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【SMAP連載19】スマスマ最終回で見えたもの SMAPからの声なきメッセージ
5人のラストソング「世界に一つだけの花」にある変化が
「世界に一つだけの花」を、サビで槇原敬之のコーラスが入っていないバージョンで聴いたのは、この時が初めてだった。26日、『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の最終回。過去の映像を振り返る総集編の最後に、SMAPが9ヶ月ぶりに5人で持ち歌を披露した。
「世界に一つだけの花」がシングルとしてリリースされた当時、それが草なぎ剛主演のドラマ『僕の生きる道』(同系)の主題歌だったせいか、プロモーション用のミュージックビデオは特に作られていなかった。しかも、ドラマが始まった時の主題歌はアルバム・バージョンで、最終回になって初めてリアレンジされ、新たにレコーディングされたシングル・バージョンが流れたのである。さらに言えば、「世界に一つだけの花」が『僕の生きる道』の主題歌に決まるまでには、ドラマのプロデューサーが2002年の『DRINK!SMAP!』ツアーで初めてこの曲を聴いて感動し、「ぜひドラマの主題歌に」とオファーしたという経緯もある。
“敢えて”外した槇原敬之のコーラス、中居のハンドサイン
リリースされたばかりのリクエストベスト『SMAP 25 YEARS』を聴いていても思うのだが、5人の声がちゃんと聴き分けられることも、SMAPの音楽の面白さである。ただ、「世界に一つだけの花」のアルバム・バージョンとシングル・バージョンでは、アレンジや歌割りが違う他に、変更点として、サビ部分での槇原のコーラスが厚くなっていた。だからサビに関しては、5人の個性的なユニゾンよりも、槇原の丸く柔らかい声が安定感をキープしているような側面があった。でも、“スマスマ”最後の5人での歌唱の際、「世界に一つだけの花」のサビに、槇原のコーラスが重ねられることはなかった。つまりこの曲を歌うにあたって、“敢えて”外したのだ。あの、中居が1本ずつ指を折り、最後に花が咲いたようにパッと広げたジェスチャーも一度きり。声、視線、動き、全てに入魂の1曲になった。この先、あの歌唱シーンを何度見直しても、新しい何かを発見できそうな、五角形の歌。