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若者の献血離れが深刻化 “コミケ応援献血”の意義
東京新聞TOKYO Web、2018年8月28日の記事によると、「若い世代の献血者は減り続け、30代以下では20年前と比べて半分に。このペースで減り続けると、需要に追いつかなくなる恐れがある」とのことで、血液不足は深刻。東京都赤十字センターの担当者も「若者の献血者が減っているというのは事実です。特に20〜30代の方の献血者数が少ないです。そういった意味では、コミケの客層とマッチしているかもしれません」と語る。
最近の献血と言えば、漫画喫茶の様に漫画読み放題、軽食やお菓子食べ放題、飲み物飲み放題といったサービスを展開しているところが多く、「サービスについては各都道府県によって違います」(担当者)とのことだが、ネット上でも「漫画あるし飲み放題だし食べ放題だし充実しすぎ!ずっとここにいたい」「食べ放題、お昼ご飯だよ。お金節約キャンペーン」といった声もちらほら。そういった仕掛けをしなければ血液確保が難しいのが現状だ。
アニメのクリアファイルやポスターといった特典に釣られて献血に行くのは偽善だというネットの声もあるが、偽善でも血液が集まるということに変わりはなく、特典を提供している協力企業の功績は大きい。また、「全血献血された血液の有効期限は21日間です。不足しているのは事実ですが、常に必要というのが正しい言い方だと思います」とのことで継続的に血液を確保する必要もあるのだ。
また、コミケに限らず地方でも様々なキャンペーンを展開している。例えば、茨城県赤十字血液センターでは、若者の献血者を増やすことを目的として、茨城県公認のVTuber“茨(いばら)ひより”や、大洗町を舞台にしたアニメ『ガールズ&パンツァー』とのコラボキャンペーンなどを展開している。
実際にコミケで応援献血をした人に話を聞いてみると、「前回のコミケで初めて献血をしました。今は普通に特典がなくても献血するようになりました」「もちろんポスターは欲しいですが、ポスター目的だけで献血をした訳ではありません。数ヵ月に一回は献血をしています」と、実際に献血カードの履歴を見せてくれた方も。話を聞いたほとんどの人が、普段から献血をしているとのことで、意外にも特典だけが目当ての人は少なかった。
「コミケ91では、バス1台あたり約1.7倍の方にご協力いただいた形になります」(「おたぽる」2017年4月30日の記事より)と、確実に実績を上げている。今回も、担当者によると、「通常の献血バス運行時より確かにたくさんの方に献血を頂いております」とのことだった。来場者数約50万人を誇るコミケの様な“オタクカルチャー”を通して献血をPRできる“コミケ応援献血”の意義は大きいだろう。
「コミックマーケット95献血応援イベント」は、2018年12月29日(土)〜2019年1月31日(木)の期間、全国の赤十字血液センターで開催。コミケ開催期間中は会場付近でも献血バスを配置、11時〜16時半の間献血をすることが出来る。