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葵わかな「『わろてんか』の学びを捨てました、20代は正統派の殻を破りたい」

 NHK朝連続テレビ小説『わろてんか』でヒロインを務めた葵わかなの“朝ドラ後初”の主演映画『青夏 きみに恋した30日』が8月1日に公開される。“正統派”の朝ドラヒロインといわれた葵が、打って変ってキラキラ青春もの映画で“運命の出会い”に憧れる16歳の女子高生を演じる。映画の撮影秘話のほか、激動の10代を振り返りや「殻をやぶっていきたい」と語る、女優業との向き合い方の仕事のスタンスの変化などについても語ってくれた。

初の青春映画ヒロインで、高校生の“輝き”の表現に挑戦

――W主演の一人としての意気込みは?
葵わかな最初にお話をいただいた時の率直な気持ちは「え! 私が!?」でした。学園ドラマにあまり縁がなくて。出演してもクラスの一人という感じで、恋愛や成長がメインになる話はこれまでなかったので。青春ストーリーの代表格みたいな少女漫画原作のキラキラ恋愛映画にまさか自分がキャスティングされると思っていなくて、びっくりしました。

――今はキラキラ青春映画ブームですよね。“びっくり”というのは…。
葵わかな最初は戸惑いが大きかったんですが、これまでオーディションを受けても受からなかったような役柄で、チャンスは巡ってくるんだなと思いました。キラキラした“輝き”を私は出せないタイプかと思ったのですが、今までにない役柄だし、挑戦できることが嬉しくて…頑張りました!

――初の恋愛映画のヒロインですね。今回演じた、自分の気持ちに正直な恋愛観の理緒は葵さんから見てどうでしたか。
葵わかな共感できる部分はありました。16歳の頃の自分を振り返って、女性から引っ張っていくような恋愛というのは友達と恋バナをしていても、珍しくないことですし。理緒が運命に憧れるのも分かるし、自分にも高校生になって「新しい出会いがあるかな」と期待していたことがありました。私自身も運命をわりと信じるタイプで、よく「出会った時に結婚するって分かった」みたいな人いるじゃないですか? そういうのが、いつか自分にも巡ってくるんじゃないかなって思っていました(笑)。

葵わかなの高校時代は…「あだ名が“わかばぁ”でした」

――主人公の理緒は“運命の出会い”を信じて、時には積極的に突き進む今ドキの女子高生でした。葵さんの高校時代はどんな子だったのでしょうか。
葵わかな “派手”なタイプではなくて…仲の良い子と隅でおしゃべりしてるような感じでした。率先して「イェイ!」みたいなタイプではなく、「オー!」って乗っかる側(笑)。

――高校時代も芸能のお仕事はされていましたよね。学園のアイドルだったんじゃないですか?
葵わかな 女子高で、可愛い子が沢山いたので、自分をかわいいとは思ったことないです。性格がおばあちゃんみたいだったから、あだ名が「わかばぁ」だったし(笑)。寝癖つけたまま学校に行ったり、のほほんと肩肘張らずに素の自分でいました。

――映画のような“運命的”な出来事は最近、ありましたか?
葵わかな この間4年ぶりにお仕事で福岡に行ったんですが、家具店でちょうど欲しいと思ってたスツールを見つけたんです。「これ2個欲しい!」と思ったら、ちょうどラスト2個で即買いしました。その後、食事に行って、スタッフさん含め5人でゴマサバ定食3つ、イカづくし御膳2つ頼んだら、どちらも注文分でちょうど売り切れ。「ぴったりじゃん!」が2回連続続いたので“運命の福岡!”って思いました(笑)。

――激シブの“わかばぁ”チョイスですね(笑)。小さいことでも“運命”を感じられるのは、楽しく生きる秘訣かもしれませんね。
葵わかな そうかもしれません。信号が全部青なだけで運命って感じたりします(笑)

“朝ドラ女優”と言われて…『わろてんか』を経て“出来ること”を全部捨てた

――オリコンの『2018年度ネクストブレイクランキング』の女優部門で1位を獲得されました。『わろてんか』で“朝ドラ女優”と言われて注目されるプレッシャーはありましたか?
葵わかな そんなに…“朝ドラ女優”って言われていないですよね?(笑)。 今はプレッシャーはあまりないですね。

――あまり気にしないタイプなのでしょうか。
葵わかな むしろ、『わろてんか』が終わる直前の方が「次は何やるの?」と周りの方にも言っていただいて、自分自身も見えない部分があってドキドキしていました。実際は、お仕事が決まってバタバタと動いていて、この作品も4月クールのドラマ『ブラックペアン』(TBS系)と並行して撮影して目の前のことをやるので精いっぱいでした。

――『わろてんか』で50代まで演じて「10代の女優とは思えない」と評されました。して今作では16歳の女子高生…役柄のふり幅がすごいですね。キラキラした恋を演じるために内面からの”青さ”をどう出したんでしょうか?
葵わかな原作を読んで、「『青夏』魅力を分析して、作品自体が持ってる、真っすぐさ、無垢で汚れてない感じが作品の大きな魅力だと思いました。純粋無垢な理緒がまさにその象徴で、どうしたらその“青さ”を表現できるんだろうと16歳の頃の自分に思いを馳せました。16歳から数年経って、知識や経験、いろいろな物が自分に付いていて、そういう物を取り除いていかないと理緒は見えないのかな…って。『わろてんか』を経て、この数年で“できるようになったこと”1回全部捨て、何もできなかった頃の自分に戻るのが難しかったです。でも、そういうことも怖がらずにやっていかなきゃと思いました。

刺激的な役にも挑戦して“正統派”の殻を破りたい

――10代最後に朝ドラ主演という大役を経験して、子役と言われる時代からこの世界に身をおいて、激動の10代だったと想像しますが、振り返ってみてどうでしたか?
葵わかな あっという間でしたけれど、今思えば悩みも多かった気がしますね。子どもの頃から大人の方と共演が多かったので、ほかの同世代のよりはいろいろ知識があるわけじゃないですか、その分、卑屈な見方をしていたような気がします。ちょっと大人びちゃっていたのかな? 子どもらしい子どもではなかったかもしれないですね。暗かったなと思います。

――壁に当たったり、悩んだときに背中を押してくれた存在は。
葵わかな 家族ですね。自分が芸能活動をしていても、家では普通に扱ってくれる家族がありがたかったです。悩んでいると、家族から「ウザい!」って言われていました(笑)。なので、悩みごとはすぐ解決策を考えて行動するようになりましたね。

――自分を変えてくれた運命的な出会いは?
葵わかな映画『陽だまりの彼女』に出た時に三木孝浩監督に出会えたことですね。初めての映画で14歳の自分には大きな役で、三木監督から教えていただいたことでお芝居が始まりでした。リハーサルが1ヶ月ぐらいあって、松本潤さん、上野樹里さんと三木監督とも練習をさせていただきました。すごく新鮮で、“役を作る”ということがどういうことなのか、この時に分かった気がします。

 やっている時は苦しくて、分からないことだらけで本当に「潜っていく」っていう表現が正しいぐらいに、うまく息ができなくてつらかったんです。でも、潜ったから見えてきたものも大きかった。それから…やっぱり『わろてんか』は絶対的なターニングポイントだったと思います。

――そんな『わろてんか』から『青夏』まで経て、女優としての今後のスタンスは変化しましたか?
葵わかな 難しいですね。今は、今のことにしか興味がないので、明確にこういう人になりたいとかはないんですが、「挑戦をするか、しないか」の選択のときにずっと「挑戦する」を選び続けたいなって思うんです。大人になった時に振り返って「ちょっと違ったな」と思わないように、“勇気が必要”な方に進んでいきたいです。

――20代になって、第2ステージとして真価を問われると思います。今の目標を聞かせてください。
葵わかな 目標は…運転免許を取りたい!(笑)。 お仕事の方では、“刺激的な役”に挑戦したいです。これまでは、いじめられたり受け身の役や正統派の役が多かったので、今度は攻めるほうにいってみたい。ちょっと前の自分だったら、心が耐えられなくて、攻撃的な役柄はできないと思っていました。でも、いろいろなことを経験させていただいたので、20代は殻を破りたいですね。

(撮影/Tsubasa Tsutsui)

■映画『青夏 きみに恋した30日』

8月1日(水)公開

夏休みの間、大自然に囲まれた祖母の家で過ごすことになった都会育ちの女子高生・理緒(葵わかな)は、そこで地元の高校生・吟蔵(佐野勇斗)と出会う。少しぶっきらぼうだけど実は優しい吟蔵に、理緒は一瞬で恋に落ちる。吟蔵も、まっすぐな理緒に次第に惹かれていくが、夏休みが終われば離ればなれになってしまう──。わかっていても止められない想い。吟蔵の幼なじみで婚約者の万里香(古畑星夏)や、理緒に想いを寄せる祐真(岐洲匠)たちも巻き込み、恋はどんどん加速していく。

監督:監督:古澤健
原作:南波あつこ『青夏 Ao-Natsu』(講談社「別冊フレンド」刊)
出演:葵わかな、佐野勇斗、古畑星夏、岐洲匠、久間田琳加、水石亜飛夢、秋田汐梨、志村玲於、霧島れいか、南出凌嘉、白川和子/橋本じゅん

(C)2018映画「青夏」製作委員会 (C)南波あつこ/講談社

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