ORICON NEWS
フォロワー115万超…ツイッター大喜利で人気の“坊主”、笑いの裏に「本業の僧侶として課せられた任務」
Twitter始めたきっかけは作り話? “ワンクリック祈祷”が話題に
坊主さん はい。もう10年以上、お寺でお勤めをしております。その副業として、元々は四谷の『坊主バー』でアルバイトをしていたんですが、『ポケモンGO』のやりすぎでクビになりまして(笑)。そこを辞めてゴールデン街で働き、去年の11月に新たに『虚無僧バー』をオープンしました。
――あらためて、Twitterを始めたきっかけは?
坊主さん 4年半くらい前、『坊主バー』で働いていた時に「木魚が紛失しました。どなたか間違えて持って帰っていませんか? これをリツイートしたらお経一巻唱えたことになります。その名もワンクリック祈祷」とツイートしたのが始まりです。それがバズりまして、ネットニュースなどにも取り上げられたりして。でも、実は木魚がなくなったというのは、作り話なんですよ。
――えっ!? 作り話だったんですか?
坊主さん はい(笑)。その後に、「木魚ありました! 三階の牧師バーにありました」とつぶやいているとおり、当時オープンしたばかりの『牧師バー』を宣伝するためのツイートだったんです。
――そこから始まったTwitterも、いまやフォロワー数115万人超。
坊主さん フォロワーが増えたことは、もちろんうれしいですね。ただ、毎日がTwitter中心の生活になったので、目が悪くなってしまいましたし、プライベートも削っています。フォロワーの数は増えたんですが、自分の遊ぶ時間がないので、友だちは減ってしまいました(笑)。
大喜利風の“あるある選手権”で、フォロワー数100万人超え
坊主さん 当初は仏教ネタをつぶやいたりしていたんですが、だんだんとネタが尽きて、大喜利をしようかなと思いついたんです。そのほうがバズりやすいし、人数も集まるかなという、単純な話です(笑)。この“あるある選手権”によって、フォロワー数も3万人から100万人オーバーへと増加しました。「こんなお題をやってほしい!」というリクエストも来るので、ネタには困りません。
――中でも反響のあったお題は?
坊主さん 「信用してはいけない言葉選手権」とか、「地味ないたずら選手権」とかですね。あと、ネット上で使われてきた「ガンジーでも助走つけて殴るレベル」という言い回しがあるじゃないですか。それを上回るキャッチフレーズを募集します…というのも、すごくバズりました。
「寂しい人をどうにかして救ってあげたい」、災害時には情報発信も
坊主さん いや、実はほとんど炎上はしていないんですよ。ネット等では『坊主バー』を辞めるきっかけが、『ポケモンGO』ではなく炎上だったと言われていますが、それもTwitterではなく、Facebookのとあるコミュニティで炎上しただけであって。実際、Twitterでは表面化していません。とはいえ、「マンネリ化した」と言われたり、元フォロワーの人にブロックされて、裏で悪口を言われたり…ということはよくありますね(笑)。
――プライベートを削り、マイナス面もあるなか、なぜTwitterを続けるんでしょう?
坊主さん Twitterを見ていると、寂しそうな人がいっぱいいて。どうにかして救ってあげたいなという気持ちがありました。“あるある選手権”は、そうした“非リア充”や“ツイ廃(ツイッター廃人)”の承認欲求を満たすために始めたところもあります。『いいね』がたくさんもらえれば、少しは寂しさも薄らぐのかなと。
――根底には、「救いたい」という僧侶としての考えがあると?
坊主さん そうですね。ほかに、地震や災害のときには、いち早く情報をツイートするようにしています。あとは、飼っている犬や猫がいなくなったときに、私のTwitterを活用して探していただくことも。100万人以上のフォロワーがいても、そういうツイートをする方は意外に少ないんじゃないかと思うんですよ。
――なるほど。
坊主さん 私が今まで多くのフォロワーを集めてきたのは、こういうときのためだったのかなとも思うし、坊主として課せられた任務だとも思っています。…って、何かいい話にしておかないと、もし炎上したとき大変ですから。“保険”かな?(笑)。
――いやいや(笑)。逆にTwitter活動が僧侶の本業に影響することは?
坊主さん 檀家さんに面と向かって語りかけることも大切ですが、やはりTwitterのほうが発信力、拡散力があります。“あるある選手権”の隙間に、仏教の教えをぽろっとつぶやくことで、100万人以上の方に一気に伝えられる。それだけ多くの人を救えるんじゃないかなと思います。