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主人公マリコの魅力に中毒者が続出?『科捜研の女』定番と新しさ融合した飽きさせない工夫

時事ネタをうまく盛り込んだ脚本力、安定視聴率におごることなく「新しさ」に挑戦

 現行のドラマシリーズとしては最長寿の「科捜研の女」だが、もともとテレビ朝日はシリーズものを得意としている。その人気を支えている重要なポイントが、時事ネタを巧みに盛り込んだ脚本力にある。

 通年放送中のシーズン19では、「マリコの相棒に殺人容疑!? 神出鬼没の爆弾ドローン」(第8話)、「マリコの爆弾大捜索…犯人が観光案内するアプリの謎」(第9話)、「人質マリコ救出作戦〜銃撃戦に携帯ゲーム機で応戦!?〜」(18話)などスマホアプリや携帯ゲーム、ドローンを盛り込んだエピソードが放送されている。

 またシーズン18の第5話「フリマアプリの達人/凶器をフリマアプリで売る女!? マリコ決死の爆買い!!」は、「何を買うんだ、マリコ!」とそのサブタイトルだけでもTwitterで大きな話題に。以前より『科捜研の女』の爆発力あるサブタイトルに夢中になるファンは多く、放送日にはラテ欄の画像がTwitterを賑わせることもしばしばある。

 そもそも刑事ものや医療ものといったシリーズドラマに強いテレビ朝日は、脚本に時事ネタを盛り込むことを得意としている。昨年放送された『ドクターX 〜外科医・大門未知子〜』(2019年10-12月)のシリーズ6作目でも、AIを軸にさまざまなエピソードが展開された。

 時事ネタは幅広い世代の視聴者の関心事であり、事実、沢口も昨年のインタビューで「最近、小中学生からファンレターをいただくなど、若いファンの方が増えている実感がありました」と語っている。

“テレビ朝日の刑事もの"というと中高年の視聴者をイメージしがちだが、たしかな脚本力と話題性のあるテーマで見応えのあるストーリーを紡いできた『科捜研の女』は、若者にもしっかり訴求している全世代網羅型のドラマと言えるだろう。

沢口靖子の「画面映え」する美貌、番組を支える女優としての力量と存在感

 もちろん20年以上の人気を支え続けているのが、マリコを演じる沢口靖子の女優としての力量だ。

 主人公・榊マリコは仕事一筋の法医学研究員。上司に媚びず、部下を甘やかさず、事件の真相に近づくと周囲の会話をガン無視するほどまっしぐらに。少々常識外れなところがあるものの、仕事は完璧。そして前述のように料理下手、芸術オンチといった面が愛らしいキャラクターでもある。

 ちなみに沢口はシーズン16の放送直前インタビューで、「初期は科学を盲信していましたが、最近は人を優しく見つめるようになりました」と、長きにわたって演じ続けてきたマリコの成長を語っている。

 一方で20年にわたって一向に変わらないのが、マリコ=沢口靖子の美貌だ。各放送回に必ずといっていいほど組み込まれる目線ありの「マリコカット」は画面映えも十分で、Twitterでは毎週といっていいほど「相変わらず美しい…」というため息混じりの投稿が相次ぐ。現在54歳と聞いて驚く人は多いだろう。

 女優・沢口靖子のもはやミステリアスの域に達している存在性も、どこかマリコとかぶるところがある。プライベートを明かすことは極めて少なく、目立った熱愛報道もない清潔感。それでいて、"お嬢さま女優"のイメージを覆すコミカルな設定も真正面から演じきる。マリコの真面目だからこそ「どうかしている」面白さは、沢口靖子だから成立しうると言っても過言ではない。

提供元: コンフィデンス

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