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ノブコブ吉村が脱・破天荒? 芸人として功を奏した“垣間見える良い人”ぶり

  • “良い人”キャラが見え隠れする平成ノブシコブシ・吉村崇(C)ORICON NewS inc.

    “良い人”キャラが見え隠れする平成ノブシコブシ・吉村崇(C)ORICON NewS inc.

 お笑いコンビ・平成ノブシコブシの吉村崇の“株”が上がり続けている。かつては“破天荒”(自称)をウリにしていたが、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)で、生放送中に現れたヤバ目な素人(というドッキリ)に対し、「よーし」と抱き寄せるなどして上手く切り抜けると、SNSでは「神対応」と絶賛、スタジオのダウンタウン・松本人志も「パーフェクトやったね」と言わしめた。最近ではMCにナレーション、ドラマ出演など幅広く活動する「芸人・吉村崇」から垣間見える“良い人”が功を奏しているようだ。

“昭和の芸人”感を出した破天荒さはキャラ!? 業界内では別の顔が評価

 吉村と言えば、『ピカルの定理』(フジテレビ系)でピース・綾部佑二と濃厚なボーイズラブを演じながら、いきなり綾部のシャツを引きちぎったり…というテンションの高い過剰なコントを披露してきた。それだけでも十分暑苦しかったのだが、「自分を追い込むため収入に見合わない高級マンションに住む」、「2000万のBMVを購入する」といった、昭和の芸人的な“破天荒”なプライベートもウリにしていた。また、『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)では、数々のハニートラップに引っかかっては女性にゲスに迫るなど、時に吉村の破天荒キャラは視聴者には悪印象を与えていたことも否めない。

 ただ、いざ番組中に急に破天荒キャラを求められると、空回りを繰り返し、「破天荒キャラは作り? 無理してるんじゃ?」と視聴者に疑念を抱かせる場面が多かったのも事実。実際、本当は“真面目で常識人”ということが芸能界内では有名な話で、『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)ではマツコ・デラックスが「実は私、複数回飯を食ったことある数少ない芸人さんなんです。実は仲いいんです私も」と告白した。有吉弘行も、「アイツはわりと気遣いもできる」と評価すれば、マツコも「何でこの良さがテレビで出ないんだろう。もっとみんな仕事していい人よ」と絶賛し、チャラそうに見えて意外と人望のあることを明かしたのである。

ダウンダウン松本も絶賛、ドッキリ企画で露呈した芸人としての対応力

 そして、ここ最近の吉村は“良い人”感が際立っている。前述の『水曜日のダウンタウン』(10月6日放送)のドッキリ企画「中継先に現れたヤバめ素人のさばき方で芸人の力量丸わかり説」でも、目を見開いて角材を手にした男性が生放送中に乱入すると、「生放送ですよ、お父さん!」と呼びかけ、男性の背中を押して後ろに下げる。男性が一般カップルに話しかけると、両腕を掴んで自分の背中にくっつける。それでも男性が暴走して「アー!」と奇声を上げると、今度はムツゴロウさんばりに「よーし」と男性の頭を抱きしめ、さりげなく角材も取り上げつつ、「いったんCMということで…」と上手く締めたのである。

 乱入した男性を力で排除せずになだめ、一般客に危害が及ばないようにしながら、放送事故を回避するという一連の吉村の行動に、スタジオの劇団ひとりは「吉村、一気に仕事増えると思う」、ダウンタウン・松本は「完璧」とコメント。ツイッタ―でも、「あの状況で笑顔を絶やさなかったノブコブの吉村さん、一瞬で好きになりました」、「吉村のことほんとに見直したわ」といった称賛の声が溢れたのだ。これも、ひな壇で空回りしながら鍛え上げてきた吉村のメンタルの強さ、コミュニケーション能力のなす業だろう。吉村の“コミュ力”は、『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)のMCでも、スーパースター・嵐の面白さ引き出しながら、安定した進行を行なっていることにも現れている。

盟友・渡辺直美も号泣! 仲間が知ってほしい“本当の吉村”とは?

 さらに『金曜★ロンドンハーツ2時間SP』(テレビ朝日系/10月26日放送)でも、『ピカルの定理』時代の盟友とも言える渡辺直美が吉村に「結婚して芸人を辞めたい」とドッキリを仕掛けると、心配したりアドバイスをする吉村。その結婚相手に対しても「(渡辺を)つけてほしくない」など、渡辺を身内のように思う言葉が次々と飛び出し、吉村の熱い言葉に思わず渡辺が泣いてしまうシーンも。

 このふたりの絆に、「泣いてしまった」、「素敵な関係性」と視聴者からも感動の声が相次いだが、このドッキリ自体も渡辺が吉村に対して「感謝を伝えたい」、「(吉村が)いいイメージがないのを払しょくしたい」という思いから企画されたことがわかったのである。このように実は吉村に助けられている芸人は多いのかもしれない。とはいえ、自分にスポットが当たってしまうと空回り、女癖の悪さや濃い顔など女性から生理的に受け付けないと不評だったりそのイメージが抜けなかったり、称賛ばかりではないのも事実だ。

 しかし、相手が素人であっても、同業者であっても、全体を見渡し、現場のコミュニケーションを円滑に回すことが出来るのは、吉村の力だ。最近の“実は良い人”キャラを吉村が意図的にやっているかは不明である。ひょっとしたら最近の吉村のマイルド路線も、吉村に比べて地味目の相方・徳井健太を気遣いつつ、徳井の活かし方を模索する“伏線”という見方もできる。徳井とコンビを組んで、今年で18年。表立っては見えないが、これだけ仲間思いの吉村だから、コンビとして相方を活かしきれないことへ自責の念を抱いているかもしれない。

 今や芸人には自分たちの漫才やコントの面白さ以外にも、番組全体を盛り上げる“団体芸”が求められている。そうした芸人としての役割をまっとうする力量、周囲の仲間を思う優しさというふたつの“人間力”を兼ね備えた吉村崇という芸人は、現在のお笑いシーンにおいて本人の想像以上に需要があるのだ。

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