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(更新: ORICON NEWS

「働き方革命」 経営者と政治家、テクノロジーとルール、異色の経歴をもつ2人が目指す未来とは?

 クラウド会計ソフトを通じて、日本のスモールビジネスをより自由にしていこうとするfreee株式会社の佐々木社長と、ブログを通じて都政の闇を暴き続ける、音喜多議員。各界から注目を浴びる二人が、初めての顔合わせ。一人一人が自分の働き方を改めて考える時代、自由に生きるヒントについて話し合ってもらった。
佐々木大輔学生時代にデータサイエンスに興味をもって、データ分析の仕事をしたいと考えました。調査会社でインターンをしていて、泊りがけで毎日働くハードな生活でしたが、当時はすごく面白かった。博報堂に新卒で入社しマーケティングを担当した後、バイアウト事業をやっている企業で一年半ほど働いていたのですが、「投資するよりも、投資される方が面白いんじゃないか」と思うようになり、あるベンチャー企業にCFOとして就任し、財務や資金調達をやっていました。その後、Googleに転職しました。
音喜多駿かなりのジョブホッパーですね!
佐々木大輔そうですね、かなりのジョブホッパーです(笑)。
音喜多駿次はいつホップするんですか?
佐々木大輔すでにfreeeをやっているっていう期間が、最長を更新しているので、ついにここまで来たかと思っています(笑)。Googleにはデータ・サイエンティストとして入ったのですが、「日本のマーケットでビジネスを生み出す」ようなことはできないかという話になり、「中小企業向けのマーケティング」にたどり着きました。

 そこで、「会計ソフト」を、クラウド化、自動化する、といった事が出来るんじゃないかと思ったんです。クラウド化することによって、あらゆるビジネスの財務データっていうのが集まってきます。そのデータを使い、人工知能で優秀なアドバイスができるようになったり、あるいは、同じ会計ソフトを皆さんが使用することによってamazonで簡単にワンクリックでものを買えるみたいに、BtoBの取引ができるようになります。それがすごく面白そうだなと思って、まずはプログラミングの勉強から始めて、freeeを作りはじめました。

 Googleや、その前のベンチャーでインターネット・ビジネスを学んだり、広告代理店やファンドにいた時にマーケティングとファイナンスをで学びました。若い頃何がやりたいとかなかったので、とりあえず興味持ったところから一生懸命やる、っていうただそれだけなんですよね。
音喜多駿僕は大学時代から政治家になろうと考えていたんです。そのきっかけに「女性が活躍できる社会をつくりたい」というのがありました。女性が社会で活躍できていない理由は、やっぱりルールに問題があるんです。ルールを変えたいのであれば、もう政治しかないわけで、自分が「ルールメーカー」になって根本的に変えていくしかないだろうと。そして女性が活躍する社会を作ることができたら、日本社会はすごく良くなるんじゃないかという、壮大な仮説に基づいて行動を開始しました。
佐々木大輔そこが起点だったんですね。
音喜多駿そうなんです。最初はLVMHっていうルイヴィトン・グループに行きました。「なんでヴィトンから政治家に?」って聞かれるんですが、実は「政治家になるという目標があった」から「ヴィトンにはいった」という流れなんです。女性が社長で、9割ぐらいが女性社員で、幹部の7割くらいも「女性の会社」に入ってみて、そこでどういう社会が生まれて、どのような意思決定が行われて、人間はどう行動をするのかっていうのをフィールドワークしたいと考えていました。
佐々木大輔それはすごいですね。
音喜多駿LVMHで7年間ビジネスをやっていました。三人仕えた社長も二人は女性だったし、周りのディレクターも女性ばかりでした。これは余談ですが、女性ばっかりでやはり良いこともあれば、当然悪いこともあって、一概にバラ色の社会が広がっているわけではないっていうのはよく学びました。(一同笑)

 これは僕の主観ですが、男性より女性の方が、前例にとらわれない思考やクリエイティビティが優れているように思います。男性は理性的なので、数字に縛られがちです。「ほら、上手くいかないだろう」とか、「前に失敗しているからダメだ」って言うんです。けれども、女性は「いや、今回の商品とこれは全然違うんです、だからいける!」といって一歩を踏み出す力をもってる。今の日本って、前例と同じことをやっていたらシュリンクしていくだけなので、思い切って切り拓いていく女性の力が必要です。

佐々木大輔出馬において、「よし今だ!」っていうタイミングはあったんですか?
音喜多駿きっかけは、東日本大震災でした。毎週末ボランティアで東北に行っていたんですが、当時の日本の仕組みって結構ガタガタで、行政も全然機能しないし政治にリーダーシップもありませんでした。その状況を目の当たりにして、この国は20年後に本当に存在できるのかと危機意識を持ったのが理由の一つです。

 もう一つは、被災地にいらっしゃったおじいさんやおばあさんと話していて、「あなた何やりたいの?」って話になり「政治家です」と言ったら「私の息子もあなたくらいの年でそういうことを言っていたのよ。でも死んでしまったの」と言われて、それが刺さったんです。「いつか」とか「将来お金ができたら」とか、「十分やってから」とかいうのは、もう全部言い訳だなと。それって亡くなった方に対してすごく失礼で、できる力というか、チャンスも丈夫な体も環境もあるのに挑戦しないのはおかしいんじゃないかと、これはもう最短距離で政治家を目指すしかないと2011年に思いました。そこから直近で2013年の都議会議員選挙があったんです。

 将来は総理大臣になるつもりでやっているんですけど、国会議員にいきなり挑戦するのはちょっと望みが薄い、でも区議会議員からだと少し回り道すぎる。勝てる可能性があって、かつ、一番国会に近いのが、都議会議員だなと思って、そこに全部のリソースを投下していったんです。博打を打って、それがなんとなく成功した、という感じですね。ずっと博打打っているんですけどね(笑)

「副業」は世界を広げるチャンス、「いつ辞めても大丈夫」という環境をつくる

佐々木大輔僕が起業した時に、一緒にやらない?みたいな話をするわけですよ。僕がやり始めたのは33歳の時だったんですけど、そうすると、周りがみんな「子供ができました」とか「結婚しました」となって、「そういうのやりたいんだよね。でも子供が・・・」とか「奥さん専業主婦だから・・・」とかで、さすがにその冒険はできないよね、と。そうやって一本足で立っているって、実はすごくリスクが高いと思います。
音喜多駿僕の周りも政治家志望っていっぱいいたんですよ。「いつかなってやるぜ」みたいな。でも大体30歳くらいになってお金もできて力もついて勝負できるタイミングになると、家族がいるとか、会社でポジション持っちゃったから部下を手放して自分だけ勝手にはできないとか、不自由になっちゃうんですよね。家族観とか会社観みたいな視野で生きちゃっていて、それは必ずしも否定されるものではありませんが、「あの時の輝いてた君はどこに行ったの」、みたいな気持ちになるし、日本の社会全体にとってもロスがすごく多いなと思います。

 僕は外資系に入ったことと元々辞める予定だったことが重なって結構スムーズに辞めちゃったんですけど、意外と日本人ってそういう人がいないから、すごいイレギュラーじゃないですか。よく「大企業辞めるのって怖くなかった?」とか質問されるんですけど、「いや、辞めたいなら辞めるでしょ」って。
(一同笑)

佐々木大輔まさに仰る通りで、別に辞めるの怖かったかと聞かれても、「だって辞めたほうが楽しそうだったから」っていう。
(一同笑)

音喜多駿普通28歳で4社目ってなかなかいないですもんね。
佐々木大輔長い目で見ればリスクのない働き方なんじゃないかと思っています。それは例えば、ある意味「変化に強いですよ」というところを証明していますという風にも言えるかもしれない。この10年でスマートフォンが生まれ、生活のすべてが変わりました。これから10年で人工知能がなんだとかっていうのがあるんだけれど、具体的にこうなるんだってズバッと言える人って多分いないですよね。そんな世の中で、自身の命運を企業に任せるっていうのは、すごく怖い働き方なんじゃないかと思っています。「自分のキャリア」っていうものを作っていくことによって起業するっていう選択肢もとりやすくなるし、いざとなったら「自分自身の力で働ける」というようなことを思える状態でいるっていうのが重要だと思うんですよね。

 ただ「いきなりそれはハードル高いよね」という中で、「副業解禁」の流れがある通り、副業で一度実現していくっていう事ができれば、もっともっとみんながリスクを取りやすい社会になるんじゃないかと思います。

音喜多駿会社に下駄を預けるのは危険ですよね。「いかに社会を自由なものにしていくか」っていうのが僕の政治家としてのテーマでもあるし、僕自身の生き方でもあるんです。女性からしたら、出産したら会社辞めなきゃいけないとか、キャリアが途絶えるとかって「不自由」じゃないですか。そういう不自由を全部無くしていって、働きたい人は働けばいいし、家庭に入りたい人は家族と過ごせばいいし、一社に尽くしたい人は尽くせばいいし、そうじゃない人は別にホッピングすればいいっていう風になればいいなと。

 「働き方改革」って非常に重要で、結局会社に出てこなくてもよければ、子供も抱えながらだって働けるかもしれないし、スキルがあれば転職が可能で、「妊娠しました、辞めます」「子供も大きくなったし、そろそろ復帰します」って言ったらすぐぱっと復帰できるような、社会の流動性みたいなものを高めていきたい。

 そういう部分は政治から変えていかなければいけない。ただ、個人としての意識も変えていかなければいけなくて、会社に言われたことだけ粛々とやっていれば良いというのではなくて、「自分のスキル」だったり実力をつけていくことが大切なんです。明日会社がなくなるという状況に立たされても生きていけるというような自信は、自分の中で作っていかなければいけないですよね。

佐々木大輔個人が、いつ会社辞めても大丈夫だと思える状態に自分がいるっていう、そういう人が世の中にどれだけいるかっていうのが社会の強さみたいなものなんじゃないかなぁと。
音喜多駿いつクビになっても大丈夫という体制をとっておけば、体が悲鳴をあげるような状況になったら休むわけで。それを言えないから95パーセントの人は結局会社の兵隊になっちゃうんですよね。そこは社会としての問題だとか、厚労省がなんとかしろだとかいうのはもちろんそうなんですが、やっぱり個人個人も力を持って、そういう状況でノーと言えるようになる「自分づくり」をしていくっていう両面からのアプローチが大事になってくるんじゃないかと考えています。

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