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木梨憲武、16年ぶり映画主演とこれからの活動を語る「3年後に映画撮りたい」

 “ジジイVS高校生”という強烈なキャッチコピーでも話題を呼んでいる映画『いぬやしき』で、とんねるず・木梨憲武が16年ぶりに映画主演を果たす。本職であるコメディアンの印象が強い木梨だが、劇中では笑いを封印してワイヤーアクションや格闘シーンにも挑戦。久々に俳優として本領を発揮している姿を、スクリーンで見せつける。お笑い、俳優、アート、歌手活動…いつの時代も挑戦を続ける木梨に、本作にかける意気込みと今後の活動について尋ねた。

“ジジイの日本代表選抜(!?)”に選ばれてワクワクしちゃいました

――16年ぶりに映画に主演されるということですがプレッシャーは感じていますか?
木梨憲武 全くないですね。今回の“ジジイ選抜”に選んで頂いちゃって「あ、木梨でいいんですか?」って気持ちです。僕としてはワールドカップの日本代表選手に選ばれた時の心境と変わらないぐらいのレベルだと思っています。「これからジジイ選抜として戦いに行くんだ…!」ってワクワクしちゃいました。原作の『いぬやしき』ファンの皆さんから「いやいや、犬屋敷は木梨じゃないだろ」って強く言われるとあまりに胃が痛くなっちゃいそうだから、怒られない程度に演じられたらいいなと思っていました。

――今回は「GANTZ」の奥浩哉さん原作のコミックの実写化です。原作を読まれた感想は?
木梨憲武 まず奥先生の絵のタッチと作品のスケールのデカさに驚きました。とても非現実的な話なのに、読み始めるとすごくスムーズに漫画の世界に入り込めるんですね。そんな原作の“引きの強さ”を肌で感じ、『いぬやしき』のファンが多いと言われている理由がよくわかりました。

――原作を拝見すると、今回演じる犬屋敷壱郎は、木梨さんご自身の年齢よりだいぶ“ジジイ”に見えるのですが…正直、複雑ではなかったですか?
木梨憲武 いや〜僕は完全に犬屋敷世代ですから。原作の設定とは2つしか年が変わらないんですよ。今日はこんな白シャツを着て帽子も被っているから、若く見えるんじゃないんですか? 本当、そこら辺によくいるジジイなんで(笑)。
――監督からはなぜ犬屋敷役に抜てきされたのかをお聞きしていますか?
木梨憲武 監督も原作の奥先生も以前、僕が『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系・2015年)に出させて頂いた時の作品を見ていてくれたらしくて。その時演じたのが今までの記憶をお金に換えて暮らすっていうジジイの役だったんです。だから今回の犬屋敷役は『世にも奇妙な物語』の時のジジイと近いイメージで演じさせてもらいました。

――ドラマでもコントでも木梨さんはその役になりきる、“憑依型の役者”というイメージが強いです
木梨憲武 そうですね。コントだとスカートも履いて学園もののノリ子からノリユキ、仮面ノリダー…本当、年齢層や性別も関係なくジジイからババアまで幅広くコスプレを楽しんできましたから。コントではあらゆるコスプレに自分が思いついたアドリブを加えてやらしてもらっていましたけど、今作ではジジイ1本であまりはしゃがずに…ね。「もしこれがコントだったらこういうことをするな〜」って考えながら、何もしないっていうのが楽しかったです(笑)。

CG撮影の裏では…ひたすら“まかない屋のジジイ”に!?

――久しぶりの映画の撮影現場はいかがでしたか?共演の佐藤健さんとはどんなやりとりを?
木梨憲武 (ポスターの佐藤健を指さして)彼は今の若手俳優世代のエースですから。そのエースと監督が話し合う様子を横で見ていたんですが、それがすごくかっこよくて。自分もそういうかっこいい感じを真似てみようと真似しようとしたんですが、テーマが無かったです。彼(佐藤健)は運動神経も良いし、ヴィジュアルも良いし、体もちゃんと作っている。ものを1つの形に完成させていく全ての過程が見事でしたね。

――木梨さんなら“カッコいい感じ”も出せそうな気もしますが…
木梨憲武 それが本当に見当たらなかったんですよ(笑)。だから撮影の合間は“まかない”を充実させるのが僕の役目。コロッケ、ケーキ、冷やしトマト、カレー、豚汁、最後は鉄板焼き。プロデューサーと一緒になってそこだけに全神経を集中させていました(笑)。

――それは全部木梨さんが自ら料理するんですか?
木梨憲武 もちろん。CGを使った撮影の日はとにかく待ち時間が多いので、ひたすらまかないを作るただのジジイでした。あと、焼き鳥もやってみようって、ちゃんと火を起こすところからやりました。でも1番火の状態を見なきゃいけない時に限って撮影に呼ばれるもんだからすごい怒っちゃって。「待て!!」って言っちゃいました。

――そんな木梨さんお手製のまかないを味見された共演者の方の反応は?
木梨憲武 他にも磯辺焼き、きなこ、あずきの餅も作ったんですよ。餅なんて腹持ち良いし2個食べりゃ十分かななんて思っていたけど、みんなきなこはよく食べてくれて。「やっぱきなこは味違う。別腹〜」って。料理人冥利につきますね(笑)。

――CG撮影の裏にそんなことが…(笑)。で、実際のCG用撮影の現場ではいかがでしたか?
木梨憲武 監督がiPadで動いている絵コンテを見せてくれて、それで一通りの撮影の流れを説明されるんです。で、あとはもう自由演技って感じですね。今回僕は“CG男優”。撮影後半は、「用意!」って声が掛かれば、「了解!」ってすぐに演技に取り掛かれるようになってました。

――完成図がわからないままの演技で、想像力が必要になるわけですね?
木梨憲武 そうですね。完成されたイメージって監督の頭の中にだけにしかない、現場ではそれは想像するしかない。CGの撮影って正解のないものに立ち向かう、感じ出してやってみる!が大事だと思います。

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