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女性のショートカット、心機一転の手段として未だ通用?
作品の描写で印象付けられる“ショートカット失恋説”
それにしても、昔から少女漫画、ドラマ、映画などのエンタメ作品の多くで、“失恋の象徴”として女性が髪を切る場面が描写され続けており、髪を切る=失恋は何となくセットとして記憶されている人は多いのではないだろうか。最近では、大ヒットした映画『君の名は。』の三葉(みつは)が、勇気を振り絞って瀧に会いに行ったのに「誰、お前?」と言われてショックを受け、後に髪を切ったシーンが有名だろう。
髪を切る女性の心境とは? 安易な「失恋したの?」が女性からの不快感を買う
一方、「髪を切らない」派の意見はというと、「周囲につっこまれるのが面倒」、「あからさますぎてはずかしい」、「髪型は自分の好きなタイミングで変えたい」などの声があり、「失恋した?」と聞かれることを見越してのことのようだ。そして、「髪を切るたび人は私を失恋させたがる 変なの」、「女の子が髪を切る理由に『失恋の影響』を求めてる、心底ウンザリする」、「『いやいや失恋したんでしょ?ww』て男性上司に言われたのいまさらムカムカしてきた 」、「『髪切ったね』自体は全然セクハラでもなんでもない!でも、極論イメチェンに理由を求めるな!『かわいいね!似合うね!』ってだけ言って!!」等々、実際に違和感や不快感を覚えたというコメントも出てくる。
いずれにせよ、「髪を切る=失恋」はどうやら男性の勝手な思い込みも強く、タモリが『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の「テレフォンショッキング」でゲストに「髪切った?」と聞くのと同じノリで言ってしまうと、思いっきり裏目に出る可能性もありそうだ。
失恋のレッテルから、“自己プロデュース”として魅せるショートカットに変化
剛力彩芽もショートにした2011年ごろから露出が増えはじめた。波瑠も雑誌『non‐no』のモデルをきっかけにショートにすると、女優業で一本立ちすることになった。のん(能年玲奈)もショートにしてからNHKの朝ドラ主演が決定→大ブレイクしたし、元AKB48の篠田麻里子にしても、ショートカットにしていなかったらまた違っていたかもしれない。ホラン千秋も『THE BEAUTY WEEK AWARD 2014』のショートヘアスタイル部門を受賞したが、トレードマークとなったショートカットが芸能生活の転機になったことを明かしている。
こうしてみると、ショートカットにする(髪を切る)=失恋=ネガティブ&マイナスイメージという時代は去りつつあるものの、ショートカット自体はいまだに低迷・停滞期を転換させる“起爆剤”ともなっており、“心機一転”という意味合いで言えば、失恋したことを髪を切ることで“清算”する構造と同じと言えなくもない。
ほとんどの男性にとっては、髪を切る理由は単に伸びたからとか、鬱陶しいから、暑いからということだろうし、特殊な例では“謝罪・懺悔”であり(そういえばスキャンダルで坊主になったアイドルも)、あとは薄毛を隠すことを諦めて坊主にするぐらいか。
しかし「髪は女の命」ではないが、女性にとっては髪を切ることはやはり重要な自己表現のひとつなのかもしれない。今後も人によっては「髪を切る=失恋」という構図も残しながら、自分を変えたり、自己アピールするための強力な“武器”として機能していくことだろう。