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稲垣吾郎が見出した“人生の分岐点”、「すべてを手放して」実感したものとは?

「劣等感…それがまさに僕がこの仕事を続ける上での最大のテーマ」

――2018年は、舞台を2本、映画やネットドラマなどのお芝居だけでなく、AbemaTVでの月一生放送もあり、他にソロで配信シングル曲「SUZUNARI」もリリースしました。
稲垣吾郎 忙し過ぎて実感がないです(笑)。「僕なんかが出しちゃっていいのかな?」という疑問と不安は、常にどこかにつきまとっていますね。歌は苦手だし、いまだに胸を張って「歌手です」とは言えないし…。ずっと、ファンの方と繋がるためのアイテムの一つとして歌をやってきて、本当の歌い手さんとは違うという負い目がどこかにあった。なのに“紅白”とかに出ていたから、不思議な立ち位置なんですけど。歌は楽しいし、もっと上手く歌えたらいいのにな、という劣等感を抱えながらやっています。でも、そのくらいでいいのかなとも思う。表現って、あんまり自信満々でやっちゃうとダメな部分もあるから。迷いながらも全力でやることが感動を生むこともあると思うし。

――常に一曲入魂というか、一生懸命ですよね。いつも、その熱意が伝わってきます。
稲垣吾郎 得意じゃないからこそ頑張れる部分はあるのかもしれない。そこは香取(慎吾)くんも草なぎ(剛)くんも同じだと思いますね。お芝居もそうで、「専業歌手です」とか「専業俳優です」と言えない分、気力やエネルギーで補おうとして、毎回必死になれる。そこに共感してもらえたのかもしれないし…。“劣等感”って表現はちょっと大げさかもしれないけれど、人前で歌う時に不安はいつもあります。でも、それがまさに僕がこの仕事を続ける上での最大のテーマで、僕自身を作っているものなのかもしれない。ベートーベンの「翻弄し、圧倒し、高揚させる」という音楽のように、翻弄することも圧倒することもできないけれど、僕にだって歌で高揚させたり、喜ばせたりすることなら、できるかもしれないじゃないですか。今回はいい曲に恵まれたので、ファンの方にぜひいい歌を届けていきたいです。その気持ちは誰にも負けないように。

――阪本監督は「『半世界』はスター映画。俳優たちの奏でるセッションを楽しんでもらえれば」とコメントしています。ちょうど『No.9』でも、「人間もまた楽器なのかもしれない」というセリフがありましたが、稲垣さんはご自分を楽器に例えるなら何だと思いますか?
稲垣吾郎 うーん、いろんなものを吸収して、あんまり反発し合わない楽器(笑)。バイオリンは、僕にしては目立ちすぎる(笑)。だとしたら、ベースとかも近いのかな。静かにさりげなくそこにいて、ガンガン主張する方ではないところが。ピアノは、どの楽器とも相性がいいし、強弱があって、憧れます。

(写真:田中達晃/Pash 文:菊地陽子)

映画『半世界』

監督:阪本順治
出演:稲垣吾郎 長谷川博己 池脇千鶴 渋川清彦
竹内都子 杉田雷麟 小野武彦 石橋蓮司

2月15日公開
【公式サイト】(外部サイト)
(C)2018「半世界」FILM PARTNERS

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