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新田真剣佑「邦画もハリウッドも“求められる存在”になりたい」

 『2018年 ネクストブレイクランキング〜俳優編〜』で断トツの1位に輝いた新田真剣佑が、6月1日公開の映画『OVER DRIVE』で天才ドライバー役に挑む。今作のテーマにもなっているラリーは公道を全開走行で駆け抜ける過酷な自動車競技で、その特殊な役作りについて新田は、「役者は極力努力を見せるものではない」とストイックな姿勢をサラリと語った。今年はハリウッド映画にも進出し、海外での活躍も期待されている新田は、どの作品においても心がけている“あるシンプルな信条”があるという。演じることを通じ“冒険”を続ける新田真剣佑の今の声を届ける。

努力を語るのではなく、結果を見せるのが俳優の仕事

――今回は自動車競技のラリーをテーマにしたこれまでにない、ある意味“特殊”な作品でした。オファーがあった際はどういう思いでしたか?
新田真剣佑苦労や不安は全く感じませんでした(即答)。『OVER DRIVE』は初めて台本を読んだとき、「この映画のためなら何でもしたい」と思わせてくれた作品でした。心の底からそんなふうに思わせてくれる作品っていうのは数少ないですし、そんな素晴らしい映画に出合えたことがすごく幸せだなと感じて。だから、自分が持っている力を120%出しきって作品に参加したいなと思いました。

――ラリードライバーの役作りや勉強は想像がつかないのですが、どのように行われたのでしょうか?
新田真剣佑はじめに、実際のラリーカーに乗せて頂きましたね。最初はGに耐えるのがとにかく大変でした。皆さんの想像している以上に体力を使う競技だと思います。ただ横(助手席)に乗っているだけで体が激しく揺れるし、それに加えて車内はドライバーもナビゲーターもとにかく忙しいんです。外から見ると大迫力で荒い運転をしているようにも思えますが、ドライバーはすごく繊細な動きで車を操っているんですよ。もちろん、運転に関するテクニックだけでなく、知識としてのラリーの勉強も十分にして撮影に挑みました。

――たしかにレースシーンの迫力には圧倒されました。劇中では彫刻のような肉体美も披露されていましたね。役作りもストイックな姿勢を感じます。
新田真剣佑あぁ…あれは、寝て起きたらあんな風になっていました(笑)。

――本当ですか(笑)!?
新田真剣佑役者というのは極力努力を見せなくていいと思っているので、その役を演じるうえでジムに行ったり食事制限とかをしていたとしても、正直自分の口からはあまり言いたくなくて。努力を語るよりも、結果を見せることが大事だと感じています。

――そんなストイックな姿勢で臨んだ今作で、俳優としての糧になったことを教えてください。
新田真剣佑今回のロケ地は北九州だったんですが、地方に1カ月以上泊まり込みで撮影させて頂くことってまずあまりないですし、そういうのがあったからこそこんな素晴らしい映画ができたと思っています。撮影過程で1度も家に帰らない、ずっとその役でいられるというのは貴重な経験で、勉強になりました。撮影期間中は…ずっと直純のままでいられたのはありがたかったですね。

ずっと、“ライバル”を求めていた 北村匠海は親友であり好敵手

――直純は新田さん同様、プロ意識の塊のような男でしたが、ライバル役のエリートドライバー・新海もまた同様でした。北村匠海さんとはプライベートでもライバル視されていたり…?
新田真剣佑 ライバル視しているというのはこれまで全くいなかったんです。そういう人が出てきてほしいと思っていたところに北村匠海が現れたんです。僕は匠海の芝居が大好きで役者としても尊敬しているし、友達としても本当に最高の男です。そんな人と一緒にこうしてお仕事ができるのは嬉しいことですし、今作でも彼がいることで安心感もありました。「匠海なら絶対にいい芝居をしてくれる。いいライバルになってくれる」と。
――北村さんは『ネクストブレイクランキング〜俳優編〜』で新田さんに続き2位でした。よき友でありライバル、リスペクトし合っている2人が映画の中では真逆のタイプでしたね。勝気な直純のキャラクターは、新田さんのはまり役だと感じました。
新田真剣佑最初に匠海と共演したときは、今作の役どころと真逆の設定だったんです。僕が大人びているタイプで、匠海がパワフルではっちゃけたタイプ。そして今回こうして映画で共演できて、そのときと役どころが逆転して演じられているのはすごく面白いことだなって。

――Instagramでのお2人のやりとりも非常に微笑ましいです(笑)。
新田真剣佑そうですね。僕のInstagramは匠海率がすごく高いです。それぐらい匠海のことは本当に大好きで。

――となると撮影現場も楽しかったのでは??
新田真剣佑はい、現場はすごく楽しかったです。エピソードもいろいろありますよ。その中でもとくに思い出に残っているのが、東出の兄貴と匠海と森川さんと4人で観覧車に乗ったことですね。これは僕が乗りたくて言い出したんですけれど、みんなからは「え、乗るの?」という反応で(笑)。どうしても乗りたかったんで「兄貴乗るよ」って強引に誘ったんですが…東出の兄貴が大きすぎて、観覧車のゴンドラのサイズ感がおかしなことになっていました(笑)。

日本、ハリウッド問わず“求められる存在”になりたい

――日本で本格的に俳優活動を始めて約3年。アカデミー賞新人俳優賞なども受賞され、人との出会いにも恵まれたと思います。これまで新田さんが影響を受けた方とは?
新田真剣佑國村隼さん、寺尾聰さん、吉田鋼太郎さんからは本当に影響を受けました。今作でも吉田鋼太郎さんとは撮影を通して楽しい時間を過ごさせてもらい、撮影が終わった後も舞台を観に行かせて頂いて。鋼太郎さんと小栗旬さん、藤原竜也さんとお食事をした際は、本当に濃密な時間を過ごすことができましたし、人生と役者について皆さんと深く語り合ったのも素敵な思い出です。そして、『ちはやふる』で共演した國村隼さん、『仰げば尊し』でご一緒した寺尾聰さんのお2人にはずっと大切にしている言葉を頂いて。こんな尊敬できる方達に出会えたのはすごくラッキーなことだと思いますし、本当にありがたいなって。

――LA出身ということで本作では流暢な英語での芝居も披露し、今年はハリウッド作出演も話題ですが、俳優としての海外進出は今後もありますでしょうか?
新田真剣佑僕は自分が必要とされている現場で“求められているもの”を出せればいいと思っていて。どの作品においても変わりません。それがハリウッド作だったり、今回の『OVER DRIVE』だったりするわけです。だから“国”や“作品”に関係なく120%の力を出す為に自分をもっと磨いていきたい。邦画であっても、ハリウッドの作品であっても、です。なので、俳優として「いつまでに成し遂げたい」という目標はありません。今はただ目の前にある仕事をきちんとやり遂げて、“求められる存在”になりたい。シンプルですがそれだけです。

――そんな新田さんの役者への原動力とは?
新田真剣佑何ですかね…。僕も最近そのことについて考えているんですが、答えは出てないです。ただ、役者というお仕事が好きで、演じることも好きなので、常に楽しいですよ。やったことのない芝居をするときは常に刺激を頂いていますし、自分が得意な部分、不得意な部分を知れる仕事ですから、毎回が“冒険”ですね。

――俳優の仕事はある意味“自分探しの旅”でもあり、それも含めて仕事の魅力だと。
新田真剣佑この仕事をしているとたまに自分が何なのかわからなくなる時があるんです。だからこそ、いろんな役と出会って「本当の自分はこうなんじゃないのか」と自問自答を続ける。自分のことをもっとよく知るチャンスでもあることが、僕にとってはすごく大きい。だからもっともっと素敵な役との出会いがあればいいなと思います。

――“自分”を知った分、俳優としても成長できるということですね。
新田真剣佑そうですね、まぁ自分の実力次第ですが(笑)。でも、役者としての僕はたとえるなら“白紙の紙”。そこに演じる役の詳細を書いて、体現することが役者としての使命。そして、先ほども話したようにそれが日本の作品でもハリウッドの作品でも、相手から求められるのであればそこで120%の力を出す。上手いとか下手とか表面的な評価を気にするのではなく、人の心に伝わる芝居ができる役者でありたいと思っています。

(文/Kanako Kondo 写真/Tsubasa Tsutsui)
<ヘアメイク/粕谷ゆーすけ(ADDICT_CASE) スタイリスト/櫻井賢之>

新田真剣佑 インタビュームービー

6月1日(金)公開

世界最高峰のラリー競技・WRC(世界ラリー選手権)へのステップアップを目指すスピカレーシング所属の檜山直純(新田真剣佑)は、真面目でチームメンバーからの信頼も厚い兄・檜山篤洋(東出昌大)の助言を無視し、リスクを顧みない勝気なレースを展開する。ラウンド毎に衝突を繰り返す2人だが、彼らには秘められた過去があった。

監督:羽住英一郎
出演:東出昌大、新田真剣佑、森川葵、北村匠海、町田啓太、要潤/吉田鋼太郎
主題歌:WANIMA『Drive』(unBORDE/Warner Music Japan)(C)2018「OVER DRIVE」製作委員会
オフィシャルサイト:http://overdrive-movie.jp/

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