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上映館が100倍に拡大、タイ版“カメ止め”『バッド・ジーニアス』ヒットの理由

NYでは疑問視? 「アジアと欧米の教育システムや学歴社会に違い」

 監督の言う通り、そもそもは純粋に作品の面白さが最大のヒット要因だが、ここにもアジア独特の事情がある。金持ちの子女が通う進学校に、奨学生として招かれた天才少女リン(チュティモン)が、勉強のできないクラスメイトのためにカンニングの手助けをしてしまう。それをきっかけに、リンがカンニングをビジネスにするストーリーは、日本にもある裏口入学や替え玉受験を彷彿とさせる。監督が、「NYで上映されたときに、なぜカンニングにそれほどの力を注ぐのか、といった質問が集中した。アジアと欧米の教育システムや学歴社会に違いがあるからでしょう」と語るとおり、日本を含めたアジアでのヒットは、まさに身近な物語であるがゆえの共感が下地となっているのだろう。

 面白さはそれだけではない。本作は、クライム・サスペンスの一方で青春映画としても成立しているし、タイでの経済格差を浮き彫りにした社会派としての側面もあり、ジャンルを超えた魅力がある。そのうえ、あらゆる手を使ったカンニングのギミックや時差を使ったトリックなど、伏線や仕掛けがてんこ盛り。そのどれもがキチンと帰結していくという脚本の力は、リピート観賞したい気持ちを駆り立てるはずだ。

 タイ版『カメラを止めるな!』とも言える『バッド・ジーニアス』。“カメ止め”の息の長さを思えば、本作がさらなる爆発を起こすことは間違いないだろう。

(文:よしひろまさみち 写真:田中達晃/Pash)

映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』

公開中 新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
監督:ナタウット・プーンピリヤ
出演:チュティモン・ジョンジャルーンスックジン、チャーノン・サンティナトーンクン、イッサヤー・ホースワン、ティーラドン・スパパンピンヨー、タネート・ワラークンヌクロ
(C)GDH 559 CO., LTD. All rights reserved.
【公式HP】(外部サイト)

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