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“月9ブランド”必要? 識者が忖度なしで語るフジテレビの今後

19日に最終回を迎える『海月姫』

19日に最終回を迎える『海月姫』

4月改編、結果が出るまでは「変わる、フジ」ではなく「耐えろ、フジ」!?

――先日、フジテレビが春の改編が発表され、そのキャッチコピーが皆さんのおっしゃることと似ていました。「変わる、フジ 変える、テレビ」。今回のフジの改編を見て、“変えられそう”ですか?
田幸 バラエティに関しては厳しい面があります(新番組は、水曜20時枠『林修のニッポンドリル』、水曜22時枠『梅沢富美男のズバッと聞きます!』、木曜21時枠『直撃!シンソウ坂上』、土曜20時枠『世界!極タウンに住んでみる(MC:東野幸治)』、月曜23時枠『石橋貴明のたいむとんねる』、日曜12時枠『なりゆき街道旅』)。「あれ、新しいことするんじゃなかったの?」って言いたくなる。
木村 確かに厳しいですね…。「何を変えるか」を早めに明確に提示してくれないと、視聴者には分かってもらえないですよ。
田幸 昔からフジテレビは「キャッチコピーありき」のイメージがあって、カッコいいキャッチコピーをドンと出されると、構えてしまう人もいるんじゃないかと思うんですが。これでは改編の中身と比べて「変わった」と感じられるかどうか。
木村 強いて言うなら、他局がやっているテイストを、フジテレビがどう変えて料理してくれるか。期待するならそこですかね。
吉田 あと最近とくに思うんですけど、フジテレビって番組を変えても1クールとかで終わらせちゃうこと多くないですか? 
田幸 多いですね。
吉田 『バイキング』だってそうだったけど、一年二年頑張れば、もっとなにか変わってくるんじゃないかなぁ。

――確かに、往年の名バラエティ『オレたちひょうきん族』もそうでしたよね。最初はまったく人気がなかった。そこからの看板番組。
田幸 そうそう、だから同じようにもっと辛抱すればいいんですよ。
吉田 年単位ぐらいで腰を据えて頑張って欲しいですね。スタッフさんだって「よしやるぞ」って初めて三ヶ月ぐらいで終わっちゃうと、そのルサンチマンが溜まっていっちゃうんじゃないですか? 士気にも関わるし、もっと番組を定着させてほしい。
木村 例えば日テレは、タイトルはそのままで内容を変えていったりしています。その結果「タイトルに偽りあり」みたいなことになってるけど(笑)、少なくとも数字につながっている。フジも「変わる、フジ」とかカッコいいこと言っていますが、まぁ新番組も数年は見ていった方がいいですよね。コロコロ変えていっても仕方がない。
吉田 「変わる、フジ」ではなく「耐えろ、フジ」ってことですかね(笑)。

<聞き手・文/衣輪晋一(メディア研究家)>
【プロフィール】
木村隆志氏 ■コラムニスト、テレビ・ドラマ・芸能解説者
月9の最高傑作『すてきな片想い』…『逃げ恥』と同じくらいの恋愛スピード。恋愛の心の動きをしっかりと追っている。
忘れられない月9『あなただけ見えない』…それやっていいの? 月9でこれやるの? と、何でもありのジェットコースタードラマ。今ならSNSで盛り上がりそう!?
田幸和歌子氏 ■ライター
月9の最高傑作『ひとつ屋根の下』…恥ずかしいくらい熱い家族愛。月9のひとつの使命?「役者のピークを切り取っている」。今でもウケるのでは?
影の名作だと思う月9『リップスティック』…少年鑑別所の友情と、名前を知らない“先生”との恋愛ストーリー。野島伸司脚本で『高校教師』よりも完成度が高い!
吉田潮氏 ■ライター、イラストレーター
月9の最高傑作『デート〜恋とはどんなものかしら〜』…“月9”らしくない作品。でも、平坦な気持ちで見れば杏と長谷川博己の不器用な恋愛がおもしろかった。
忘れられない月9『全開ガール』…新垣結衣で思い出すのがこの作品の赤いジャージ。ガッキーを早くに見出していたのはフジテレビかも…?
衣輪晋一氏 ■メディア研究家
月9の最高傑作『のだめカンタービレ』…純粋に楽しんだ作品。90年代の“月9”のノリが苦手だった人も“月9”と思わずに見ていたのでは?
影の名作だと思う月9『二千年の恋』…今や売れっ子の脚本家、出演者が集結。当時からよくやったな、と思うようなテーマ性。

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