本気のテレビ朝日、eスポーツの未来を開拓中「イメージを変え、国内に文化を作る」
あくまでも「スポーツ」として捉え、eスポーツを見せていく
「ひとつのきっかけは去年『お願い!ランキング』で展開した、お願い!eSportsファイターという『ストリートファイターリーグ』との連動企画です。そこでは番組演出や視聴者のリアクションなど学ぶべき点や気づきも多く、今回の独立したレギュラー番組の成立につながっています」(宇喜多宏美氏)
「私たちの取り組みの最大の特徴は、eスポーツをゲーム軸ではなく、あくまでも『スポーツ』として捉え、見せていくということ。テレビ朝日には、野球やサッカーコンテンツをはじめ、フィギュアスケートGPシリーズ、ゴルフの全英/全米オープン、世界水泳など、多様なスポーツイベントの放送にこれまで膨大な実績と経験があります。それらの知見を活用しながら、スポーツとしての感動や熱気を伝える番組づくりができるはずだと考えています」(石田氏)
最新状況をまとめて伝えるeスポーツニュース番組も誕生
「ラグビーとかリアルな人間の競技だと、仮にルールがわからなくても、凄いタックルだった、パスが渡った、とか映像の力だけで説得力が出る。eスポーツでは、慣れていない人にとっては、果たしてどれがすごいプレイなのか、見ていてもなかなかわからないジレンマはあります。ルールが難しかったりする場合などは、むしろ周辺の事情、横浜マリノスも参加してるとか、ジャイアンツも入ってきましたよとか。そちらを導線にしたほうが伝わりやすいこともある。様々なバランスを考えながら、最適解を競技ごとに探していくしかありません」(石田氏)
地上波初のeスポーツ中継もすでに放送
「大会などでは競技時間が長くなりすぎるとか、リアルタイムでの解説が、プレイが速すぎて一般の視聴者の方ではなかなか追いつかない、といったハードルがどうしてもあります。当面は、録画中継という形式で展開していく方針。ですが、いかにスポーツとして魅力的に見せられるか、という部分で、テレビならではの演出も加えながら丁寧につくっていきます。もともとゲーム内では表示されない体力ゲージを放送サイドで画面に追加で表示したり、解説や表現の演出は競技に合わせて、より伝わるものを検討していく必要があります」(石田氏)
テレビ朝日が日本のeスポーツのイメージを変える?
「RAGEに参画したことで、勉強も続けています。CyberZさんが大会やリーグの運営、avex Entertainmentさんがイベント演出を手がける中、私たちは地上波放送やインターネット配信でどうeスポーツを展開できるのか。たとえばテレビ中継だからこそ画面上での映え方を意識した会場配置を提案することなども含めて、少しでもeスポーツへの理解を深めてもらえるよう演出を検討していきます。リーグ戦では会場に観客がいなかったりすることもあるのですが、やはりスポーツというのは、たくさんのお客様のノイズも一体となって初めて、ひとつの空気感が醸成されるもの。そういったレベルからの提案も続けていきます」(石田氏)
なお、『ReAL eSports News』の第2回放送は12月6日(金)。ニュースと共に特集では『TEPPEN WORLD CHAMPIONSHIP 2019』の出場権をかけた日本代表決定戦の裏側に密着するとのこと。さらに、『eスポーツ対戦格闘リーグ ストリートファイターリーググランドファイナル』は、2019年12月7日(土)26時35分〜27時30分に放映。日本最高峰の対戦格闘リーグ『ストリートファイターリーグ』最終決戦の模様を、濃密に凝縮された1時間で楽しむことができる。