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【連載番外編】記者が見たSMAPの真実 PART3 〜稲垣吾郎・草なぎ剛・香取慎吾の素顔〜

香取慎吾 “慎吾ママ”からずっと、存在そのものがアイコンでありアート

 ハローキティにドラえもん、ピカチュウにスーパーマリオ、黒柳徹子にマツコ・デラックス、そして香取慎吾……。一市民の視点では、“慎吾ママ”がブームになった頃からずっと、香取という存在は、“異形”というか、ひとつのアイコンとして、揺ぎないオリジナリティを持っていると思っていた。彼の場合、存在そのものがもうアートなのだと。ライブの時も、彼のオリジナルスマイルの輝きは、ワット数などでは測れないほどに眩しく崇高だった。

 初めて直接彼に取材したのが2010年公開の映画『座頭市 THE LAST』のビデオコメンタリーの収録時だった。撮影はなかったので、香取は私服でスタジオに入っていて、その私服姿がひっくり返るほどにカッコ良かったことを覚えている。いわゆる外タレも何人も取材したことはあるが、その辺の外タレよりも全然カッコイイと思った。とにかく華があってゴージャスなのだ。収録に立ち会った後インタビューをして、去り際にこちらが「ありがとうございました」と頭を下げると、ぺこりと会釈した後、「バイバイ」と軽く手を振ってくれた。その掌から、何かスゴい光線が出ているような錯覚さえ覚えて、クラクラした。

「やっぱり、モンスターといえばSMAPさんでしょうね(笑)」

 それから、『We are SMAP!』のライブDVDリリースのタイミングで、コンサートの制作秘話を聞きにいったこともある。「この曲をここに入れたのは?」とか「この曲のアレンジは?」「演出は?」と細かく質問していくと、彼は「えーと「セロリ」「セロリ」……」と目をつむって何度か曲名を呟いた。自分の中の検索エンジンに曲名を入力しているようだった。そして閃いたように「あ」と言うと、淀みなく、その曲がどうしてその場所で、そのアレンジになったかを語り始めるのだった。見た目はスーパースターなんだけれど、その中にはスーパーコンピュータまで内蔵しているんだな、と感心した。

 SMAPでいる時は“弟キャラ”が全開だったのに、2012年に山下智久と2人での表紙のインタビューをした時はとてもアニキっぽい、大人びた雰囲気で、その変化にも驚かされた。何といっても、山Pのことを「山下」と呼び捨てにするのがとても頼もしく、曲制作についての話も自由で、スピーディで大胆で。香取からは、会うたびに、規格外の何かを見せられる。身体も大きければ、内包している愛や情熱も大きくて、発想はダイナミックで、変化も自在。2008年にライブの演出担当になって以来、毎回その発想力や構成力には唸らされた。

 最後に、その12年のインタビューで香取に聞いた「あなたにとって、モンスターとは?」の答えはこうだ。
「モノとか現象とかじゃなく、僕にとってのモンスターは、現実社会に生きている“人物”ですね。でも、それはどうしたって超えられない存在なんです。気づいたらその人を超えているなんてことがあって欲しいような気もするけど、到底無理な、絶対的な存在。具体的に言うと? やっぱり、モンスターといえばSMAPさんでしょうね(笑)」
(文/菊地陽子)

【連載4】『SMAPのホームはライブ その根拠について』に続く

【連載1】『SMAP解散がもたらした喪失感 終わらないことは“残酷”なのか?』
【連載2】『SMAPにとっては“異色”だった 国民的ソング「世界に一つだけの花」』
【連載3】『SMAPきょう25周年 記者が見た5人の真実 PART1』
【連載番外編】『記者が見たSMAPの真実 PART2 〜中居正広・木村拓哉の素顔〜 』

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