入るだけで現場が明るくなって、癒やしパワー満載で。そういうことができる人になりたいと思いましたし、憧れですね。クランクインの日が私の誕生日だったのですが、まだお会いしたことがなかったのに「誕生日でしょ?」とプレゼントをくださったんです。寒い現場だったのでブランケットを頂いて、すごく嬉しかったです。
女優よりパン屋さんの方が大変だった?一度は離れた芸能界に芽生えた覚悟
吉川愛まず、パン屋さんのバイトを始めてみました。やってみて、こんなに大変なんだなって驚きました。当たり前なんですけど、ずっと立ちっぱなしですし、レジ打ち間違えたら大変だし、人見知りだけどお客さん一人ひとりとお話しなければいけない。そういう大変さを通して、改めて、私は子役時代にたくさんの方に支えられていたんだと気づけて良かったです。
――そして1年後に復帰。子役から大人へ、役に対する向き合い方に変化はありましたか。
吉川愛復帰したときに、あまりに自分の演技が下手に思えて。1年しか経っていないのに、「なんだろう、この違和感は」と悩んだ時期があったんです。そして、泣き方・笑い方1つとっても、「子役の演技と大人の演技って違うんだ」と気づきました。役の背景をもっとしっかり考えるようになったのは、そこからですね。
――今も活躍されている子役の方はたくさんいますが、大人になるまで続けている役者はごくわずか。子役が乗り越えなければいけない壁の1つに、その違いに気づくことがあるのかもしれないですね。
吉川愛地続きだとその違いに気づくのはすごく難しいことなんだろうなと思います。いつ変えるかっていうタイミングの難しさもありますし。私の場合は離れた時期があり、切り替えるタイミングがあった。そんな意味でも、あの1年間は私にとって大きな意味があったと思います。
――その1年を経験したからこそ、同世代の中でも抜きん出た演技の幅に繋がっているのかもしれませんね。
吉川愛そうだといいのですが…。1回離れて気づいたものがあったので、今はもっとやりたい、頑張っていきたいと思う気持ちでいっぱいです。やったことがない役にどんどん挑戦して、一生女優をやっていきたいと思っています。
一度は女優業を離れ、自分が置かれていた環境や“芸能界”を客観的に見つめ直した吉川愛。「女優を一生やっていきたい」。最後に、まっすぐな表情でそう語った。まだハタチでありながら、その人一倍強い覚悟を持った彼女のさらなる成長と活躍に期待したい。
(取材・文/衣輪晋一)