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池田秀一(シャア・アズナブル)の仕事哲学 「力を抜くことだ」

見る人の数だけ、カッコいいシャアがいる

池田秀一とシャア・アズナブルの物語は37年前から始まり、これからもきっと続いていく。ガンダムシリーズは20作品以上にものぼり、働き盛りの男性にとって共に成長してきた特別な作品。その中でもシャアというキャラクターは最も愛されているといっても過言ではない。池田にとって『ガンダム』とはどういう存在なのだろうか。シャアを演じるきっかけは「偶然が重なってできた」という、1979年当時のエピソードを教えてくれた。

「僕がシャアを演じることになったのは、すべてが偶然です。実は、僕は主人公のアムロ役のオーディションを受けたんです。その時、仮面をかぶったシャア・アズナブルの絵をみてスタッフさんに「この人誰?」って聞いて、お願いしてシャア役のオーディションを受けたんです。当時、シャアをやる人がほぼ決まっていたらしいんですが、結果的に僕が演じることになりました。当然、ガンダムワールドのことを当時何も知らなかったですからその時のインスピレーションで演じましたね。それがこんなに愛される作品になるとはまったく思っていなかったですよ」
1980年に放送が終わった後から今まで長い期間『ガンダム』に関わってきた池田。時代を超えてシャアが愛される理由がどこにあるのか、本人の考えを聞いた。

「安彦さんのキャラクターとしてのかっこよさは感じますが、どこが好かれているかは正直全然分からないですね。でもこれだけ長い間愛されるのは、ただのかっこよさだけではないと思います。ザビ家への復讐という影を感じる部分かもしれないし…他かもしれない。僕が思うのは、シャア像も時代と共にどんどん変貌している気がする、ということ。37年の間にファンのみなさんが作り上げたものなんじゃないかって思います。ファンの人たちが「あーでもないこーでもない」「いや、これはこういうことだ」って議論を重ねてね。見る人の数だけかっこいいシャアがあって、それが集まってシャア・アズナブルが出来上がっていったと思いますね」

(C)創通・サンライズ

(C)創通・サンライズ

「当時見た人が大人になっていって。例えばガンダムファンで知られるGacktさんなんか『男の生き方はシャアから教わった』と言ってくれていますよね。そういう人たちの存在も大きいでしょう」

37年間で、ファンによりシャア・アズナブルはガンダムのアイコンになっていったという。多くの人に影響を与えてきたキャラクターであり、「シャアは俺だ」とも語る池田自らが役柄から学んだことはあるのだろうか。

「学ぶべきところはたくさんあるんですが、とても俺にはできないなって諦めちゃって。でも彼と会話できるのがうれしいですね。彼(シャア)のセリフを言わせてもらい――演じることは役者として学んだと思います。収録の際は画面に向かって“ざまあみろ”って思いながら演じていますけどね。『お前(シャア)を表現するのは俺しかできないんだぞ』って。彼も画面の中から『池田、頼んだぞ』って言ってくれている気がします」

役者としての喜びをシャアを通して感じたという池田。一方で、「僕以外の人がシャアをやったって問題ないです。慣れです。『ドラえもん』だってもう大丈夫でしょう?」と笑う。作品、キャラクターに強い愛着を持ちつつも、役者としては同化しすぎないようにしている印象だが、ここで池田秀一の「仕事哲学」を改めて問いかけてみた。

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