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芳根京子インタビュー『2016年、最注目女優はオーディション荒らし!?』
認めてもらうことって、こんなにも嬉しいんだ!って実感しました
芳根もう、濃すぎるくらい濃い年でした。昨年は私自身の高校卒業もあって、現役高校生として最後の作品が『先輩と彼女』だったんです。そういった意味でも忘れられない作品ですし、『幕が上がる』で初めて舞台を経験して、そのとき初めて他作品との“掛け持ち”を経験しました。舞台をやりながら、『表参道高校合唱部!』のオーディションと歌練習。あと『探偵の探偵』と映画『64-ロクヨン-』(5月7日公開)にもちょこっと出演させて頂いて。
――4つも掛け持ちしてたんですか(笑)。
芳根掛け持ちということが私自身経験したことがなかったので、とにかく必死でした。ただ根が単純なので、その日の撮影が終わったら、そこで一旦リセットになるので、変に別の現場に持ちこむということはなかったですね。これは発見でした(笑)。
――余韻を残さず次の現場に移行できると(笑)。不安がつきまとうから、つい別現場にも引っ張ってしまいそうなものなのに。
芳根ですから、別の現場に行って、また元の現場に戻る際は、ゼロからという感覚ですね。同時に2つのことが出来ないので、1つを一旦リセットするしかないというか(笑)。
――でも、女優業をする上では絶対必要なことですよね。『幕が上がる』も『表参道高校合唱部!』も非常に評価が高かったですけど、女優として生活をするにあたっての楽しさと難しさを同時に体感した年だったんだろうなって。
芳根監督に「今の(演技)良かったよ」って言ってもらえるのが凄く嬉しいですし、実際に作品となって世に出た際に、友達が観て「なんか、芳根京子として見れない」って言われたことがあって……それも変な気分ですけど嬉しかったんです。『表参道高校合唱部!』では色々な賞(ザテレビジョンドラマアカデミー賞主演女優賞ほか)も頂きまして……「あぁ、認めてもらうことって、こんなにも嬉しいんだ!」って実感しました。褒められて伸びるタイプなのかなって(笑)
――これまで実生活の中であまり褒められる事ってなかったんですか?
芳根個人としてトロフィーや賞状をもらうという経験は無かったです。中学校の頃、吹奏楽部で団体として賞状を頂いたことはあるんですけど、自分の刻印がされているトロフィーを頂くのがこんなにうれしいことだとは思わなかったです。
――「私だけの賞だ〜!!」と(笑)。
芳根はい(笑)。もちろん、共有する嬉しさもあるんですけど、個人として頂いた経験がないので、余計にうれしくて…。
“オーディション荒らし”って言われますけど、普通に落ちてますから(笑)
芳根いえいえ! そんなことないです。最初の頃なんて、「こんな私でよければ…」みたいな感じで、凄く萎縮してましたし。
――「この役、絶対勝ち取ってやる!」みたいなイケイケではなく?
芳根全然違います(笑)。マネージャーさんからも「もっと取りに行きなよ!」って怒られましたし。いろいろなオーディションを経験して、「私はこういった理由で、この役をやりたいんです!」って徐々に言えるようになってきて。もちろん、それでも落とされることも全然ありますけど(笑)。でも、気持ちを伝えることが大事なんだって気付いて。
――他の事務所の女優さんが、「あの子が来たら諦めるしかない…」と戦々恐々とする芳根京子でも、徐々に自分を出せるようになったと。
芳根私、(メディアから)“オーディション荒らし”って取り上げられた後も、普通にオーディション落ちてますから(笑)。
――アハハハハ! そうなんだ(笑)。
芳根もう、“オーディション荒らし”なんて凄いプレッシャーですよ(笑)。 だから自分から「私、オーディションいっぱい落ちてますから!」って言いまわってます。全力で掴みたいと思っていても、ご縁の無かった作品は今でもたくさんありますし。
――あたしだって、その都度悔しい思いをしているんだと(笑)。
芳根はい(笑)。最近も悔しくて泣いたこともありますし。でも、その悔しさがないと次に繋がらないと思います。
役を演じるなかで、“芳根京子”だということに気付かれなくてもいい
芳根やっぱり、2015年の自分を超えたい!っていう気持ちは強いです。
――ご自身のブログでも、「(『表参道高校合唱部!』主人公の)真琴を超えたい」と書かれてましたよね。
芳根はい。「真琴が好きです」って仰ってくれる方が多くて、凄く嬉しいんですけど、反面やっぱり悔しさもあるんです。
――ひとつの役柄ではなく、芳根京子という女優として振り向かせたい?
芳根いえ。言葉にするのは難しいんですけど、色々な役を演じていくなかで、“芳根京子”だということに気付かれなくてもいいのかなって。演じる側としては、それが成功なのかなって思っていて。
――つまり、ひとつの役柄に執着するでもなく、さらに言えば芳根京子という女優にすら執着せず、常に進行形の役柄で勝負したいと。
芳根そうです! ちゃんと、それぞれの役を演じ切りたいなって。真琴を超えるということだけでなく、1作品1作品どんどん超えていかなきゃダメだなって。
――やっぱり大成する女優さんに共通するのは、負けず嫌いなんですね。ちなみにプライベートの趣味なんかもハマったらとことん行くって感じ?
芳根そうですね。最近、アクセサリー作りにハマってまして、常にペンチを持ち歩いてます(笑)。
――アハハハハ! ペンチを常備する女優って聞いたことないですよ(笑)。
(撮り下ろし写真:田中達晃)
Information
都築りか。高校1年生。野望は「甘い恋」。だけど好きになったのは他の女の人に恋をしている、みの先輩……。
先輩が好き。たとえ、あたしではない別の人を見つめていても。初めておぼえた嫉妬と絶望。そして先輩の選択は? どんなにどんなに想っても届かない、甘くて苦い青春の恋物語。
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