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(更新: ORICON NEWS

英語上達の秘訣は? イマドキ英語教育の現場

 グローバル時代の今、英語教育はとっても重要。2011年度からは小学校の5・6年生に年間35時間の外国語活動を必修化されるなど、早い段階からの英語教育も本格的に始まっている。今回は、英語上達の秘訣を探るべく、早期英語教育の現場に直撃! 大阪府枚方市立中宮北小学校の取り組みと、授業に参加する外国人留学生を取材しました!!

英語は楽しく学ぶもの? 英語教育に必要な5つのこと

 取材したのは中宮北小学校5年生の外国語活動。教室では、日本人の先生2人と留学生のニコラ・シェスターさんが指導をしていました。この日はまず、英語のあいさつを学習。日本人の先生が、「大阪弁では、こうです」と実演すると、生徒たちは大爆笑! 続いて、モニターの動画を使ってアメリカ、中国、フランスなどのじゃんけんの方法を紹介したあと、ニコラさんとのアメリカ式でのじゃんけん大会で大盛り。最後に、張り出した紙やモニター映像を使って、英語の1〜20の数字を学んで授業が終了。メディアを活用し、楽しみながら外国語を学んでいる様子がうかがえました。

 「当校では、文部科学省の新学習指導要領に基づき、外国語活動の授業を行っています」と語るのは、今堀志津校長先生。その新学習指導要領では「外国語を通じて、言語や文化について体験的に理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませながら、コミュニケーション能力の素地を養う」とあります。

 では、小学校における英語上達の秘訣とは? 今堀校長先生と外国人留学生の意見を5つのポイントにまとめてみました。

 意外にも、外国人留学生は、日本語を学ぶのに日本の映画やマンガ、ポップ音楽など好きなコンテンツを参考にしているとか。英語の小学校教育でも「体験的に、楽しく」学ぶことで、自然と異文化や語学への興味を高めることが大切というわけ。でも、ニコラさんは、なぜ小学校の授業に参加しているのでしょう。さっそく、インタビューしてみました!

日本と海外の語学教育に違いはある!? ニコラさんに直撃インタビュー!

 日本語もOK!というニコラさんは、留学中の関西外国語大学のグローバル・インターンシップ・プログラム(GIP)という制度を活用して、中宮北小学校で働いています。ニコラさんに、話を伺いました。
  • 関西外国語大学ニコル・シェスターさん/国籍:アメリカ/出身大学:タウソン大学/好きな日本映画:魔女の宅急便

    関西外国語大学ニコル・シェスターさん/国籍:アメリカ/出身大学:タウソン大学/好きな日本映画:魔女の宅急便

―なぜ、日本に留学したの?
ニコラさん 日本語に興味があったからです。以前に、友人が留学して、薦められた関西外国語大学に留学しました。
―インターンシップをしようと思ったきっかけは?
ニコラさん 将来、教育にかかわる仕事をしたいと考えているからです。また、日本語と子どもが好きで、GIPでできる体験はおもしろそうだと感じました。
―小学生への指導を体験した実感は?
ニコラさん 日本語もそうですし、教えるということも、まだまだ難しいですね。でも、教えること、子どもたちとコミュニケーションをとること自体が楽しいです。
―アメリカと日本の違いを感じる部分は?
ニコラさん まず、システムが違います。アメリカでは5年間で6年目は中学校ですが、日本は6年間です。(外国語活動の)授業スタイルは、アメリカの初等教育の授業と、ほとんど変わらないですね。また、アメリカでは州によって体罰もありますが、日本はまったくありません。
―生徒への指導で心がけていることは?
ニコラさん 英語に興味を持って欲しいので、何より楽しくすることです。また、きちんとした発音を知ってもらうため、授業でも普段の交流でも、話すときは常に正しい発音を心がけています。

 ニコラさんは、中宮北小学校で、約3週間働く予定とのこと。「私自身、日本語の勉強になりますし、学習意欲が高まっています。いい経験です」と充実している様子。その経験を支えるGIPとは、どのようなものなの?

海外の学生がウチの会社や学校に!? グローバル・インターンシップとは

 インターンシップとは、学生が企業や自治体などで就業体験を行う制度のことで、多くの大学で行っています。でも、外国人留学生が日本でインターンシップを行う制度は非常に珍しいんです。関西外国語大学国際交流部の谷口紀仁さんに聞くと、同大学がこのGIPをスタートさせたのは、2015年度からとのこと。そこで、GIPの概要を聞きました!
―GIPをはじめたきっかけを教えてください
谷口さん 関西外国語大学では、毎年、欧米を中心に各国から約700人の留学生を迎え入れています。近年は、欧米でも日本への関心が高まっており、「日本で働きたい」「日本の企業文化を学びたい」という留学生が増えています。そのニーズに応えるため、導入しました。今年度は、28名がインターンとして派遣しました。
―どのようなところで働くことができるのですか。
谷口さん 今年度の提携先は、金融、メーカー、電鉄などの10の企業と、枚方市内を中心とした小・中・高校計11校です。
―インターンシップの期間は。
谷口さん 受け入れ先や留学生の都合もありますが、基本は1カ月ほどです。なかには、3カ月受け入れていただける企業もあります。
―どのような学生が参加しているのですか。
谷口さん 日本の各組織で働くので、ある程度の日本語力が必要になります。学内の基準で、全7レベルの5〜7の留学生を対象としています。最高の7は、日本語検定1級レベルですね。また学内面接を行い、本人の意欲や希望も含めてインターンを選んでいます。
―受け入れ先の反応はいかがですか。
谷口さん 全体的に、いい評価をいただいています。初年度で手探りの部分もありますが、全プログラムを終えた時点で検討し、GIPをさらに充実させたいと考えています。

 中宮北小学校の今堀校長先生に聞くと、ニコラさんは「児童の人気者ですし、保護者の方にもすごく好評です」という。実際に、外国語活動授業だけでなく、算数や体育の授業に参加してもらい、生徒たちの異文化交流経験への貢献を実感しているそう。また、ニコラさん自身の勉強にもなるようにと、国語の授業を受けてもらっているとか。

 関西外国語大学のGIPは、大学、留学生、企業・自治体それぞれがメリットを実感できる”トリプルWIN”のインターンシップ制度といえそう。そこで次回は、企業で働くGIP留学生や、日本の外国人労働者についてレポートします!

関西外国語大学

 世界52ヶ国・地域、375の海外大学のネットワークを持ち、年間の留学派遣学生数は1551人にものぼる。また、世界約40ヶ国・地域から706人の外国人留学生、約200人のネイティブ教員が在籍し常に外国語教育をリードしている。

(取材協力:関西外国語大学)

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