『ジョブチューン』人気の“ジャッジ企画” 人間ドラマ見せるドキュメント風演出テクとは

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 飲食チェーンの人気メニューを、一流料理人がジャッジする人気企画が話題を集めているTBS系バラエティ番組『ジョブチューン 〜アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』。誰もが知る人気メニューが「ダメ出し」をくらってしまう…というスリリングな内容だが、料理人のマル・バツ判定結果とそれを受けたスタッフの表情やコメントに思わず見入ってしまい。翌日店舗に足を運ぶ視聴者も多いだろう。細かなところに配慮しつつ、ドキュメント風の演出で人間ドラマを見せる番組制作のテクニックを聞いた。

顔アップを多用し表情の変化を伝える

『ジョブチューン 〜アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』で人気の「ジャッジ企画」とは、スシローやくら寿司、ロイヤルホスト、大戸屋といった飲食チェーン店や、コンビニ・スイーツといった視聴者に馴染みのある各店のメニューを料理人が試食し、その合否を判定するという対決企画だ。企画のいきさつについて、総合演出を手がける山口伸一郎氏は次のように語る。

「元々は、“価格に見合った美味しいものが食べたい。じゃあそれは何だろう?”という、誰もが抱く素朴な疑問から、約3年前にこの企画を初めて放送しました。初回はスシローさんの人気メニューの中から1、2、3位を決めるという内容で、そこから今のジャッジ企画へ発展していったんです」

 “食”という普遍的かつ身近なテーマを取り上げながらも、注目すべきはその切り口だ。各企業が努力の末に開発した商品を、大胆に「合格」あるいは「不合格」とジャッジする尖った企画性が、視聴者の興味につながった。しかし、もちろんそこに拒否反応を示す企業も当初は多かったという。ではなぜ、ジャッジ企画はここまで人気を得ることができたのだろうか。

「このコーナーを何回か繰り返す中で、これは“人間ドキュメンタリー”だと気づいたんです。企業の方は、会社を背負って出演している。だからこそ、料理人の判定に一喜一憂し、涙までする。一方の料理人も、安易に不合格の札は挙げられないし、この番組に出ることで自身のハードルも上がってしまう。そんなガチンコ対決の中から生まれるドキュメンタリー性にも、視聴者は面白味を感じてくれたんだと思います。そこで途中から編集方針も変えていきました」

『ジョブチューン 〜アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系/毎週土曜20時00分〜) ※写真は「一流料理人が高速道路サービスエリアで出張ジャッジ!」(10月26日放送)より

『ジョブチューン 〜アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系/毎週土曜20時00分〜) ※写真は「一流料理人が高速道路サービスエリアで出張ジャッジ!」(10月26日放送)より

 そのひとつが、出演者の表情を映し出す顔のアップだ。人の表情は正直であり、試食する料理人も、その様子を見守る企業側も、思わず一瞬、顔に出てしまう表情の変化。それが何よりも視聴者を引き付けている。そのうえで、仮編集の映像を通して確認し、今回はこの料理人、企業側のこの人がキーマンだとなれば、その出演者を主人公と決め、コメントをより多く取り上げたり表情の変化を細かく選んだりして編集し直すという。

「物語には主人公がいた方が視聴者に伝わりやすいですし、たとえば料理人が顔をしかめた時、視聴者が“大丈夫かな?”と感じるタイミングで主人公の不安げな表情を映す。そうした視聴者の生理に合った編集を丁寧に行うことで、よりドキュメント性を高めていけるんです」

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提供元: コンフィデンス

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