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ORICON NEWS
小栗旬インタビュー『芝居だけをしている現状がもったいない』
俳優自身が意外と状況をわかっていない
小栗キャスト、スタッフ、みんなよくがんばったと思いました。一大プロジェクトということで、ドラマのときからなかなか大変なこともけっこうあったんですけど(苦笑)。そんななかでも、みんなで必死に試行錯誤してそれを乗り越えてできあがったものは、『戦国エンタテインメント』としてお客さんに楽しんでもらえるものになったと思います。完成作を観てホッとしましたね。
小栗純粋に、山田孝之のやる豊臣秀吉が観たかったんです。原作を読んだときに、これは孝之がやったらおもしろそうだなと思ったので、実現してよかった。ただできれば、映画でもあと1、2シーンくらい、秀吉のひょうきんなところを見せるシーンがあったらよかったのかな? とは思いました。ドラマのときから暗黒面ばかりがピックアップされることが多かったので、僕らの知っている秀吉観みたいなものがもう少し出てもよかったのかなって。
――お話をうかがっていると、スタッフやキャストのみなさんと、積極的に話し合う機会を作りながら、作品に取り組んでいた印象を受けます。役をまっとうするだけでなく、よりよい撮影環境を整えることへの意識は高いですか?
小栗僕の知っている世界では、意外と俳優に責任がないんですよね。世間的にはドラマの視聴率が悪いとすぐ俳優のせいにされてしまうところもありますけど(苦笑)、それで責任がどうのという話ではないし。ただ、俳優自身が意外と状況をわかっていないなかで、芝居だけをしているみたいな現状が多くて、それがもったいないと思うんです。企画や制作に関わるからこそ、自分も責任を追うし、その代わり、口も出させてもらうということの方が、おもしろい作品が作れるんじゃないかって。いま予算がどんどん削減されるなかで、もう少し、作り手たちと俳優がディスカッションしながら、あの手この手を使って作り上げていった方がクリエイティブなんじゃないかなって、単純に僕は思っているだけなんです。自分にも力になれることがあればやっていきたいといつも考えています。
俳優たちで立ち上げる準備をしたい
小栗とくに挑戦したいこともないんですけどね。平穏無事に生きていきたいってくらいです(笑)。ただ、年齢が上がっていくにつれ、いろいろな作品を経験していくにあたって、いろいろな方たちといろいろな話ができる環境ができてきたので、もっともっと積極的に作品に関わっていきたいと思っています。自分の周りにも、制作に興味を持ち始めた俳優もいるので、何かしら俳優たちで立ち上げていけるような準備はしていきたいです。
――そこで表現したいこととは?
小栗表現することは、何でもいいんですよね。できればなにか、新しい発信の形みたいなものが提示できればいいなあと思っています。テレビもどんどん観る人が少なくなってきて、インターネットで映像を観るのが当たり前になっていくなかで、どうやったら大きな予算をかけて、本当におもしろいものを作れるのか? ということを模索していきたいです。
――ファンとしては『ギャラクシー街道』から本作へと続くラブ路線への期待も募るところですが、最後に、最近小栗さんがご覧になっておもしろかった作品を教えてください。
小栗トム・ハーディの『ウォーリアー』(2011年)。格闘技の話です。それから、香港映画の『激戦 ハート・オブ・ファイト』(2013年)もすごくおもしろかったですよ! これはたぶん『ウォーリアー』に影響を受けているんじゃないかと思うんですけど。あと最近また見直しているんですけど、『ダークナイト』(2008年)はすばらしいですねぇ。流し見しようと思っていたのに、気づいたら超集中して観ていて(笑)。ストーリー全部わかっているのに、なんでこんなに夢中になれるんだろう。
(文:石村加奈/撮り下ろし写真:逢坂聡)
信長協奏曲
監督:松山博昭
キャスト:小栗旬 柴咲コウ 向井理/藤ヶ谷太輔 水原希子・古田新太 濱田岳 嶋政宏/山田孝之 でんでん 勝矢 阪田マサノブ 阿部進之介 北村匠海
2016年1月23日(土)全国東宝系にてロードショー
(C)石井あゆみ/小学館 (C)2016 フジテレビジョン 小学館 東宝 FNS27社
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