ORICON NEWS
“のほほん”にこそ共感、超脱力系育児マンガ家に聞く「あえてメッセージ性残さないワケ」
メッセージ性ゼロ!? ゆるゆるな日常にこそ共感があふれている。
――ネットにマンガをアップするようになったきっかけは?
ぎゅうにゅうさん旦那が転勤になり、慣れない土地で孤独に子育てをするなかで、誰かに子育てのことを伝えたい、共感してもらいたいと思って始めたのがきっかけです。
――マンガのネタはどのように見つけていますか?
ぎゅうにゅうさん子どもと過ごしていて、おもしろいな、かわいいなと思ったことを思い出し、マンガのネタにしています。子どもが成長していくなかで、このマンガがどうなっていくのかは、自分でもよくわからないところですが…。
――ネットにアップする際に気を付けていることは? また、Twitterとコミックサイトでは投稿内容をどのようにすみ分けしていますか?
ぎゅうにゅうさん誰かが嫌な気持ちになるようなことは、載せないようにしています。どちらかというとあまり深い意味のない、「だから何?」というようなことを描いていきたいですね。投稿内容は、Twitterには今日あった出来事や今思っていることを描き、コミックサイトには日常を書き留めたメモから4コマで完結できそうなネタを選んで描いています。
――育児のつらい面はあえて描かれていない印象ですが、何か意図はありますか?
ぎゅうにゅうさんあえて描いていないつもりもないのですが、表現力や文章力に自信がないので、うまく伝えられないこともあるなと思って。うまく伝えられなさそうなことは、あまり描きたくないんですよね。最近すごくいい育児コラム読んでこんな素晴らしく言語化できる人がいるんだから、上手く伝えられないようなことを描くのは諦めよう。と思ったりしました。
「忘れてしまいがちな日常だから、マンガにして記憶にとどめたい」
ぎゅうにゅうさん子どもの言動には日々ハッとさせられます。それをメモしておき、思い出しながらマンガにすることで、当時の出来事や思いを忘れずにいられます。子どもとの思い出を記憶にとどめておくという意味でも、マンガを描いていてよかったなと思います。
――読者からのさまざまな反響を受け、あらためて感じることは?
ぎゅうにゅうさん読者の方からはよく「あるある」って言われますね。自分としては「これはあるあるではないだろう」と思うような変な言動も、結構「あるある」って言われることが多くて。「そうか、これってあるあるなんだ…」と気づかされることも多いです(笑)。
――子どもと接するうえで大切にしていることは?
ぎゅうにゅうさん子どもに自分の考えを押し付けないように心がけています。世の中にはいろんな考えがあるということを理解できる、モラルのある子になってほしいですね。
――マンガやイラストを通して読者にどんなことを伝えていきたいですか? また、今後どうなっていきたいですか?
ぎゅうにゅうさん自分が人の心を動かすほど立派なことを言えるとは思わないので、暇つぶしにちょっとおもしろいかもと思ってもらえたらうれしいです。これからもまだまだ子どものことを描いていきたいですが、最近はありがたいことにキャラクターのイラストを描くお仕事もいただけるようになって、それが自分の中でモチベーションになっているので。そういう仕事も続けられたらいいなと思っています。
(文:窪和子)
『ぎゅうにゅう日記』
脱力系のゆるかわいい育児イラストで人気のぎゅうにゅう(@gyuunyuu_umai(外部サイト))の初の単行本。
長女・とうにゅうちゃんが1歳過ぎたころからの日々のエピソードを描いたイラスト日記に描き下ろしイラストを加えてまとめた1冊です。
基本クール、ときにスイートなとうにゅうちゃんの言動と母・ぎゅうにゅうさんの独特な視点、やわらかなタッチのかわいすぎるイラストに子育て中のママのみならず、夢中になるファン多数!
たまに登場する夫や祖父母も、いい味だしてます。
発売を記念して、コミックサイト「パチクリ!」にて
連載26話分を期間限定で公開中!
http://pachikuri.jp/gyuunyuu/(外部サイト)