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【連載番外編】記者が見たSMAPの真実 PART2 〜中居正広と木村拓哉の素顔〜

木村拓哉 自分自身が表現者なのに、つねに周囲をたいせつにする姿勢

 『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の歌収録に初めて入ったとき、担当編集と一緒に、木村のところにまず挨拶に行った。現場にいる人間が何者なのか、彼はすべて把握しておきたいのだという。雑誌名と名前を言って、「取材で入ります、よろしくお願いします」と軽く頭を下げると、「おぅ」とでもいうように軽く口を尖らせて、コクリと頷いた。何気ない仕草なのに、そのかっこ良さに痺れた。自分自身が表現者なのに、その空間を快適に整えるべきスタッフが、“今ここにいる目的”までを、一通り把握しようとする。それは、かなりエネルギーがいることだ。収録現場にも一番に現われ、様々なスタッフと積極的にコミュニケーションをとる。その、周囲をたいせつにする姿を初めて目にしたときは、感動的ですらあった。

 ゲスの極み乙女。がゲストの回では、歌収録の後のトークが印象的だった。木村は、休日課長に興味津々で、ゲストがスタジオを出る段になるとおもむろに課長の肩を抱き、スタジオの出口まで親しげに談笑していた。かと思うと、出口付近でパッと肩から腕を外して、今度はドアマンのごとき慇懃な仕草で、さっと右手を出口に向かって差し出し、4人の退場をエスコートした。ゲスの4人は、「そんなそんな、木村さん先に出てください」というようなジェスチャーで恐縮しまくりだったけれど、木村は、「ゲストなんだから、最後まで見送らせてください!」と言って譲らなかった。

チームで進むことのたいせつさを、誰よりも痛感しているのではないか

 結局のところ、現場をとことんまで楽しむ才能がすごいのだろう。KinKi Kidsがゲストだった際も、トークのとき率先して「今日はありがとう」と言って(マットの敷かれていた)床に突っ伏した。人間にできるマックスの平身低頭ポーズ。それを見て慌てるKinKiの2人。SMAP5人では、仲の良さよりもチーム感の方が際立つが、そこにKinKiが加わったときは、空間は突如、兄弟愛とか師弟愛のような人間愛に満たされていく。

 芝居の現場でも、バラエティでも、SMAPとしても、チームで進むことのたいせつさを誰よりも痛感しているのは、実は彼なのではないか。1999年、SMAPの『BIRDMAN』ツアーのオーラスで木村は、「この会場に来てくれた人は名前も知らない人もいますが、この時間を一緒に過ごしたってことで、いくらでも自分のことを友達だと思ってください」と挨拶した。この言葉がすごく好きだ。チームを愛する、彼らしい発言だと思う。
(文/菊地陽子)

【連載番外編】『記者が見たSMAPの真実 PART3 〜稲垣吾郎・草なぎ剛・香取慎吾の素顔〜 』に続く


【連載1】『SMAP解散がもたらした喪失感 終わらないことは“残酷”なのか?』
【連載2】『SMAPにとっては“異色”だった 国民的ソング「世界に一つだけの花」』
【連載3】『SMAPきょう25周年 記者が見た5人の真実 PART1』

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