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“個性”を押し出さない坂口健太郎が重宝されるワケ
塩顔系だけに顔の印象も薄く、“固定”された個性が前面に出ることもない
今期のドラマ『とと姉ちゃん』では、ヒロイン・高畑充希の青春時代を支える役であり、学ラン・丸メガネで植物学を研究する帝大生というオタクな一面を持つ“リアル草食系男子”を演じる。一方の『重版出来!』では、胸の内に熱い想い秘めたさわやかな出版社の営業マンを好演。塩顔系だけにある意味で顔の印象も薄く、そのぶん固定された“個性”が強く前面に出ることもないので、いい意味で役に染まることができる。先の両作品の役柄でも一瞬、同一人物が演じているとは思えないほどで、違和感なくそれぞれのキャラクターを堪能できるのだ。
「NHKの朝ドラ出演は大きいですね。今や朝ドラは、若手俳優の出世への近道なんです。『梅ちゃん先生』の松坂桃李さん、『あまちゃん』の福士蒼汰さん、『まれ』の山崎賢人さん、路線は違いますが、『あさが来た』のディーン・フジオカさんなど、みんなブレイクしてます。まあ、坂口健太郎さんはすでにブレイクしているといっても言いですが。坂口健太郎さんの特長は、年上女性から絶大な支持を得ているところでしょうか。たとえばジャニーズ系のアイドルだったら、同世代の女性からの人気が中心ですが、坂口健太郎さんの場合は、塩系の薄い色を自分流の色に染めたい欲望があるのか(笑)、“奥手”に見られるのか、どうも年上からの“可愛がられキャラ”のようですね」(ドラマ制作会社スタッフ)
“個性”は30代から……今はあえて“色”を消し、多種多様な役を演じる
「ドラマの現場では、あまり“色”のついてない俳優さんの方が使いやすいし、重宝されるんです。若いのに“この俳優さんはこういう役が似合う”というイメージが視聴者についてしまうと、現場ではけっこうやりにくい。そういうイメージ寄りに振ってしまうことになります。坂口健太郎さんも、今はいろんな役を演じるのが一番だし、自分の“個性”は30代になってから打ち出しても遅くないんじゃないですか」(前出のスタッフ)と言うように、坂口自身も映画『俺物語』出演の際、ORICON STYLEのインタビューで今後の展望について、「僕は目標は作らないんです。そこにとらわれるというか、なんか固まってしまいそうな気がして。(目標を作らず)もやもやしていた方が、5年後もっといろいろな経験ができそうだなって思っています」と語っている。
今はあえて自分の“色”を消し、多種多様なタイプのイケメンを嫌味なく演じる坂口健太郎。本人の言葉通り、“本物のイケメン”になるであろう5年後まで、熟成するのをじっと待つというのも、視聴者の楽しみのひとつであろう。