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アニソンデビュー45周年の“アニキ”こと水木一郎が語る、アニソン45年の変化

赤いマフラーで「ゼェーット!!」する理由は?

――この45年を振り返ると、アニソンのシーンにも様々な変化があったと思います。水木さん自身はどう感じていますか?
水木一郎 “まんがのうた”からアニソンに変わり、声優ブーム、アニメブームとともにアニソンシンガーを目指す人がどんどん増えていきましたよね。楽曲に関してもジャンルの幅が広がり、いわゆるJ-POPとの境界がなくなってきたり、こどもだけではなく、大人が聴くものにもなった。そういう変化はいい面でもあるんだけど、一方ではシーンが盛り上がることでアニソン愛のない人たちが入ってくることもある。僕は愛と誇りをもってアニソンというものを開拓してきたつもりだけど、アニソンが本来持っている役割や魅力が見失われつつあると感じることもありましたね。

――でも、水木さんはシーンをさらに盛り上げるためにまい進し続けましたよね。
水木一郎 はい。2001年に初めて香港に行ったんだけど、そこでの経験がすごく大きかったんですよ。ライブではいきなりのスタンディングオベーションだし、日本語で会場中が一緒に歌ってくれるんです。報道の数もすごかった。海外の人たちがいかに日本のアニソンを尊敬してくれているのかっていうことを初めて目の当たりにした瞬間でした。それによって、日本のお茶の間にももっともっとアニソンを理解してもらわないといけないなって思うようになったんですね。そこからトレードマークとして赤いマフラーを着けて、「ゼェーット!!」と叫んだりしてテレビのバラエティ番組などにも積極的に出るようになったんです。変な人だな、と思われたとしても、覚えてはもらえますからね。

――そういった水木さんの思いは若い世代にもしっかりと受け継がれていき、今やアニソンは国内外を巻き込んだ大きな文化になっていますよね。
水木一郎 盛り上がっていると思いますね。もともと日本では子守唄のように誰もが聴いて育ったものだし、海外では僕らが気付く何十年も前から人気があったものだけど、それが「日本の文化」として認められるようにまでなったのは感慨深いですね。しょこたん(中川翔子)とか森口博子なんかとはよくご飯にも行くんだけど、そういう次の世代の子たちがファン層を広げてくれることも嬉しい限りです。30年やっている僕のボーカルスクールでは、生徒が持ってきた今のアニソンを僕が知らないっていうことは許されないので、それを頑張って勉強して歌うわけですよ。そうすると新たな発見があったりもする。僕自身、新曲のレコーディングは常に挑戦の連続です。そういう意味では、自分にも、アニソンにもまだまだ可能性はたくさんあるなってすごく思います。正直、この先のアニソンがどうなっていくかは僕にもわからないですけど、愛のある人たちが情熱を持って歌い続けていくことで、新たな道もどんどん開かれていくと思う。それがアニソンのおもしろいところでもあるから。

少年のように夢と情熱を持ってアニソンを歌い続けたい

――ご自身の今後についてはどう考えていますか?
水木一郎 今や幅広い世代に聴いてもらえるようになったアニソンですけど、僕にとっては今も基本的には“こどものうた”なんですよ。「正義だ! 勇気だ! 希望だ!」みたいなことを歌えるのはアニソンならではだし、そこに僕はロマンをすごく感じる。人として生まれた以上、国や文化も関係なく、誰もが大切に思うことだからね。だから、個人的な愛とか恋とかを歌うのは他の方にお任せして(笑)、僕はそのロマンをこれからもこどもたちにアニソンを通して伝えていきたいんですよね。

――パワフルなボーカルは衰えることを知りませんよね。
水木一郎 ありがたいことに、僕はいまだに昔の曲もオリジナルのキーのまま歌えるんですよ。しかも、どれだけ歌っても声が出なくなることがない。レコーディングは3テイクほどで終わることが多いんですけど、たとえ声が嗄れてきても、コーヒーを飲んでちょっと休めばまたすぐ出るようになるんです。それは若い頃に誰よりも練習したということが自信にもなっているし、いまだにレコーディングやライブという真剣勝負の機会に恵まれていることも大きいし、何よりもアニソンを愛して、1曲1曲魂を込めて歌を磨き続けてきた積み重ねによるものだと思っています。

――生涯現役として、ここからの活躍も楽しみになってきます。
水木一郎 「水木一郎」っていう芸名は一生歌い続けていく名前なんですって。アニソンと出会ったことで、それがその通りになってきた。神様が与えてくれた運命なのかな。とりあえずはね、50周年を迎えるまで少年のように夢と情熱をもって突き進んでいこうと思ってます。夢は最高齢現役歌手。僕の意志を継いだ下の世代のアーティストもたくさんいますけど、悪いけど僕はまだまだ新しいアニソンをどんどん歌っちゃうからね(笑)。まだ行っていない海外の国もたくさんありますし、歌える間はとにかくずっと歌い続けていきたいです。

(文/もりひでゆき 写真/草刈雅之)

水木一郎 動画インタビュー

水木一郎
アニソンデビュー45周年記念ライブ〜GREATEST HERO SONGS〜
●日時:2016年10月9日(日) 第一生命ホール
開場16:00/開演17:00
【出演】水木一郎 【ゲスト】ささきいさお
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