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「PERFECT HUMAN」後のオリラジの行方は?対照的なピン活動が目立つ中田と藤森

「PERFECT HUMAN」の大ヒットで絶好調のはずのお笑いコンビ・オリエンタルラジオ。いまや芸能界のご意見番としてのポジションも確立しつつある“PERFECT HUMAN”こと中田敦彦、2011年ごろにブレイクした“チャラ男”キャラを復活させ、情報番組などで需要も高い藤森慎吾。そんな活躍中のふたりだが、ここ最近のオリラジとしてのテレビ出演は、ほとんどが「PERFECT HUMAN」のパフォーマンスという状況だった。すっかりネタを見ることが少なくなってしまった感があるが、オリラジはどこへ向かおうとしているのだろうか。

「PERFECT HUMAN」でオリラジ再々評価、波に乗る個人活動

 これまでのオリラジの活動を振り返れば、デビュー直後の2005年に“武勇伝”ネタで一躍大ブレイクを果たし、レギュラー番組10本抱えるまでのまさしくスター的な人気を瞬く間に築き上げた。しかし、下積みもないまま若くしてブレイクしたふたりは、一時期の勢いが衰え始めるとその流れに抗えず、一発屋にありがちな道をたどることになり、やがてそれまでのすべてを失う低迷期を迎える。だが、オリラジはそのままでは終わらなかった。

 その後、中田は高学歴のインテリキャラ(オタクキャラも)、藤森はチャラ男キャラ(田中みな実アナとの熱愛ネタも)などそれぞれピンのキャラ売りに成功。一昨年の『しくじり先生』(テレビ朝日系)での自分たちの失敗をおもしろおかしく、かつ熱く語る中田の姿は、いまのご意見番ポジションにもつながる洞察力と舌鋒のするどさ、中堅芸人としての成熟したウデをまざまざと見せつけ、見事にメインストリームへの復活を果した。そして昨年、8.6秒バズーカーの「ラッスンゴレライ」をリズムネタ芸人の先輩として完コピすると、そのキレのよさが大絶賛され、コンビとして再ブレイク。その流れに乗って、リズムネタの進化系として提示した「PERFECT HUMAN」の大ヒットにより、今年に入って再々評価というべき異色のブレイクを果たしていた。
 一方で中田は、朝の情報番組『白熱ライブ ビビット』(TBS系)にコメンテーターとして出演すると、歯に衣着せぬコメントを連発。そのものいいが大御所ご意見番ふうの“上から目線”に聞こえることもあり、『しくじり先生』で自らの過去を「(初期は)天狗になっていたから低迷した」と講義していたことを視聴者から突っ込まれたり、「また天狗になったか?」などと一部ネットではバッシングを受けていたりもする。また、その遠慮のない発言が芸人仲間との軋轢を産んだりもした。

「そのバッシングさえも、中田さんの戦略通りといった感はあります。叩かれてなんぼ、くらいのことは中田さんは理解しているでしょう。一方で、うまく波に乗っているのが藤森さん。相変わらずテレビに出まくってますが、ここにきて『PERFECT HUMAN』での上手すぎる歌とラップが評価されながら、情報番組ではチャラメガネキャラを2ndブレイクさせ、インスタは40万フォロワーを超えるなど、若者の“トレンドセッター”的なポジションを確立しています」(エンタメ誌編集者)

“次”を模索するコンビの苦悩?新ネタへの期待が高まる

 これまでのオリラジは、コンビの方向性やネタはすべて中田が決め、それに藤森がついていくという関係性だったと言われているが、ここにきて中田は世間にケンカを売るかのようなスタンスも取りながら積極的に前へ前へと攻めて行くのと対照的に、藤森は好感度を落とすことなく、さらに自分のキャラ、足場を着実に固めているようにも見える。『しくじり先生』の中田の授業内容をもっとも実践しているのは、実は藤森のほうなのかもしれない。

 そんなそれぞれの個性的なキャラクターを売りにしたピン活動は、これからも増えていくのだろうか。たしかにふたりとも、ピンで生き残っていけるだけの技量も人気も十分に備えている。ここ最近では、お笑いステージにはオリラジとして立ってはいるものの、メディアを通したコンビとしての活動は減っており、個々の活動にシフトしているようにも見える。

「ふたりはお互いに固い絆で結ばれているようですし、解散はないでしょう。武勇伝にしても『PERFECT HUMAN』にしても、中田のネタと藤森のパフォーマンスがあってブレイクしているわけですから、コンビとしてお互いを必要としています。ただ、たしかに『PERFECT HUMAN』のあと、考えることがあってなのか、殺到していたメディア取材をほとんど受けていなかったようです」(前出・編集者)

 芸人としての確かなウデがあり、「PERFECT HUMAN」という異色のスタイルのネタを大ヒットさせたオリラジは、“大作”を生み出してしまったがゆえに、さらなる進化系オリラジを見出さなければならないという“次への苦悩”に陥っているのかもしれない。

 戦略家の中田と脳天気で多芸な藤森。対照的なキャラクターを活かした個人活動が目立つふたりだが、共通するのは、生き馬の目を抜く芸能界で浮き沈みを繰り返し、確固とした芸のウデを身につけ、人間的にも成長を遂げ、芸能界を生き抜く本能が研ぎ澄まされていること。そんなふたりのタッグだからこそ、熾烈な争いが繰り広げられる戦場でもあるお笑いシーンのなかで、ひときわ強烈なインパクトを残しているのだろう。

 それぞれの個人活動を経ての新たな化学反応によって生み出されるであろう、オリラジの新ネタ、次なる姿への期待は高まっている。“斜め”から笑いに迫った「PERFECT HUMAN」とは異なる、純粋な真っ直ぐのお笑いを打ち出してくるのだろうか。オリラジの帰還が待ち遠しい。

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