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『おっさんずラブ』貴島彩理プロデューサーが語る、ドラマが描いた“ひたむきで純粋な恋

若手&女性活用が活発なテレ朝ドラマ部の空気感

  • 2018年のドラマDVD、BD年間ランキング1位を獲得した『おっさんずラブ』

    2018年のドラマDVD、BD年間ランキング1位を獲得した『おっさんずラブ』

──根っからのドラマファンを公言されている貴島さんですが、20代の同世代でそこまでテレビを観ている人は少ないのでは?
貴島彩理確かに、YouTubeでネコの動画を観て癒されている友人など、増えているようにも思います…。でも、同世代でもドラマを観る人はすごく観ている印象です!今の時代、視聴率以外にも指標はいろいろありますが、それでも数字を取っている作品はやはりおもしろいからこそ支持を得ている。そこは絶対に忘れてはいけないと肝に銘じています。ただ一方で、つい先日電車の中で女子高生2人組が「Netflixで『おっさんずラブ』観てるんだけど、まじテスト勉強できなくなるよね」と会話しているところに偶然遭遇して、とても感激して…。実際、本放送では数字で結果を残せなかった作品なので、見逃し配信などのツールがなかったら、ここまで反響が大きくなることはなかったようにも思います。そういう意味では、ドラマ制作者がやるべきことの根本は今も昔も変わらず、おもしろい作品を追求することなのかな…と思っています。

──いまテレビ朝日のドラマは、視聴率でも話題性でも絶好調ですね。社内にもそういった勢いがあるのでしょうか?
貴島彩理ドラマ部に若手の数が増え、若手のアイデアを先輩方が伸ばしてくださる温かい空気があると思います。経験の浅い私たちを自由に泳がせつつ、ここぞというときに手を差し伸べて兜の緒をしめてくださる…『私のおじさん』もその前の作品も、三輪祐見子GPが一緒に作品作りをしてくださるおかげで、悔いのない挑戦ができていると思います。『おっさんずラブ』の数字が伸び悩んでいたときも、内山聖子EPが「おもしろいんだからブレずにやりなよ!」と背中を押してくださった言葉に救われた思い出があります。そういった形にならないものを信じてくれる先輩方がいるのは、本当に心強くて、幸せです。

──御社をはじめ、近年のドラマ界は女性プロデューサーの活躍が目立っています。女性登用や女性が活躍できる社会作りが社会全体の課題となっていますが、ご自身の環境はどのように感じていますか?
貴島彩理どの業界においても、すでに女性は登用されているし、活躍もしているのでは…と個人的には思うので、「女性云々」というキーワードや課題そのものが古いようにも感じます。テレビ朝日に関して言えば、性別関係なくチャンスをもらえていると感じますし、とくにドラマ部は先述の内山EP、三輪GPというスタープロデューサーの存在があるおかげで、「私たちもがんばろう!」と女性Pがとても元気だと思います(笑)。ただ、私が知らないだけで、先輩方がドラマ部で“初の女性プロデューサー”として道を開拓しはじめた頃は、人知れぬ苦労があったかもしれません。…ならばこそ、いまこの環境を作ってくださったことに感謝の気持ちでいっぱいです。

──目標はこのお2人ですか?
貴島彩理もちろんです!…が、私はポンコツすぎて、あんなふうになれる自信はありません(苦笑)。ただ内山EP、三輪GPの背中はずっと追いかけて行きたいですし、いつか2人のように木曜ドラマでシリーズものを生み出すことが、今の目標です。30代で医療ドラマにも挑戦してみたいなと、…今の自分の引き出しでは絶対にできないなぁと思うからこそ、今後きちんと勉強することも含めて、自分に負荷をかける意味でも、今宣言しておきます(笑)。がんばります!
(文:児玉澄子)

提供元: コンフィデンス

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