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なぜ“偉人の妻”が頻繁に描かれるのか?偉人シリーズのネタ不足に一石
妻を介して感じる、教科書に載ってない“偉人の人間味”
一方、“偉人の妻”は、偉人を描写していく際には欠かせない存在でもある。先述の『ゲゲゲの女房』のように、偉人の妻に光を当てることは徐々に“定番”となりつつある感もあるようだ。
「偉人たち本人の栄光や挫折、苦労話などは、これまでも映画やドラマでさんざん描かれてきました。学校の国語や歴史の授業でも学んできたし、新鮮味はそれほどありません。それを偉人の妻に視点を移すことによって、一般人は知られていない要素を盛り込むことができます。偉人の功績だけではなく、夫婦の生活を描くことで見どころが増え、物語に奥行きが出るんですね。偉人の人間味もさらに増しますし、身近な存在として幅広い世代、特に女性からの共感を得やすくなります」(ドラマ制作会社スタッフ)
慎ましくも強い妻・母の姿から感じる“強く生きる女性”へのリスペクト
「最近のNHKの朝の連ドラを見ても、特に高視聴率の連ドラの主人公は“様々な時代を生きる強い女性”ですし、今や“偉人の妻”に焦点を当てることは、偉人を振り返るドラマに欠かせないフォーマットとなっています」(前出・スタッフ)
極端に言えば、“偉人の妻”の人気は、かつて高倉健や菅原文太などが出演して隆盛を極めた任侠映画が、時代とともに衰退していく中、『極道の妻たち』シリーズでまさかの“妻”を主人公にしたところ、女性層を取り込んで大ブレイクしたことと似ているかもしれない。そうした意味でも“偉人の妻”ドラマは、“女性が強くなった”時代の象徴のひとつとして愛されていくのではないだろうか?