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主演男優賞・大泉洋が語る『ノーサイド・ゲーム』 この先もそう作れない熱量の高いドラマ

 19年7月期に放送された主なドラマを対象とした、エンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』発表の「第17回コンフィデンスアワード・ドラマ賞」で、日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』(TBS系)に主演した大泉洋が主演男優賞を受賞した。ラグビーに打ち込む熱い男たちの物語で、体を張った熱演ととともに、現役&OBラグビー選手などが出演した多彩なチームを座長としてけん引した大泉に、改めて作品を振り返りながら、その熱い現場への思いを語ってもらった。
 作家・池井戸潤氏の最新書き下ろし小説を実写化した『ノーサイド・ゲーム』は、大手自動車メーカーに勤めるエリート社員の主人公・君嶋(大泉)が、左遷人事で工場の総務部長と低迷する自社のラグビーチーム「アストロズ」のゼネラルマネージャーを兼務することになり、仲間たちとともに再起を懸けた戦いを繰り広げる物語。

 池井戸作品初出演となる大泉の人間味ある演技、元ラグビー日本代表の廣瀬俊朗をはじめとするラグビー選手や、ラグビー経験のある俳優陣が集結して演じた圧巻の競技シーン。また、作品の世界観にマッチした米津玄師書き下ろしの主題歌「馬と鹿」による演出など、本作ならではのアプローチによって、終始手に汗握りながら物語を見届けた視聴者も多かった。最終話では、ドラマ満足度調査「オリコン ドラマバリュー」で、100Pt満点中95Ptという高ポイントを獲得し、見事に有終の美を飾っていた。

芝居経験はなくても、まっすぐで一生懸命だったアストロズ選手役たち

――これまでに数多くの賞を受賞されている大泉さんですが、『ノーサイド・ゲーム』での主演男優賞受賞へのお気持ちをお聞かせください。
大泉洋『ノーサイド・ゲーム』というドラマのおかげのひと言に尽きます。「私の力およばず」なところもたくさんあったのですが、スタッフとキャスト全員のものすごい熱量で作られたすばらしい作品でしたので、観ていただいたみなさまにも満足していただける作品になり、そのおかげで私がこのような賞をいただけたのだと思っております。感謝のひと言です。

――大泉さんをはじめ、キャスト、スタッフの熱い思いが伝わってくるドラマだったと思います。
大泉洋このドラマが作品賞を獲れなかったのはとてもは残念です。世界的にもここまで本格的なラグビーシーンを再現した作品はないと思うし、この先もそう作れない作品だったと思います。俳優にラグビーをさせるのではなく、ラグビー選手、しかも多くの元日本代表選手たちにお芝居をさせるという試みで、本物のラグビーシーンを撮ったというのが本当に画期的だったと思います。

――大泉さん自身も池井戸作品ファン。そんなドラマの撮影でほかの現場との違いを感じたことはありましたか?
大泉洋池井戸作品は、観ている人たちが勇気をもらえる、元気になれる作品だと思うんです。日曜劇場という枠で、日曜日の夜に気持ちよく観て、月曜日から元気にがんばろうと思えるドラマ。読者として楽しませていただいてる身としても感謝の気持ちでいっぱいです。いい意味で、池井戸作品は裏切らない。視聴者は、最後はハッピーエンドだろうと予測している部分もあると思います。作者としては、そこを裏切っておもしろいものを作っていくという手法もあるわけで、ひょっとしたらそのほうがおもしろくなるのかもしれません。だけど、そこをあえて池井戸さんは人々が求めているものを作っている。なおかつ、その求められているものや期待を超える、感動させるものを作り続けているということは、本当にすごいことだと思います。ドラマを観ていた視聴者は、原作を読んでいて先がわかっていても感動してしまう、泣けてしまうと言います。奇をてらうもの、予想に反したものを作るよりもずっと難しいことなのではないかと思っています。

――現役&OBラグビー選手など専業俳優ではない方も多く出演されていました。座長として意識されていたことはありますか?
大泉洋アストロズの選手役のみなさんは芝居経験のない方々だったので、最初はドラマやお芝居に対して、その接し方などに気を使ったり、引っ張っていったりする部分があるのではないかと思っていたんですけど、彼らはものすごくまっすぐで、だれよりも一生懸命やってくれる人たちで、私が彼らを引っ張っていく必要はありませんでした。どちらかというと、過酷な撮影のなかで彼らを気遣っていた部分が大きかったです。試合のシーンでは、激しいコンタクトもあるわけで、それは役者じゃない、ラグビーのプロの彼らにやってもらっているぶん、激しくもなっていく。そんな撮影が続いて、体が大丈夫なのか、そこへの気遣いの日々が多かったです。君嶋のセリフで「何度も彼らに背中を押してもらった」とありましたけど、私もアストロズのみなさんに役者として背中を押していただいたという思いです。

ラグビーブームに果たした功績は大きい

――大雨のなかでのタックルなど、大泉さんもハードなシーンに体当たりで臨まれていました。印象に残っていることはありますか。
大泉洋どのシーンも思い出深いんですけど、いま思い出されるのは、第1話の君嶋がアストロズの選手たちを鼓舞するシーンです。大変長いシーンでセリフを覚えるのも大変だったんですけど、彼らを鼓舞する最初のシーンは、このドラマを象徴するシーンだったと思います。最初のシーンから、アストロズの選手たちも気持ちの入った芝居をしなくてはいけなかったので、あのシーンは思い出されます。あと、最終回でこの試合で引退するといった浜畑(廣瀬)を抱きしめたシーンは、自分自信も胸が熱くなり、とても印象深いです。

――ラグビーW杯が大きなムーブメントになりましたが、その下地にこのドラマがあったとも言われています。
大泉洋もともと私もこのドラマの前はそんなにラグビーに詳しいわけではなかったのですが、ドラマがあってラグビーにすごく興味を持ちました。放送が終わってすぐにラグビーW杯が始まり、私も何度かスタジアムに足を運んだんですけど、本当にあちらこちらで『ノーサイド・ゲーム』の話が聞こえてくるんです。このドラマでラグビーのおもしろさに気づいて、W杯にハマった人がいたんだろうと思うと、このドラマの果たした功績は大きかったんだろうし、そういうドラマに携われたことを本当にうれしく思っていますし、感謝しています。

――大泉さんにとってラグビーの魅力はどんなところですか?
大泉洋ゲームがすごくスピーディでスリリングということはすごく思いました。こんなに目が離せないスポーツってなかなかない。一瞬でも目を離したすきにどうなるかわからないから、ながら観なんてとてもできません(笑)。選手がタックルをかわして抜け出す瞬間を見逃したくないですからね。日本代表はONE TEAMを掲げて闘ってましたが、チームのために全員ががんばる姿が感動的です。

提供元: コンフィデンス

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