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休養に入った小倉智昭、個性生かす手腕で『とくダネ!』が人材育成の場に

  • 27日から長期休養に入った小倉智昭 (C)ORICON NewS inc.

    27日から長期休養に入った小倉智昭 (C)ORICON NewS inc.

 フリーアナウンサーの小倉智昭が26日、『とくダネ!』(フジテレビ系)で、がんによる膀胱全摘出の手術のため翌日から長期休養に入ることを明かした。これまで、歯に衣着せぬ発言で批判されることも多かった小倉だが、SNSでは「小倉さんがいないとつまらない」「待っているから頑張って!」という声も多く、視聴者の見方も変わりつつあるようだ。一方で、以前はともかく、現在は『とくダネ!』の“父”として、山崎夕貴アナや古市憲寿ら多彩な人材の個性をうまく生かし、育成しているようにも見える小倉。“炎上キャスター”だった小倉は、どのような道のりを経てこのような円熟に至ったのだろうか?

歯に衣着せぬ発言で謝罪、女性キャスターとの不仲説も噴出した過去も

 小倉智昭は元テレビ東京のアナウンサーで、競馬好きにとっては「競馬中継といえば小倉」と言われるほどの人気を誇っていた。29歳でフリーに転身してからは『タミヤRCカーグランプリ』(テレ東京系)で軽快なナレーションを放ち、小中学生から「小倉のお兄さん」と親しまれることに。ラジオパーソナリティとしての話術も評価され、『キャッチ』(日本テレビ系)や『ジョーダンじゃない!?』、『どうーなってるの?!』(ともにフジ系)で司会者へ。1999年からは『とくダネ!』メインキャスターとなり、20年の長きにわたりフジテレビの朝の顔になっている。

 だが、歯に衣着せぬ…というより暴言ともとれる発言で批判されることもしばしば。メジャー移籍した上原浩治選手への暴言、安倍晋三総理大臣の潰瘍性大腸炎を揶揄、体罰に対して容認する見解など、その度に炎上し、番組内で謝罪したこともあった。また、中野美奈子や菊川怜ら、歴代女性キャスターとの不仲説もつねに付きまとい、『とくダネ!』におけるワンマンぶりや発言内容に、アンチも相当数存在するのは確かだ。

菊川怜は文化人枠に進出、山崎夕貴はフジを代表するアナに…養成機関となった『とくダネ!』

 「不仲説については、メディアが面白おかしく報道した影響もある」と語るのは、テレビ雑誌で長らくフジテレビ番記者を務めたこともあるメディア研究家の衣輪晋一氏。

 「小倉さんは仕事に対して厳しいことで有名。また、テレビ局は上下関係がしっかりしているため、番組の司会者を非常に大切に扱うのは当前。当人にそのつもりがなくても、周囲から横暴と受け取られることも多い。昔はそれでも良かったが、今の時代では周囲が萎縮してしまい、ギクシャクすることもあった。実際、中野さんも『アウト×デラックス』(フジ系)出演時、不仲疑惑について『小倉さんはメチャメチャ優しい。プライベートの時は』と明かし、暗に“仕事中は厳しい”ことを示していました」(衣輪氏)

 テレビ局には、古い体制が残っているのは確か。とはいえ、『とくダネ!』や小倉自身にも変化は起こっており、菊川がキャスターを務めていた時代の中盤からは、スタジオでも和気あいあいとした空気が漂うように。菊川も、小倉にだけは事前に夫との交際・結婚を明かしていたという。番組卒業時、「こんなに『とくダネ!』が好きだったんだと初めてわかった」と涙した菊川だが、実際に彼女の好感度を高め、文化人に育てたのは『とくダネ!』の影響が大。小倉は、そんな菊川をいじりながらも、「怜ちゃんは本当に成長した」と目を細めていた。

 前出の衣輪氏は、「『とくダネ!』は、スタッフや出演者の養成機関のような役割も果たしていた。そこで働く者が力をつけ、巣立っていくのです」と解説。今年4月からは山崎夕貴アナが小倉とともに番組MCを担当しているが、当初こそ2人の相性を心配する声があったものの、同月には水卜麻美アナを投入した『スッキリ』(日本テレビ系)を抜く視聴率を記録。最近では、小倉に対しても遠慮なくツッコミを入れられるほどに育ち、伸び伸びとキャスターを全うしているように思える。もともと好感度の高い山崎アナではあったが、彼女をフジテレビをけん引するほどの女子アナに育てたのも、『とくダネ!』と小倉の功績と言えるだろう。

「あまたつっ」の呼びかけで人気者を作った小倉、新・炎上王の古市憲寿の手綱を握る

 うまくいっているのは女性キャスターだけではない。新たな炎上王、社会学者の古市憲寿氏の魅力(?)を引き出したのも『とくダネ!』だろう。ニュースについて解説する際、小倉はここぞというときに古市に話を振り、古市が強烈な一言を放つこともしばしば。あまりに微妙な空気になった場合は、小倉が視聴者を代弁するようにツッコみを入れ、フォローする様はもはやテッパンの光景だ。以前も、上野動物園の赤ちゃんパンダ・シャンシャンのことを「可愛くない」「生まれたばかりだからか、ちょっとバッチイ」と発言した古市に対し、小倉は「何を言うんだよ。今が一番かわいいだろ!」と、独特の裏返った声で反論していた。

 巧みな司会術でコメンテーター陣を前に出し、自身は引きつつ何か起こったときのために控えている。それにより新たな個性は生き、やりすぎたときは緩和する。それが現在の小倉の司会スタイルだ。

 「厳しくも愛がある、現場全体を見渡した“小倉式”は、年々円熟に向かい、それは視聴者にも伝わっている。今は新たな炎上王の古市さんがいることもあって、どっしりと頼もしい存在に見えます。若いコメンテーターの意見も受け入れるし、ツッコミも可能な風通しの良さがある」(衣輪氏)

 また、『好きなお天気キャスター/天気予報士ランキング』(ORICON NEWS)で6度の首位に輝いている天達武史の人気も、その裏には小倉の甲高い「あまたつっ!」があったことは想像に難くない。ほか、古坂大魔王、グローバーなど新鮮味のあるコメンテーター陣も続々と足固めを行っている最中だ。

鋭い舌鋒と名人芸と言える司会ぶりは健在、“予定調和”に終わらない面白さ

 今では、出演陣の間にどこか家族的な繋がりさえ感じさせる『とくダネ!』。とはいえ、決して“作られたファミリー感”や馴れ合いではなく、たびたび鋭いコメントも飛び交う。小倉自身の舌鋒がなまったわけでもないため、予定調和に終わらないところに同番組の面白みがあるのだ。「ときには叱り、育ててくれる。良くも悪くも、“昭和の親父”的雰囲気があった」と衣輪氏は見ている。

 今回、長期休養に入ることを告げた際、「いつも人様のことを根掘り葉掘り言いますから、ウソつきたくないので。(手術後)はじめのうちは、オムツや尿パッドを付けないといつ漏れてしまうかわからない状況が続きます」と、自らの病状についても歯に衣着せぬ発言。視聴者にメッセージを送ったのちに、「あとは伊藤(利尋)くん、笠井(信輔)くん、山崎くん、頼みます」と頭を下げた。長々と語ったわりに、最後はきっちり生放送の時間内に収めてみせるあたり、その司会ぶりはもはや名人芸の域だ。休養中は残るメンバーが番組を守ることになるが、回復後にはぜひ、『とくダネ!』の父としてまた戻ってきてほしい。

(文/西島亨)

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