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水野美紀、完全復活のきざし “残念な女”ポジションを確立?
清純派イメージを打ち破った映画『恋の罪』で再び注目
そんななか彼女を一躍有名にしたのは、1992年に放送された『コーセー ルシェリ』CM。俳優の唐沢寿明との共演で、彼女から彼氏に積極的に迫る「チューして」は、誰しもの記憶に残る名ゼリフになった。その後、数多くの作品に出演をするようになり、1997年、織田裕二の大ヒットドラマ『踊る大捜査線』(フジテレビ系)で物語に欠かせない存在・柏木雪乃の役を得る。これで大ブレイクを果たし、やがてアクションの能力を生かしてウッチャンナンチャンの内村光良主演の『恋人はスナイパー』(テレビ朝日系)にも出演。映画化もされるなど、人気は不動のものと思われたが、2007年に演劇ユニット『プロペラ犬』を作家・楠野一郎と共同主催した頃から、徐々に活躍の場を舞台にシフトしていった。
優れた演技力に“おっさん”の素顔…水野に2回目のブレイクはあるか?
そして2016年、水野は1年を通して多くのテレビドラマに出演。とくに、ちょっととぼけた雰囲気と残念感をかもし出した『黒い十人の女』の如野佳代役はハマり役で、最終話で見せたカフェオレを何度もぶっかけられて溺れそうになるという芝居はもはや伝説レベル。水野自身がSNSに投稿した「いいですか、人間は、水の中じゃなくても溺れそうになる事があります。カフェ・オ・レで」も大反響で、さらには「#(ハッシュタグ)黒い十人の女」の「#」をうっかり全角で打ってしまったことからタグ付けができておらず、ファンからツッコミを受けるという彼女らしい“おまけ”付き。ネットを中心に水野を「この人、おもしろくて好き」との声はますます広がっている。
確かな演技力とアクション女優としても活躍できる身体能力、人間的な魅力、さらにコメディエンヌとしての評価も得た今、彼女は、来期の倉科カナ、三浦翔平主演の連続ドラマ『奪い合い、冬』(テレビ朝日系)で自身初の完全なヒール役・森山蘭を演じる。長い女優人生のなかで、さまざまな経験を積み、多くの苦楽を味わい、自身を呪縛から解き放ってきた水野美紀が、猛烈に嫉妬の炎を燃やす妻役をどう演じてくれるのか。彼女は芸能界で生き残るのに必須と言われる“2回目のブレイク”の機会を今まさに迎えている。
(文:衣輪晋一)