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ミュージカル界のプリンス・井上芳雄が、世界中が注目する『トニー賞』の魅力を語る

 ミュージカル界のプリンスとして、数々のステージに立ち、今年デビュー15周年を迎えた井上芳雄が、昨年に引き続きWOWOWが独占生中継する米国演劇界の祭典『第69回トニー賞授賞式』のスペシャル・サポーターに就任した。意気込みとともに、舞台人の目線から世界中が注目する授賞式の見どころやPR映像の撮影裏話を語った。

『第69回トニー賞』WOWOW特設サイト(外部サイト)
気になるノミネーションは!?(外部サイト)

演劇・ミュージカルの“架け橋”になれれば

――2年目となるスペシャル・サポーター就任のお気持ちを教えてください。
井上 昨年に続いてお声をかけていただいて、本当にうれしいですね。常に新しい作品が生まれるなかで、映画や音楽に比べると、ブロードウェイの情報は自然には入ってこない状況ですよね。僕自身、ミュージカルは大好きですが、昨年の生中継を拝見し初めて知るタイトルや俳優さんの名前もたくさんあったので、ぜひご覧になる皆さんと演劇・ミュージカルの“架け橋”になれればと思っています。

――日本人にとって、演劇やミュージカルがより身近な存在になるために、どんなことが必要だとお考えですか?
井上 映画やドラマだと、授賞式を見た後で日本での上映や放送を楽しみにできると思うんですが、演劇は受賞作のすべてが日本に上陸するとは限らないのが現状です。ただ、有名な映画を原作にした作品や、誰もが知る映画スターが出演する作品も多いので、なるべく視聴者の皆さんに、より身近に感じてもらえる“接点”をお届けできればと思っています。

――そういった情報が少しでもあれば、授賞式をより楽しむことができそうですね。
井上 授賞式って、いわばリアルな人生ドラマだと思うんです。感動的な受賞もあれば、どんでん返しもある…。そこで「この俳優さんは、何度も何度もノミネートされて、やっと受賞できた」「こんなご高齢なのに、今も現役で舞台に立っている」と聞けば、やはり興味を持っていただけると思うので。リアルタイムで予想を楽しめるのも、生中継の醍醐味ではないでしょうか。

――『トニー賞』の見どころといえば、ここでしか見られない豪華なパフォーマンスも挙げられますね。
井上 見どころは2つあって、まずはその年のノミネート作品からのパフォーマンス。生中継から、俳優らの普段以上の気合いが伝わってきますね。同じ舞台俳優として「今日はこの人、すごく緊張しているな」とわかることもあり、それが人間臭くていいなって思うんです。受賞式を盛り上げるだけではなく、作品の今後を占う上でも大勝負なので、緊張する気持ちは理解できますね。もう1つは『トニー賞』オリジナルのパフォーマンスで、その年のテーマや過去作品にオマージュを捧げるというもの。特に今年は司会者が二人(アラン・カミングとクリスティン・チェノウェス)で、ともにミュージカル俳優なので、どんな切口のパフォーマンスを披露してくれるか楽しみですね。

授賞式そのものが大人の楽しめるエンターテインメント

――『トニー賞』の授賞式を通して、井上さんの目にはアメリカ演劇界はどのように見えますか?
井上 授賞式そのものが、自分たちが命をかけて取り組む演劇に対する賛歌であり、それを声を大にして言える演劇界の素敵さを感じますね。舞台そのものが「生きていること」を賛美するものですし、海外の人ならではのちょっと毒が利いたユーモアも散りばめられていて、授賞式そのものが大人の楽しめるエンターテインメントになっている点も素晴らしいと思いますね。

――WOWOWの『トニー賞』授賞式オフィシャルサイトでは、井上さんが出演するPR映像を見ることができますね。「サウンド・オブ・ミュージック」や「王様と私」、「ウエスト・サイド・ストーリー」「雨に唄えば」「シカゴ」など数々の名曲を披露されていますが……。
井上 あれは1日で撮影したんですよ。今年は正攻法というか、イメージとしては、ヒュー・ジャックマンが授賞式のオープニングで披露しそうな名曲のメドレーですね。そう言うのは簡単ですけど、振り付けもその日その場で教えていただき「覚えては撮影する」の繰り返しで…。実際、出来上がったスポットを見ると、映像ならではのカッコ良さがあり、嬉しかったですね。でも1日で済んだのは、僕は振り付けを覚えるのが早いから(笑)。そこは強調したいです(笑)。

――『トニー賞』授賞式生中継の前日には、『井上芳雄 シングス・ディズニー 〜ワン・ナイト・ドリーム!』の放送も予定されています。
井上 皆様のおかげで、忘れないコンサートになっただけに、映像として当日来られなかった方にも楽しんでいただけるのは、ありがたいの一言ですね。もちろん、演劇やミュージカルの魅力はやはり「その場に行かないと見られない」という点。授賞式の生中継やコンサートの放送といった映像をきっかけに、関心を持ってもらえるなら、舞台人としてこれ以上うれしいことはありません。

(文:内田涼/写真:草刈雅之)

『トニー賞』とは?!

 『トニー賞』(正式には『アントワネット・ペリー賞』)とは、アメリカン・シアター・ウィング及び全米劇場プロデューサー連盟により授与される、アメリカ合衆国の演劇とミュージカル分野における賞。通称“EGOT”(米テレビ界の『エミー賞』、音楽界の『グラミー賞』、映画界の『アカデミー賞(オスカー)』)、そして「T(トニー賞)」で、アメリカ演劇界で最高権威を誇る。1947年に11部門で始まってから、賞の名称と数は長年に渡って変化している。1949年から演劇部門とミュージカル部門に分かれた。

 授賞部門は、演劇作品賞やミュージカル作品賞など全24部門。対象作品は、40以上あるオン・ブロードウェイの劇場で、2014年4月25日〜2015年4月23日に正式にオープンした作品。また、主演男優賞や女優賞といった俳優へ贈られる賞は、正式オープン日の出演者のみ対象となる。

 授賞作品は、ブロードウェイ・リーグ(北米の劇場所有者、支配人、プロデューサーなどによる団体)のメンバーとアメリカン・シアター・ウィング(第一次世界大戦中、寄付金集め、慰問などの社会貢献を目的として設立)の指名された会員を中心に、俳優、劇作家、演出家、振付家など様々な演劇関係者の団体のメンバーも加わった850人以上が投票にて決定する。

 日本でも人気の女優、キャサリン・ゼタ=ジョーンズも2010年に『リトル・ナイト・ミュージック』で「ミュージカル主演女優賞」を受賞。過去には、『アンネの日記』やヘレン・ケラーとアニー・サリバンを描いた戯曲『奇跡の人』など、日本でも親しみのある作品が「演劇作品賞」を受賞。1965年に映画化された『サウンド・オブ・ミュージック』も、それ以前となる1960年に「ミュージカル作品賞」を受賞している。

『第69回トニー賞』の授賞式の様子をWOWOWで生中継!

昨年に引き続き、WOWOWでは今年も生中継し、番組の案内役には宮本亜門と八嶋智人、スペシャル・サポーターとしてミュージカル界の大スター井上芳雄、そしてゲストに、黒柳徹子を迎えて、昨年よりもさらにパワーアップした内容で放送。

生中継!第69回トニー賞授賞式
【放送日時】6月8日(月)午前8時〜生中継/二カ国語[WOWOWプライム]
【リピート放送日時】6月13日(土)午後8時〜字幕[WOWOWライブ]

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