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吉沢亮、「国宝級イケメン」を逆手に取った清々しい“自己肯定”で10年目の躍進
吉沢亮がリアル“僕イケメン”を押し出してもナルシストを感じないワケ
”イケメンすぎてエキストラの仕事ができなかった”吉沢亮(C)ORICON NewS inc.
また、「国宝級イケメンランキング」2連覇したことがある山崎賢人さえも、「彫刻のようなイケメン。お亮(吉沢亮)と並ぶと、俺がそこまで顔が整ってないっていうのがわかる(笑)」と完敗宣言。映画『キングダム』の番宣で吉沢とふたりで登場することが多かった山崎だが、たしかにどこか吉沢の引き立て役にまわっていた感もあった。映画『銀魂』の主役・小栗旬も「出演者の中で入れ替わるなら?」との質問に、「スゲ〜キレイな顔してる」という理由で吉沢の名を挙げている。
これほどのイケメンが「僕イケメンじゃないです」といえば、むしろ反感を買う。この10年間で、そういったともすると“厄介な”場面を数々味わってきたであろう吉沢は、過剰な褒め言葉も逆手に取り、イケメンを自認することを選んだ。そしてその選択がしっかりとファンの心をつかんでいる。
吉沢の自己肯定には嫌悪感がない理由に、そこに“ナルシスト”を感じないことも挙げられるであろう。同じイケメンでも及川光博やNEWSの手越祐也、Sexy Zoneの中島健人などに代表される“王子様キャラ”は、そのナルシストっぷりの上に成り立っているので、ただの“設定”であっても賛否両論を生む。しかしイケメンであることを素直に認め、自分のイケメンエピソードをたんたんと話す吉沢亮には、かつての狩野英孝の「ラーメン、つけ麺、僕イケメン」じゃないが、どこか嫌味には聞こえないユーモアのセンスを感じる。
実際、プライベートについては「ひとりが好きだし、もともと地味な男なんです。だから、キラキラした二枚目は演じるのが難しくて」と語っているように、吉沢にとって“ナルシスト”戦法は苦手であり、無理のない“僕イケメン”戦法のほうが相性がいいようである。
役によってイケメンレベルを調整する演技力に、二階堂ふみも「天才」
昨年公開された映画『リバーズ・エッジ』では、いじめに苦しむゲイ役で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、共演の実力派女優・二階堂ふみをして「天才っているんだな。この人が女の子でなくてよかった」と言わしめるほど、吉沢の演技力には定評がある。また、映画『あのコの、トリコ。』でも、初日の舞台挨拶で相手役の新木優子が、「映画の中で吉沢さんはオタクっぽい真面目な役をやったのですが、ちょっと猫背にしてみたり、かばんの持ち方を変えてみたり、役作りがさすがでした」、「何もしないと、この通りキラキラがあふれてしまうのを隠して演じている姿を見て、私もキュンとした」と称賛している。
最近は石原さとみ、深田恭子、綾瀬はるかといった美人女優が女性人気も獲得することで、“カワイイは正義”としてビジュアルが再認識されてもいる。吉沢のイケメンぶりも男が認めるほどだが、本人自身は謙遜するでもなく、王子様キャラで過剰にキラキラするでもなく、素直に自己肯定するだけで無理のないイケメンキャラを確立しており、見る者に親近感させ抱かせている。
そして役者としては、壊れそうなイケメン、狂ったイケメン、完璧なイケメン、さらにはイケてないイケメンまで演じ分け、バラエティ番組ではユーモアセンスも披露する吉沢亮。今後もただのイケメンに留まらない、幅のある新たな“イケメン像”を提示してくれることを期待したい。