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【TBSアナウンサー×「ラジオ」Vol.4 江藤愛】ラジオは自分の宝物 最大の目標は“女版・安住紳一郎”

TBSアナウンサー・江藤愛 写真:近藤誠司

TBSアナウンサー・江藤愛 写真:近藤誠司

 6月11日から17日に実施された個人聴取率調査(ビデオリサーチ首都圏ラジオ聴取率調査)で見事トップを獲得し、2001年8月から102期連続(17年間)という大記録を達成するなど、ラジオ業界では一人勝ち状態のTBSラジオ。そんな同局の特色のひとつとなっているのは、テレビとラジオの両方の放送局を持つ「ラテ兼営」という点。普段テレビでよく見るアナウンサーの意外な一面が、「ラジオを聞けば、見えてくる」と好評を博している。

 そこで今回、TBSラジオで番組を担当しているアナウンサー陣を対象に、テレビとは異なるラジオ独自の魅力を聞くリレーインタビューを敢行。第4回は、テレビでは『ひるおび!』キャスターをはじめ、年末の恒例番組『輝く!日本レコード大賞』や大型音楽特番『音楽の日』の進行も務める江藤愛アナウンサー(33)。TBSテレビの看板とも言える番組を担当する“エース”が、出演する『爆笑問題の日曜サンデー』とラジオへの熱い思いを笑顔でたっぷり語ってくれた。

爆笑問題との共演は「本当に幸せ」このインタビューを読んだ太田光の反応を予想?

――『日曜サンデー』は日曜の午後1時から4時間の生放送で、太田光さん・田中裕二さんとともに出ずっぱりです。緊張感や疲労感は?

江藤愛全然ありません。本当に4時間がこんなに短いのかと感じられるくらいで、『日曜サンデー』ほど時間が早くすぎる番組はないんです。仕事なのですが、いい意味でリラックスできる場所で、リスナーの皆さんに語りかけるように3人で話しているのが楽しくて、あっという間に4時間が過ぎていく感覚。言い方が難しいですが、日曜日だから自分の中では仕事と思っていない部分もあるかな(笑)。平日は『ひるおび!』を担当して、日曜もラジオで大変だねって言ってくださる方もいますが、『日曜サンデー』に携われていることが私にとっての宝物だと思っています。
――番組を担当したのは入社2年目の2010年から(当時は月1回の担当で、12年10月から第1〜第4日曜を担当)。そのキャリアで爆笑問題と4時間の生放送を担当するのは、プレッシャーだったのでは?

江藤愛それはもう……、最初に話を頂いた時は「ムリムリ!」って(笑)。ラジオを担当したことがなかったし、4時間も何をするのか分からなかったのですが、先輩から「まずは聞かれたことに誠実に答えなさい」と言われて、最初はそれを目標にしていました。でも、いつ声を出していいのか、面白いことがあっても笑っていいのか、徐々に悩むようになったんです。そんな時に太田さんに相談してみたら「愛ちゃんの声も音楽も全部入って初めて、おもちゃ箱のような楽しい音になって、それがリスナーのもとに届くんだよ。だから、愛ちゃんの笑い声は全然邪魔じゃないからいつでも笑っていいんだよ」って言ってくださって。それで当時の私はとても気持ちが楽になりました。それがきっかけでテレビでも自然に話せるようになったので、太田さんに出会っていなかったら今の自分のアナウンサーとしての姿はないんじゃないか、そう思うくらい大きな出来事でした。

――ラジオでの共演も9年目に突入し、3人の息もピッタリです。

江藤愛小学校の頃から『ボキャブラ天国』が大好きだったので、そんな人たちと仕事ができているなんて、本当に幸せですよね。爆笑問題さんは今でもお笑いネタ番組で漫才をやる時はトリですし、そういうカッコいい姿を見るたびに「私はこんなにすごい人たちと番組をやらせてもらっているのに、なんでこんなに図々しく話せるんだろう」って思ったり(笑)。だから、私が『レコ大』や『音楽の日』などの特番に呼ばれた時、太田さんと田中さんが「愛ちゃん、すごいじゃん!」って言ってくださると、私も少し恩返しできた気持ちになるんです。私個人は目立ちたい思いはないのですが、大活躍しているお二人と一緒に仕事ができることがすごく幸せなので、お二人にもそう思っていただけたらいいな、と感じています。

――田中さんからのアドバイスは?

江藤愛意外と言わないタイプなんですけど、ふとした時に行動で見せてくれるんです。この前、番組のオープニングで私が鼻血を出したことがあって、台本で私が担当するところを読めなかった時、田中さんがスッと何も言わずに読んでくださいました。田中さんは学生時代にアナウンサーを目指されていましたから、さすがでしたね(笑)。『サンジャポ』でも、吉田明世アナが体調不良の時にさり気なく助けて「神対応」って話題になりましたが、明世ちゃんには申し訳ないけれど、私はあれがちょっとうらやましかったんです(笑)。でも、鼻血が出た時は太田さんも優しくて、第一声は太田さんが「愛ちゃん鼻血が出ちゃった」って言って、ちゃんと止まったということも太田さんが言ってくださったんです。私は止まったことを報告する必要はないと思ったけど、太田さんがリスナーさんに心配かけないように、さりげなく言ってくださって。これぞ気遣いと心配りができる人だなと感激しました。

――それぞれの優しさを感じるエピソードですね。

江藤愛ただ、このインタビューを太田さんが読んだら、田中さんに「お前は良く見られたい下心でやってるだろ! 本当に必要なのは俺の行動なんだよ!」って怒るところがすぐに想像できました(笑)。そこまでの展開を含めて、最高のコンビですよね。番組でも2人のトークが盛り上がりすぎて予定時間を超えたり、テーマから脱線することがありますが、楽しそうに話すから、私もずっと聞きたくなっちゃう。でも、それは深夜番組の『火曜JUNK 爆笑問題カーボーイ』でもできるので、『日曜サンデー』では、私はどちらかの味方について、3人でやっている番組ならではの形ができればいいなと考えています。

――脱線といえば、太田さんからお昼の番組には際どすぎる下ネタがたまに飛び出すこともありますが…

江藤愛私は全然困りません(笑)。知らない言葉でも「後で調べよう」って思ったり(笑)。下ネタでも、他の番組だと「こういう表現は嫌だな」と思う時もあるのですが、2人が話すと中学生男子の話のように聞こえるから、いやらしさを感じないんです。もちろんリスナーさん全員が楽しんでいるわけではないので、そういう時は「やだ〜」ってさりげなく伝えています。「やめてくださいよ」だとストレートすぎるし、太田さんがしつこい時には「もう、やだ〜」って。意外とちゃんと考えているんですよ(笑)。

――第5日曜日だけ外山惠理アナが担当していますが、その時は聞いている?

江藤愛もちろん! 完全にリスナーとして楽しんでいます。地元の大分に帰っているときもラジコのエリアフリーで聞いていて、メールもしたくなっちゃう。(本連載第3回で外山アナが「もっと担当したい気持ちは、あるといえばある(笑)」と発言していたが…)それは聞いていて感じます。外山さんの出演回の最後で「次は3ヶ月後だね」って言われて「さみしい〜!」っておっしゃっているのを聞くと、毎週出たいくらい爆笑問題さんと話すのが楽しいんだなっていうのが伝わります。

――実はテレビでは爆笑問題さんと一度も共演したことがないんですよね。

江藤愛そうなんです。特番でも一度もなくて、いつかはと思う半面、テレビとラジオでは距離感が違うから、どうしていいかわからなくなりそうで…。もし実現するなら、日大芸術学部のある江古田や、事務所のタイタンがある阿佐ヶ谷など、お二人に縁のあるところを3人で街ブラしてみたい! 逆に私がよく行く街に行ってみたり、その裏話をラジオで話すのも面白そうだし、こういう形ならテレビで共演する意味も出てきますね。制作部にお願いして企画書を作ってもらいます(笑)。

テレビもラジオも「自然な自分」 尊敬する安住アナからの助言

――テレビでは帯の情報番組『ひるおび!』を担当しており、硬派なニュースを伝えることも多いです。

江藤愛自分としては使い分けている感覚はなくて、どっちも自然な自分なんです。ただ、求められている役割が違っていて、『ひるおび!』では情報を整理して進行するのがメインなので。でも、それでいつもの自分を抑えているかと言うと、そんなことはないんです。私なりにできる進行をしていて、そこで『日曜サンデー』での私を出すのは違うし、逆も然りですよね。どちらも自然な自分ですが、番組もメディアも異なるからそこにギャップが生じるのは当然ですし、テレビで出せない部分をラジオで聞いてもらって、親近感を持っていただけたら、私としてもありがたいです。『ひるおび!』は自分のパーソナルを出す番組ではないので、ラジオを聞いてくださる方は、テレビの私を見て「俺たちが知ってる本当の愛ちゃんは、こんなもんじゃないよ!」って思ってくださるかもしれないですね(笑)。
――ラジオは日曜の番組なので、『安住紳一郎の日曜天国』(にち10)を担当するTBSの大エース・安住紳一郎アナとの並びになります。

江藤愛初めてラジオを買ったのがTBSを受けることを考えていた就職活動時期で、最初に聞いたのが母の薦めで『にち10』だったのですが、「私がテレビで見ている安住さんとは、ぜんぜん違う!」って驚きました(笑)。私の地元の大分では『にち10』は聞けないのですが、ラジコのエリアフリーもない頃なのに母が「安住さんのラジオはスゴいらしい」という情報を仕入れて教えてくれて(笑)、そこから一気にラジオの魅力にハマりましたね。

――そんな安住さんから、ラジオについて何かアドバイスなどは?

江藤愛私が「ラジオってすごく楽しいですよね」って話した時に、「確かにラジオは楽しいけれど、ラジオとテレビの両方の第一線で活躍できるのが本物のアナウンサーなので、そうなってくださいね」と言われました。安住さんはテレビの視聴率もラジオ聴取率もすごく良くて、実際に両方で活躍されています。そのための努力も想像以上でしょうし、テレビでご一緒させていただく時には“アナウンサーとしてどうあるべきか”という姿勢を学ばせていただいています。私の母が安住さんの大ファンで、「女版・安住さんになりなさい」といつも言われていて(笑)。その意味が分からなくて「安住さんは私たちにとって神様みたいな人なんだから」って言っていたのですが、最近は本当に“女版・安住アナ”になりたいと思うようになりました。

――テレビとラジオの両方での活躍を拝見し、江藤さんはまさにその系譜にあると思います。

江藤愛とんでもないです! でも、お世辞だとしてもうれしいので母に伝えます(笑)。安住さんの仕事への向き合い方、人との接し方を見て、厳しい部分もあるけど一流のTBSアナウンサーとして本当に尊敬しています。あまり身内を褒めるのも気が引けるのですが(笑)、私もそんな安住さんのようなアナウンサーになりたいですね。そのためには、ラジオでもっと毒を出していかなきゃ。毒がない訳ではないので(笑)、それを出せるくらい自分に自信を持てるようにがんばります!
◆江藤愛(えとう・あい)1985年生まれ。青山学院大学卒業後の2009年にTBS入社。お昼の情報番組『ひるおび!』進行のほか、多数の特番などを担当。ラジオは『爆笑問題の日曜サンデー』『渡邊剛の週末ハートカルテ』に出演。

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