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愛され続ける“社交ダンス”企画 強度誇るコンテンツ力のワケとは?

  • 社交ダンス世界大会に出場し、第7位になったキンタロー。 (C)ORICON NewS inc.

    社交ダンス世界大会に出場し、第7位になったキンタロー。 (C)ORICON NewS inc.

 『金曜日のスマイルたちへ』(TBS系)の人気企画「社交ダンス部」に参加していたお笑いタレントのキンタロー。が、社交ダンス世界大会に出場し、第7位になったことが大きな話題となっている。同番組の2時間特番や番宣出演を観て、(この光景、どこかで見たことがあるな…)というノスタルジックな想いに浸る人も多いはず。それもそのはず、“バラエティ番組における社交ダンス”は既に20年もの間、人気コンテンテンツとして視聴者に愛され続けているので。芸能人と社交ダンス、そしてバラエティ番組との“蜜月関係”の理由とは?

始まりは20年前…芸能人社交ダンス部を生んだ『ウリナリ!!』

 “バラエティ番組と社交ダンス”は、『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』(日本テレビ系/1997年)内の企画「芸能人社交ダンス部」としてスタートしたことから歴史は始まる。『芸能人社交ダンス部 炎の全日本団体戦スペシャル』と銘打った2時間特番は、28.2%という番組最高視聴率を記録。同番組は2002年に終了するものの、その後も2007年まで『ウリナリ芸能人社交ダンス部』として、年に1〜2回のペースで単独特番が放送されたのである。

 ウッチャンナンチャンをはじめ、アンガールズ、板東英二、杉本彩や小池栄子、小倉優子などなど、意外な人物が“未知の世界”に挑戦し、ときには挫折し、ときには喜びあり…という成長ストーリーに視聴者が共感し、高視聴率の獲得に至るという“お化けコンテンツ”へと変貌を遂げた。

今に続く“ドキュメントバラエティ”の先駆け! 涙あり・感動ありの成長ストーリー

 この「芸能人社交ダンス部」にしても、その原点となったのは1996年に公開された映画『Shall we ダンス?』の大ヒットにある。2006年〜2007年には、南原清隆司会の『シャル・ウィ・ダンス?』(同)という、そのものズバリのレギュラー番組が放送されていたことさえあるのだ。笑いだけではなく、涙あり・感動ありの成長ストーリーは、現在その手法がスタンダードとして定着した“ドキュメントバラエティ”の先駆けとなった番組の1つとして、テレビ史に名を刻んでいる。

 最近も『ヒルナンデス!』(同)の企画で、いとうあさこがトレンディエンジェル・斎藤司と社交ダンスに挑戦していたように、もはや“定番”の企画となった。さらにキンタロー。に関しては、モノマネ芸で一躍人気お笑いタレントとなったが、最近ではあまりテレビで見かけなくなったという一面もあり、キレキレのダンスで華麗に復活!といった“タレント再生物語”的な要素が付け加わった。つまり、挑戦する側の気合い×応援する視聴者の気持ちという“相乗効果”をも生み出すこととなったわけである。

すぐに始められる“手軽さ”と、ギャップを生み出す“華やかさ”がマッチ

 それにしても、なぜ“社交ダンス”なのだろうか? 視聴者と社交ダンスとの間にある“絶妙な距離感”に理由がありそうだ。映画『Shall we ダンス?』は、縁もゆかりもない中年男性が社交ダンスの世界に足を踏み入れることで、新しい自分を発見する…という話だったが、まさに(ちょっと勇気を出せば自分も華麗な社交ダンスの世界に入れる)という距離感が支持を集めた。例えば、これがシンクロナイズドスイミングやミュージカルとなると一般人にはハードルが高すぎるし、将棋や囲碁では地味すぎる。社交ダンスであれば、広いスペース・特別な道具が無くとも身ひとつでできる気軽さもあり、“通勤電車の窓から毎日見えるダンス教室”ぐらいの“近からず遠からず”の程よい距離感なのである。

 バラエティの企画としても、お笑い芸人やタレントが異世界の競技に挑戦するというストーリー性や、派手な衣装とメイクの演出によって普段の女性芸人のイメージとはかけ離れた“ギャップ”を見せられることも魅力である。そして何より、笑顔を振りまいて踊りまくる芸能人の姿は、視聴者の気分も盛り上がり、十分に楽しませてくれるのだ。

 社交ダンスへの挑戦企画は、笑いあり、涙あり、感動あり、そして華やかさもあれば視聴者からの共感も得られるという “鉄板コンテンツ”といえる。バラエティの企画は年々変化していくであろうが、“社交ダンス×芸能人×バラエティ番組”との相思相愛関係は、今後も長く続いていくことだろう。

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